2009年12月26日土曜日

15.389B G-Lab (IAP Indonesia)

MITの1月は、Independent Activities Period (IAP)と呼ばれる、キャンパスワイドで通常のアカデミックプログラムと独立したいわば自由研究の期間になっている。面白い授業が多数公開されていて、定番の起業ブートキャンプから、語学・料理といった趣味的なものや、授業からスピンオフした実地研修もある。秋に履修した15.970 Financial Crisesでは、Andrew Lo教授が執筆中の金融危機に関する本の素材集めとして、危機の当事者だったニューヨークの投資銀行やFRBなどにニューヨークでインタビューするプログラムもある。また、Harvard Kennedy Schoolの1月の集中授業(有名なハインフェッツから、交渉術のクラスなど)を取ることも可能で、こんな本格的な単位を取れる授業もあれば、ボランティアっぽいものまで、兎に角様々だ。私は、残念ながらこれらのIAPの機会は活用できず、G-Labの現地プログラムで1月の3週間、インドネシアに滞在する。
G-Labのプロジェクトは、秋学期にリモートコンサルティングとして、参入対象国のマーケットリサーチを中間レポートに纏めた(これがテスト期間と重なり毎晩大変だった)。また、ホスト企業側がインドネシア国内にコンタクトがほとんどないため、MITのブランドも使いつつプレセールスを兼ねてネットワークを広げることが期待されている。ボストンの地の利を活かして、大統領のファミリメンバと会うことが出来たり収穫が少なくなかった。もともとは、ホストの工場があるベトナムへの滞在を予定していたが、実際のターゲット市場のインドネシアに滞在先を移すことになった。個人的にはベトナムの方が日本企業全般に専門家が少なく製造拠点として参入機会が高いためキャリアの差別化として魅力的だった(フォーも美味しいし)。しかし、インドネシアで色々調査を始めてみると、既に現地に根付いている日系企業の方々とネットワークが出来て色々と教わる機会が多くて良かった。また、Islamic Financeという宗教、法律、金融が融合したような学際的な領域を新たに学ぶ機会が得られたのも幸運だった。インドネシアでは、主にジャカルタに滞在して、バンドン、バリ(デンパサール)、スラバヤにも訪問する予定。Air Asiaという現地の格安航空会社だと、成田エクスプレスの値段で国内線に乗れてしまう。
Sloan Fellowsプログラムのサブタイトルには、"Innovation and Global Leadership"と、Globalが入っていて、1月から実際に色々な国に訪問する機会に恵まれている。G-Labのインドネシアに向かうフライト経由地のドバイ、香港にトランジットで滞在できるのに加え、5月のInternational Tripでは南アフリカ、ブラジルに滞在する。私の海外経験は、アメリカと中国・台湾に偏っていたので、この機会に知見を広げたい。

Group Matching

Sloanの授業では、チームアサイメントも多く成績がチーム単位で決まるだけでなく、学びの質も変わるので、メンバ構成は大事な要素。Sloan Fellowsでは、コア授業しかない夏学期のみ、プログラム強制のStudy Groupで、秋学期以降はコアも含めて自由にグループを組め、選択授業では2年制MBAの方とも混成になる。アプリカントの方や日本から聞かれることの多い、グループ編成について国籍を中心にバックグラウンドを纏めておく。
私は、特にポリシを考えたことは無かったが、実際は人の相性よりもこの人と一緒だったら共通の興味を持ちながら新しい視点で学べそうかのフィーリングで自然と決まることが多かったと思う。このため、同じメンバとは違う授業でもチームを組まなかった。また、日本人Fellowsとは興味も近いので、出来るだけ組みたいと思っていた。意識して作らないと日本人Fellowsから学べる機会は少なくなってしまうので。以下に、私(日本(SF/Tech/男))以外のメンバを列記。一緒に過ごす時間が長かった順に。

- Summer Study Group
パキスタン(Sales/男)、アメリカ(Mktg/女)、ジンバブエ(CPA/男)
自己主張の強いメンバ達で苦労したのも今ではいい思い出と経験に。

- Summer Learning Group
上記3名+シンガポール、中国、ロシア、ナイジェリア、インド
ここまで国際色豊かなのもうちのグループくらい。秋後半になってようやく分かり合ってきた。

- G-Lab
スペイン(SF/Mktg/女)、アメリカ(LGO/Tech/男)、アメリカ&中国(MBA/Finance/女)
1月に3週間一緒に生活するメンバ達。バックグラウンドは多様だが皆まじめな性格なので気も合う。現地でもうまく行くだろうか。

- Finance2
日本人2名、マレーシア
毎週のアサイメントに世間話とともに深夜まで付き合ってくれたメンバ。Finance実務経験のある方から教わることが多かった。

- Tech Sales
アメリカ(MBA/コンサル)
ビデオアサイメントの作戦を一緒に考え、頭が切れユーモアもあり的確にフィードバックをくれた相棒。

- Investment
インド2名(SF/MD, MBA/Tech)
ブラックショールズも難なくこなす数字に強い頼もしいメンバ達(インド系でも群を抜く強さ)。

- M&A
日本人2名、インド(Tech)
M&AはValuationと戦略的思考が交差する面白い話題なのでチームの議論も楽しかった。

- Managing Technological Innovation
シンガポール2名(政府系)
秀才2人に助けられた。お役所らしい飾った堅い書き方をするのは日本と共通。

- Managing New Ventures
日本人3名
日本の中小企業をテーマに各自の実務経験に基づいた地に足のついた議論ができた。

- Global Market
・日本人3名 (日本ペーパ)
・ブラジル、ペルー、中国 (中国ペーパ)
段取り良く仕上がった日本ペーパと比べて、中国ペーパはSkypeで夜な夜な議論を尽くし大変だった。

15.322 Leading Organizations

夏学期から続くFellowsコアのリーダシップの授業。個人のキャリア目標や感情的スタイル、グループ固有のラーニングスタイル、会社組織の変革プロセス、と幅広いテーマを、Learning Groupのディスカッションで学ぶ。夏学期にはこの手のソフトな話題はこうあるべきという主観に囚われて取っ付きにくかったが、秋になって皆も慣れてきたのか、客観的に自分やチームをフランクに分析して議論することが自然になった。このLearning Groupだけはプログラムの強制なので(勝手に抜けてしまうメンバも実際はいるが)、自分自身のスタイルが絶対でないことを知り、Internationalなメンバをよく観察して理解しあう経験という意味で、自身の人間的な未熟さを自覚して意外にも学びのあったクラスだった。振り返ってみると、リーダシップを定義するときに、以前は外部から人に動機を与えて動かすプロセスしか思い至らなかったが、この授業を経てもっと内面的な動機で自分自身や他人の共感の中で自然と動かされるプロセスもあるという点も実感した。

15.355 Managing New Ventures

Fiona Murray教授が教えるFellowsコア科目(H2)の15.355 Managing New Ventures: Understanding Entrepreneurship & Economic Growth。同じくH1のコアだった15.991 Managiing Technological Innovationの続編という位置づけで、こちらは個としてのアントレプレナーの特徴にフォーカスして、その人的リソースの組織的な活用を扱う。最初の数回は、起業家の統計レビューのような授業でいまいちだったが、途中から色々な分野の新興企業を扱いE-Ink, Netflixから、Du Pont, Intel NBI, XNSなど大企業におけるCorporate Ventureの活用に続き面白くなった。厳選されたケースを読んで他の人の発言を聞くだけでも今まで気づかなかった視点があったり、新規事業の推進に関わる立場で学びの多い授業だった。MBAでは、アントレをテーマにした授業は多いものの、アントレに纏わる様々な制約条件(技術、人、資金、競争)を総合的に分析する授業はあまり多くない印象だ。特に、テクノロジシードを育てるクリティカルパスの見方、Exit戦略から逆算した事業・資金調達計画の立て方が参考になった。Tech系バックグラウンドの同級生には評判の良い授業だった。

2009年12月25日金曜日

15.223 Global Markets, National Politics and the Competitive Advantage of Firms

FellowsのH2コア科目の15.223 Global Markets. IMFでチーフエコノミストを務めた後、MIT教授に転じたSimon Johnsonが、国際経済、貿易論を教える。毎回、豊富な読み物が用意され、授業の日の朝刊(FT)をベースに時事問題も議論され、全ては読みきれないほどだ。比較優位といった貿易論のフレームワークは一切用いず、ケースを元に国家経済運営の視点で通商経済政策を議論するスタイル。アカデミックさが全くなく、教授自身の強い主張で議論がリードされ、米国の利益を代表する立場から、米国から他国の問題点に批判的に切り込まれる。経済政策の政治プロセスと国家の競争力に議論の重きをおく、昔の「大接戦」のレスターサローのようなタイプで、ゆくゆくはワシントン入りを狙っているのではないかと思われる。教授が主催するブログのBaselinescenario.comでは、日々の時事問題に関するコラムが参考になる。授業の前半は、Michael Porterの「国家の競争優位論」に始まり、よほど好きなのかシンガポールの産業保護育成政策がたびたび賞賛される。後半は、ブラッドダイヤモンドや抗エイズ薬の知的所有権をテーマに、通商における南北対立が議論された。
授業の評価は人によって大きく分かれ、International studentsには教授の展開する米国の一方的な主張が嫌われる部分もあった。私としては、好き嫌いは置いておいても、エコノミストならではの批判的な視点に学ぶ部分が大きかった。このようなエコノミストの競争視点の貿易論は、ポール・クルーグマンによると(和書だと「良い経済学・悪い経済学」など)、経済学のファンダメンタルに基づかない政治的プロパガンダと見なされており、見比べて読んだり、最近の資本規制と重ねて考えると悩みがつきない。経済は、色々な人がそれぞれの立場で主張するため、本質を見誤らないだけの知見を持つには大変だと実感した。また、Final Reportは、チームで各国の最近の経済政策を議論することが求められ、日本の財政赤字・労働人口問題と、中国のコーポレートガバナンスや資本規制の現状をそれぞれテーマに選んだ。中国市場に興味のあるメンバーと一緒に新しいことを学ぶ良い勉強になった。

2009年12月23日水曜日

ジャマイカ旅行

吹雪のボストンを脱出してジャマイカへ。ネグリルにあるThe Cavesは、カリビアンブルーの海を臨む自然の崖と洞窟を活かしたユニークなホテル。やっぱりカリブの海は目を奪われる美しさ。



崖に張り付くような急な階段を降りると、そこには洞窟が。暑いジャマイカでも、洞窟の中はひんやり涼しい。


All-inclusiveでスタッフがカジュアルなのも、アマンとかと比べてずっと気楽で良かった。朝から好きなだけフルーツをもらったり、昼からバーでマルガリータも飲めるし、コーヒーが全てブルーマウンテンなのが嬉しかった。絞りたてのスイカジュースにはまった。24時間セルフバーもあって、好きなカクテルを作って飲める。


シュノーケルでは、岩場を潜り抜けた先にある蝙蝠の住む洞窟を探検したり、ライオンフィッシュとコズメルでも見た青い魚の他、色鮮やかな熱帯魚の群れもいたが小物で渋かった。


ホテル内の色々なところに、飛び込み台があって、夜には気づかずに落ちてしまいそうなほど。飛び込んだ先も洞窟になってたりして楽しい。ジャンプは気持ちいい!

2009年12月18日金曜日

チャールズリバー

ニューヨークから昨晩戻り今朝起きてみると、チャールズリバーに氷が張り始めていた。去年は11月には凍っていたそうで、今年は最近まで暖かいのが不思議なくらいだった。ニューヨークトリップが終わり、年末まで2週間の冬休みに入る。暖かいところでのんびり休みたいと思い、今日ちょうど泊まりたかったホテルが空いたのとボストンから直行便が取れたことから、明日からジャマイカへ行くことに。カリブリゾートは、コズメル以来で楽しみ。

2009年12月17日木曜日

New York 散歩 (NY Trip)

NY Trip中は、夜だけは自由時間で毎晩パーティがあったり、買い物やレストランを楽しんだ。ボストンに比べれば、ニューヨークは東京と同じくずっと洗練されているしブランド物から日本の物まで何でも手に入る(お金さえあればだが)。ユニクロでヒートテックとダウンジャケット(650フィルパワーで$49!)など冬物を色々と買い込んだのと、しばらく旅行が続くので紀伊国屋で本を20冊弱ほど買った。日本食も、寿司屋はたたみの個室があったり、そば屋、とんかつ屋も、味も店員さんもまるで日本にいるのと錯覚するほど。深夜営業の韓国料理屋でソルロンタンを見つけてしまい、同じ店で3回も食べるはめになった。クリスマス時期は、外を歩くのはとても寒いが、イルミネーションが華やか。

2009年12月15日火曜日

Ogilvyone, Time (NYC Trip)

NY Trip2日目は、メディア関係の企業を訪問した。ニューヨークは、出版社や広告関係の企業の本社も多いようだ。講演のテーマはリーダシップだが、馴染みのない業界に少し触れられたのが収穫だった。
Ogilvyone社は、世界的な広告代理店のOgilvyグループの中で、CRMなどのシステムを含むマーケティングのIT化を支援する会社のようだ。CEOのBrian Fetherstonhaugh氏は、P&Gの出身で、コミュニケーションの会社らしく、独善的なプレゼンになりがちなリーダシップ論を客観的によく練って語っており、非常に好評だった。キャリア論もクリアで、端的に解釈すれば、一つのことを極めるには10000時間必要なので、40歳までは弱点の克服に努めると長期リターンが大きい、40歳以上は弱点は諦めて強みにフォーカスせよとのこと。MBAにて来てみて新たな弱点に気づかされることもしばしば。秋学期に苦手なファイナンスやマクロ経済を多く取ったが克服に努めるも未だ理解が浅い。また、英語自体が話せないのに加えてコミュニケーションスキル全般を改善したく、春学期は"Advanced Managerial Communication"を受ける予定。
Ogilvyoneの後は、Time社に向かい、HBSのAlumnaで現在CEOのAnn Moore女史の話を聞く。雑誌の最近の売れ行きや、表紙への目線分析で売上を上げる話などで、業界動向をさらりと聞く意味では面白かった。

2009年12月14日月曜日

NYSE Euronext (NYC Trip)

Sloan Fellows恒例のニューヨークトリップ。4日間の日程でニューヨークに本社のある企業や政府団体を訪問して、CEOなど経営トップからリーダシップに関する講演を聞く。初日は、ウォール街のニューヨーク証券取引所。NYSE Euronext社CEOのDuncan Niederauer氏は、Goldman Sachsに20年以上いて、取引所と縁が深い執行サービスのHeadまで務めた経歴がある。そんなウォール街の声を代表する人物が、日本的には規律を重んじるべき存在の証券取引所のトップであるのもアメリカならでは。実際、TBTFを予防する資本規制のあり方に対する質問が、実現性への疑問から一蹴され、早速、アカデミックなボストンを離れリアルなニューヨークに今いることを実感させられた。また、コーポレートガバナンスのあり方についても、株主と経営者の利益相反が無いなら、ディスクロージャの頻度は少なくてもいいというような指摘もしていた。前置きと結論のどちらに本意があるか解釈がクラスメートの間でも分かれたが、とても意外だった。
講演の後、場の開いている取引所をブースから見学。今回のトリップのうち、金融関係はこのNYSEだけでちょっと残念だった。後日、SF88のスピーカが、1987年のニューヨークトリップは、Citi CEOのJohn Reed (MIT Sloan卒でTravelersと合併後、Sandi WeillsにCo-CEO職を追われ、NYSE CEOへ), IBM CEOのJohn Akersを訪問したと聞いた。ついでに、Alumniパーティで会った77年卒のAlumaは、International Tripでスペイン国王に会ったとのこと。当時のSloan Fellowsは米国を代表する大企業の派遣組が大半だったようで、NY Tripの伝統は残しつつも、今は目的が若干Cultural寄りになった印象だ。

2009年12月11日金曜日

Fall Semester

今日の15.970 Financial CrisesのFinal Examで、秋学期がほぼ終了。先週から今週前半にかけて、Final reportとFinal Examがそれぞれ3つの他に、日々の細かい宿題に加え、特にG-Labのレポートが最後までメンターのOKが出ず、週末や深夜にミーティングしたりで大変だった。
秋学期の授業は、初めて学ぶ学生向けによく練られている授業が多かったおかげで、成績や単位数を気にせずに自分には新鮮な分野を幅広く効率よく学べたと思う。時間の遣り繰りを工夫すればもっとこの授業も取れたとか、たかが授業と甘く見ずに想像力を膨らませればもっと深く学べたはずとか、反省は尽きない。春学期は、そのバランスを考慮してクラスを計画したい。また、MBA生活を仕事と比べると、夜と週末にかかる分だけ時間は長いが、組織目標のプレッシャーが無い分、申し訳なくも気楽なものである。来週は、Sloan Fellows全員参加のNew York City Tripで、NYSEや国連を見学するニューヨークTripへ。

2009年12月3日木曜日

Flagship Ventures (VC)

午前中は、HBSのClass見学にお邪魔した。1年生のLeadershipのコア授業だったが、ケースディスカッションでの発言を求めて、一度に半分近くの人が同時に手を上げているのを見たのが新鮮だった。そのEngagementは、さすがと思った。
Sloanに戻り午後の授業のあと、Flagship VenturesというVCのオフィスにお邪魔した。Flagshipは、New Enterprisesを教えているAfeyan教授が興した、Biotechに強いVC。ポートフォリオや投資戦略については、Sloan FellowsのMurrey教授が教えるコア授業で、Afeyanが来て同社の紹介をしていたので知っていた。今回は、VCPE ClubのTrekなので、VCに就職希望する学生向けにオフィスの雰囲気を感じつつ、Q&AしながらMinglingするのが趣旨だった。秋学期は、毎週のように色々なVCの話を聞く機会があり、Early Stage Capitalという授業のゲストスピーカや、Clubイベントなど10数社くらいか。例えば、この翌日にも同Club主催でボストン中のVCや起業家を招いたVCPE Conferenceに少し顔を出したほか、夕方に製薬系のVCの紹介イベントがあった。成功しているVCは、それぞれ得意分野に個性があり、投資ステージもExit戦略も様々で、ニッチ化が顕著だ。パートナの顔ぶれにPh.Dが並んだりスタートアップで成功した人が多く、その個人技に拠るところが多いのだろう。私がVCに興味があるのは、メーカのアライアンス戦略に活用できそうだから。例えば、半導体のパートナには、シリコンバレーや国内のベンチャーが少なくないが、有望な会社ほど競合会社に買われて囲い込まれて、進行中のプロジェクトが水泡に帰しただけでなく、情報だけ取られて悔しい思いをした。国内のスタートアップは、メーカとの取引実績が信用になることが多いので、VCの機能をメーカに取り込むことは出来なくても、その与信と外部のファイナンスを連携できれば、自動車並の強いクラスタを別の手法で築けるはず。

2009年11月28日土曜日

Spring Elective Courses

春学期のElectiveのBiddingが始まるので、気になる授業のシラバスを見てみた。Sloan Fellowsの春学期は、2,3コマが必修科目である以外は、最大48単位まで選択科目が取れる。SloanからはFinance系と他にソフトスキル系(Negotiation等)も含め幾つか取り、HBSも2,3候補がありもし取れたら1科目履修予定。春学期は特にFinanceの授業が教授陣、科目のバラエティとも充実していて、SloanはまさにFinance好きには最高の環境。

Finance系

履修予定:
- 15.963 Valuation (S. Myers)
- 15.437 Options and Futures Markets (J. Cox)
- 15.419 (H2) PE&HF (Cooper)
未定 or 聴講:
- 15.431 Entrepreneurial Finance
- 15.433 Investment (秋学期と内容が違う)
- 15.434 Advanced Corporate Finance (上の2つと時間が重なってる)
- 15.977 (H2) Investment Management (J. Shames)

その他

- 15.268 Choice Points (SF家族向け)
- 15.665 Power & Negotiation
- 15.617 Business Law (Finance)
- 15.769 Operation Strategy
- 15.018 (H1) Global Econ Challenges (K. Forbes)

2009年11月26日木曜日

Thanksgiving Day

アメリカは11月最後の週末は感謝祭で4連休になる。米国で開発の仕事をしていた時は、サンクスギビングからクリスマスまで長期休暇を取る人も多くて職場は休暇気分だったが、学校では12月前半まで秋学期の最終レポートや期末テストがあるので、もう一息というところ。11月に入ってからは、ゴルフが減った代わりに、家族で友人宅にお呼ばれしたり我が家にご招待したりして休日を過ごすことが増えた。Thanksgiving Dinnerに郊外の同級生の自宅へお邪魔し、定番のターキー、マッシュポテト、サツマイモ、などを頂いた。ターキーが非常に柔らかくジューシーで、最後にそのスープでお粥にしたのが絶品だった。ターキー作りは一度トライしたことがあるのだが、インターネットのレシピどおりに果物や野菜などを詰めて、オーブンに入れて表面が乾かないようにこまめに油を掛けて焼き、手間がかかった覚えがある。今日のターキーは、脂肪を全部取って表面に無脂肪のバターを塗り、中にリンゴとブトウだけを詰めたそうで、ターキーの旨みだけをモイスチャーな食感とともに味わえた。食べたり話したりで遅くまでのんびりしてしまった。

2009年11月23日月曜日

Vogel塾(Innovation)

今日はVogel塾でInnovationをテーマに簡単な発表をした。Vogel塾は、Havard, MIT, Taftsなどの日本人留学生が集まって、分科会ごとに毎回テーマを変えて活発に議論し交流することを目的としている。分科会ごとに月2回程度の定期的な会合があり、私は経済班に参加していて、今日が発表の順番だった。日本のベンチャーを話題に選んだところ、アメリカで起業を考えている技術系の学生とか、政府や大学の立場で日本のベンチャーのあり方を考えている方のお話を伺う機会に恵まれ勉強になった。留学前は、日本のソフト系ベンチャーの方にお会いする機会が多かったが、一番の課題は人材確保の難しさと聞くことが多かった。大学のインキュベーションセンターは、オフィスの提供だけでなく学生を採り易い点もメリットで、一つの解になっているようだ。ちょうどキャリアフォーラムの関係で留学生の方と話す機会が多かったが、大企業を就職希望する理由は、安定志向ではなく、ベンチャーだと実現出来ないような社会的意義を求めている方が多い。皆、夢いっぱいという感じで刺激を受けた。

2009年11月22日日曜日

Wall Street Prep

週末2日かけてValuation modelingの講習を受ける。Wall Street Prepという投資銀行に就職したい人向けの研修を提供している会社によるもので、受講料は一日$500くらいするらしいが、MIT Finance Clubのメンバは無料で受けられた。初日はDCF/WACCの基礎演習でよい復習になり、2日目はM&A, LBOの比率分析によるAccretion/Dilution評価で、実際に計算するのは初めてだった。投資銀行がセールスピッチのプレゼンを作る際には、DCF/WACCと比率分析を全部やった上で、顧客の希望価格と摺り合わせるのだとか。また、Excelのショートカットを駆使して、極力マウスを使わずに=SUM()やFill Down/Rightするのに慣れると、たしかに作業効率がよくなった。これまでもM&AやFinance IIの宿題で計算を間違える度に、チームに迷惑をかけていたが、その過程でCommon Mistakesも踏みながら細かい点で理解が進んだ。

2009年11月20日金曜日

H-mart (ジャンポン)

ボストン近郊にオープンした韓国系スーパ、H-martに久しぶりに行った。韓国人のクラスメートは、週末の買い物に必ずH-martを選ぶというほど、韓国系食材の品揃えと新鮮さはやはり圧倒的。日本食もオープン時には無かった田牧米の新米が入荷していて、セレクションがちゃんと改善されていた。H-martのフードコートで、クラスメートお勧めのジャンポンをトライした。韓国といえばジャージャー麺が大人気で、4月14日をブラックデーと称して、バレンタインデーにもホワイトデーにもチョコを貰えなかったシングルズが、ジャージャー麺で合コンをするくらいとか。ジャンポンは、そのとき初めて聞いた料理だが、2種類オーダしてみると、普通のジャンポンは赤く辛いスープ、シーフードジャンポンは長崎チャンポンそっくりで、ジャージャー麺と同じやや太めの丸麺に、野菜とイカやオイスターなどがたくさんのっていて美味しかった。両方とも海鮮ベースのスープダシで、特に新橋とかに出てたら流行りそうな、飲んだ後にうってつけの滋味だった。私はあっさり味のアジアン麺が好きで、ジャンポンは、ベトナムのフォー、台湾のダーツー麺に続く殿堂入り。シーフードジャンポンの写真はこちら。

2009年11月18日水曜日

15.433 Investments (WaMu)

InvestmentsはH2に入ってから、色々なFundsのポートフォリオ分析が続いていたが、昨年にリーマンに続く大型倒産となったWashington Mutual(WaMu)を題材にした新しいケースを授業で取り上げることになった。WaMuは、他社では信用不足で組めない住宅ローンを積極的に引き受けて規模を拡大し、2006年末には$346 billionの資産規模に達する。さらに、そんなサブプライムローンを証券化したMorgage Backed Security (MBS)も売りまくっていて、米国で初めてCovered Bondsも商品化している。Covered Bondsをちゃんと勉強したのは初めてで、MBS同様に担保付債券だがOn Balance Sheetなので担保を持つ銀行だけでなく発行体の信用もつく。担保がレーティングに応じてCover Poolの中で入れ替わり、買い手にリコース権があるので、流動性が高い。銀行が個人貯蓄で比較的資産に余裕のあるドイツをはじめヨーロッパでよく売れていて、米国でもGSEに頼る住宅ローンの貸し手資金を多様化するため、WaMuに続きBoAも発売を始めている。米国では比較的新しい商品だったため、倒産時にどう清算されるか法制度化されておらず評価リスクがあった。授業でのTakeawayも、金融危機でDistressに陥った時のValuationの考え方で、結局は市場と法的側面を総合的に判断するというケースバイケースだったが、WaMuのChapter 11適用後もCovered Bonds分はJP Morganが維持して、価格も持ち直した。

2009年11月16日月曜日

15.433 Investments (Trading Record)

ヘッジファンドの運用成績や見込みを評価するポイントを学ぶ。ちょうど他の授業とも関連が出来て、Tech Salesでは、ヘッジファンドのセールスマンが商品を売る設定で安定したリターンを強調したり、また、Financial Crisesでは運用成績を統計的に分析するなど、秋学期は横断的に見える機会が増えた。顧客へのセールストークや、トレーダの社内評価では、期毎リターンが安定している方が望ましい。すなわち、Sharpe Ratioを高くβが安定しているように見せかける動機が存在する。このため、期末のポートフォリオだけが公開されるファンドでは、期末のタイミングでT-billに置換えたり、含み益のあるポジションだけを持ち越して翌期に赤字が出たときに補填するといった、Return Smoothing (利益平滑化)が少なくないそうだ。特に、流動性が低いエマージングマーケット資産や転換社債などは市場価格が付かない以上、前期からの価格変化を外挿した価格で評価される。こうすると、期毎の利益にSerial Correlationが生じて、Return Smoothingを見破ることができる。逆に、相関のないilliquidity Exposureは検知が難しいので、一見すると高いαを数年に渡り安定している稼いでいるファンドでも、リスクが潜んでいる場合があるというのがTakeawayだった。

15.970 Financial Crises (Aug 2007)

Andrew Loは、Behavioral Financeを金融工学に取り入れたPaperを幾つか出している。15.970は実践的なSpecial Seminarという位置づけで、宿題のうち2回は、Andrew LoのPaperを読み、行動ファイナンスの仮説を実際のトレーディングデータで検証するものだ。TAが宿題を新たに作っているが、Recitationとともに彼の実力でなかなかよく練られていると思う。今回は、"What Happened To The Quants In August 2007?"というPaper。2007年8月のある週に、S&P 500が小幅だったのに、Market-Neutralなヘッジファンド(HF)が巨額の損を出した理由を、同じ投資戦略を取るHFが増え一斉に資産を流動化させたという仮説で説明する。LTCM破綻の98年とは比較にならないほど、同じようなFactor-basedのポートフォリオを持つHFの規模が大きく相互に密接に関わるようになると、新しいベータの考え方が必要で、Systematic Riskが結果的に大きくなるという解説だった。金融市場を学ぶのにあたり、マクロ経済の長期的なファンダメンタルは伝統的に学校で学べるのに、存在感を増す投機マネーの短期的な動きはアカデミックで学ぶ場が少なく、この授業はMITならでは。

2009年11月10日火曜日

15.387 Tech Sales (CVS)

Tech Salesでは、授業の冒頭に皆の前で学生2人がセールストークのロールプレイをやっており、コールドコールで出番が回ってきた。全米ドラッグチェーンのCVSのBuyerの立場で、マージン等にあれこれ難癖をつけるだけなのでSeller側よりはずっと簡単だった。Tech Salesの授業は、Seller側のアクションを学ぶ過程でBuyer側の立場や心理も読み取ることが課題になるが、実際にBuyer側でロールプレイすると意外と深く考えられてなかったなと実感した。競合のWalgreenに対して、どんな商品構成や展示広告で差別化したいとかとっさに考えが浮かばなかった。こういったパーソナルスキル開発の授業を、SIPからH2に入ってとってみると結構学びが多いので、春学期もコミュニケーションかネゴシエーションあたりを取ろうと思う。

2009年11月9日月曜日

15.970 Financial Crises (LTCM)

昨年のリーマン破綻に続く金融危機をきっかけに、1998年に同じく破綻して救済されたLTCM(Long Term Capital Management)のケースが改めて脚光を浴びている。Andrew Loの15.970の授業で、LTCMの元トレーダがゲストスピーカとして、LTCMのTrading Strategyの解説からBailoutに追い込まれるストーリを語った。日本だったら破綻した銀行の関係者が表で内実を語ることは無いと思うが、違法な不良債権隠しによる損失が結果的に税金で処理された日本の場合と違い、LTCMは純粋なトレードの損失でクローズも速かったので、HBSのケースにもなり、関係者もまた同じようなファンドを作ってビジネスをしている。LTCMは、94年に創業して年40%を越えるリターンを上げ、97年には$129 Billionものポジションを持つことになる。LTCMが得意とした金融工学を駆使したConvergenceと呼ばれるアービトレージ手法は今では誰でも知っているが、同一の理論価格を持ちながら価格差のある2つの商品を見つけて、高い方を売り安い方を買いリスク無しでリターンを得るもの。国債だったら発行後のプレミアムがついたOn-the-runをショートし、 off-the-runをロングする。ここまでは本などで読んでいたが、ケースを読むと国債以外にもSwap, Mortgateなど色々な金融商品のスプレッドをアービトレージし、後に破綻に繋がる流動性リスクについても定量的に管理されていたことを知った。15.433 Investmentでは最後2回の授業で同じLTCMのケースを扱うので、Cohen教授がクオンツ側の視点で掘り下げるのが楽しみだ。さて、98年の夏に突如起きたRussian Defaultを契機に、質への逃避(Flight-to-quality)を生じる。市場の歪みは絶好の機会であるはずが、理論価格に収斂するまで持ち堪えられず、Mark-to-Marketによるポジション解消が、市場全体の売りを誘ってさらに損失が膨む状況を囚人のジレンマに喩えた。LTCMは、一日で$500 millionも損を出すようになり、危機前のDaily Return Sigmaが$45 millionだったというから、10 Sigma eventが日常的に起きたことになる。市場危機下では商品間のCorrelationによりSystematic Riskがロングテール分布になることが今では知られている。結果的に、絶好調だった97年末に配当した$2.7 billionを留保していれば、耐えられたはずとのことだった。ケースの最後は、ウォーレンバフェットによる期限付きの救済提案の話で、アラスカでビルゲイツと休暇中に話を進めれていたら連絡の行き違いで期限を逃し、高いバケーションだったと言った話でしめた。

2009年11月8日日曜日

Golf Brookline (最終コース?)

同級生に誘われブルックラインのコースへ。ボストンは10月に入ると雪が降る日もあり、もうゴルフが出来ないと聞いていた。実際に、雨で一度キャンセルになった他、別の日に行ったグループは、朝は霜が降りていてティーアップ時間を2時間くらい待たされたそうだ。もう11月であるが、今日は最高気温16度の予報どおり、紅葉と落ち葉の美しい秋景色と青空の陽気の中、最高のコンディションでプレーを満喫した。日を選べばまだプレーできそうだが、コースは今年最後かな。

2009年11月7日土曜日

HBS Finance Conference

HBS Finance Clubが主催するFinance Conferenceに参加。投資銀行に興味のある学生をターゲットにしたイベントで、スピーカセッションやパネルセッションが終日続く。キーノートは、BarclaysのIB部門のトップで、Lehman買収後の経営統合がうまく進み既存のUS顧客もほぼ戻っており、Bulge bracketのグローバルなディールパワーが健在な点を何度も強調していた。また、HBSのPozen教授(Bob)は、CDSを錬金術に喩えながら、金融危機を防ぐ為の規制のあり方のレクチャーが面白かった。その中で、最近出版した"Too Big to save"に掛けて、$200Bもの税金を600以上の銀行や企業のBailoutに使う現状を皮肉まじりに話していた。"This Time is Different"に続き、金融危機の流行語をもじった本が多い。パネルの方も、米国メジャーのIBからMDクラスも来ていて、一日かけてM&A, PEからオルタナティブまで、Marketの色々な現場で今起こっている生の声を聞けたのが収穫だった。M&Aの今後数年のトピックの他、GM倒産をケースにしたレクチャーでは利害関係者の経済的・政治的なな視点の分析が秀逸だった。また、開催場所のHBSだけでなく、MIT, BabsonやBUの学生も来ていて、各学校のカリキュラムや共通の知り合いの話もできた。平日のイベントも色々参加しているが、休日に丸一日かけて一つのトピックに集中して学ぶスタイルはより充実感があった。

2009年11月6日金曜日

Media Lab: MAS964 Imaging Ventures

秋学期は、ファイナンスとアントレを主に取っていて、春学期はその学びを応用して深めるため、プロジェクト系を取るつもり。幸い、スローンでは、ファイナンス系にも実際に企業とプロジェクトを進める授業(Proseminar)がある。一方、アントレ系の方は、15.390 New Enterprisesに出ていたのだが、肝心のプロジェクトが学生のひらめきのアイデアに任せられていて、テクノロジーの中身が薄い点が合わずDropした。もっと本格的なハイテク物をやりたいと思って、スローンの外で探すと、メディアラボとJointのDevelpment Ventureを取っている同級生が何人かいて、話を聞くと面白そうだった。春学期にある、MAS964 Imaging VentureというCamera Culture GroupのRamesh教授が教えるコースが候補。研究室でどんな要素技術を扱っているか見るため、秋学期のコース(MAS131/531 Computational Camera and Photography)にようやく行けた。3次元トモグラフィーの原理は十分理解できなかったが、結構、応用視点の議論もあり、ハンドキャリーサイズにいつ出来るかとか何に使えるかとか、エンジニアからビジネスアイデアが出てきており、いい刺激になった。

2009年11月4日水曜日

Google CEO Eric Schmidt講演

Google CEOのエリックシュミットがMITで講演をするというので、聞いてきた。先月には、オバマ大統領が同じホールで、Clean Energyへの積極投資を謳う講演をしたばかりで、著名人の来訪が続く。エリックシュミットは、エンジニアから経営者となった一つの目標像。言語解析を専門とする生粋のソフトウェアエンジニアで、Bell LabやXerox PARCを経て、SunのJava開発をリードした。NovelのCEOだったところを、Googleの創業者であるLarry PageとSergey Brinの2人とともに、経営を担うことになった。他の2人が表に出てこない一方で、エリックシュミットは対外的なGoogleの顔である。
講演の内容は、Honorの教授を偲ぶ冒頭から、GoogleがInternetをどうRe-engineeringしようとしているか?から始まった。どこでも同じことを答えているが、世界中のバラバラで大量の情報を統合するというビジョンに始まり、オバマ大統領にかけて風力発電などでCarbon Offsetに早くから取り組んできたことを語る。インタビュワーは、Microsoftなどとの競合に話を振ろうとするが、エリックシュミットは軽くかわす。会社としては、ストリートビューや著作物のデジタル化で世界中で訴訟を抱え、OSや企業向けサービスで競合の既存ビジネスを激しく侵食しているが、エリックシュミットだけは柔らかい笑顔と語り口でGoogle脅威論を和らげるのが、まさに彼の仕事のようである。同じ西海岸のエンジニア出身のビルゲイツやラリーエリソンがだいぶ攻撃的な経営者なのと比較して、彼のスタイルは独特だ。世界中がGoogleの動向に関心や懸念を寄せる中で、メディアのインタビューを数多くこなしている。いつもソフトかつシャープな語り口で、壮大なビジョンを語る彼のスタンスは、以前からFT.comのView From the Topなどで感嘆とともに見ていた。インタビューでは事前に質問リストが渡されているだろうとはいえ、簡潔かつ明快な応対は、エンジニアらしく頭が非常にクリアに整理されているんだろうなと思う。Sloan FellowsのLeadership Seminarでは、東海岸の大企業や軍人などが多くて、大仰な言い回しに最近ようやく慣れてきたものの、久しぶりにエリックシュミットの話を聞くと、余計に差が際立って良く聞こえる。

2009年11月3日火曜日

15.387 Tech Sales and Management

H2から始まったTech Sales。毎回、商品と顧客が設定されたミニケースを元にロールプレイを続けるスタイルは変わらないが、これまで授業ごとに明確なTake awayがある。商品の仕様ではなく顧客のベネフィットに置き換えてアピールすること、特にプレゼン相手の上司が関心を持つバリューに留意することなど。Steve Jobsのプレゼンの秘密と題したBusiness Weekの記事がポイントをよく纏めている。
http://images.businessweek.com/ss/09/09/0929_jobs_presentations/
これらは当然の話であり、プレゼン資料に盛り込むことは簡単だ。しかし、これを顧客に質問を繰り返しながら、顧客自身に商品が満たすニーズを告白させるのは難しい。宿題のビデオを撮りながらパートナと練習して初めて実感した。例えば、ネットワーク監視装置を売り込みたい時、いきなり「この装置はXX秒前に問題を検知できます」と仕様の説明を始めても、顧客は興味がない。代わりに、売り手「御社のネットワークが急速に大きくなってますね、次世代のネットワークは誰が設計してますか?」→買い手"弊社のエンジニアです"→「ではエンジニアの皆様はお忙しいですね、日常的な問題対応の負担は減らしたいですね?」→"ええ"→「もし、問題を未然に検知できたとしたら、どう対応しますか?」→"発生前にメンテします"→「とすると、例えばXX秒前に問題が検知できれば、どれくらいメリットがありますか?」→"問題対応に忙殺されていたエンジニアを半分くらい、設計の仕事に振り分けられます"と顧客自身にニーズを語らせる。こう聞くと、セールスのスキルは、人に行動を促す非常に汎用的なもので、部下への指示から、起業家のVCピッチまで活用できそうだ。
この授業の教授の一人であるProf. Auletは、コールドコールの多い授業で緊張感もある。Sloan Fellows卒業生でもあって、ちょうど授業の夜にあったAlumniパネルでは、Fellows内の気安さもあってか、彼自身の起業を決めた経緯や日頃のストレス解決法までフランクに語ってくれた。IBMを長年勤めて起業のスタートは遅かったものの、その分、大企業ならではのトレーニングのメリットを活かして、色々なスキルを身につけたことが、起業家へ進むのに大変役に立ったとのこと。MBAの選択科目は、初めて学ぶ人向けによく練られているので、できるだけ幅広く取ろうと思っていて、Tech Salesはその一つでもある。

2009年11月2日月曜日

15.970 Special Seminar: Financial Crises

ファイナンスエンジニアリングで著名なAndrew Lo教授が教える15.970 Special Seminar: Financial Crises。Andy Loの授業は大変人気があるが、本当に教育熱心な人なんだなと思う。初回の授業で言っていたがのが、「MBAの2年生にAdvancedなコースを教えるのは簡単。既にファイナンスが好きな学生が集まるから。でも、15.401や15.414などファイナンスを初めて学ぶ人を、ファイナンス好きにさせるのは難しいけど楽しい。」 夏にこれを聞いた時は、リップサービスかと思ったが、実際に私もAndrew Loの授業をきっかけにFinanceを現実の生きた学問と感じて面白く学べるようになった。
さて、今日のゲストスピーカは、Harvard経済学部のKenneth Rogoff教授で、最近出版された"This Time is Different: Eight Centuries of Financial Folly"の紹介を兼ねた講演だった。This time is differentは、今回の金融危機は100年に一度とか言われるように特殊性を強調して、特に政府の資本注入による救済を正当化するためによく使われた表現。この本のタイトルは、一種の反語で、This time is differentとは言うけれど、実は過去8世紀の危機のパターンと同じ普遍的なものだというのが主張。さらに、膨大なデータを元に、既に危機は脱したと言う米国の政府や経済界の論調にも反論している。例えば、1974年以来、5つのBig Crisesがあり(1992年の日本を含む)、いずれも住宅価格の回復には数年はかかっていている。日本は以来17年も成長回復に至っていないとのこと。景況判断の定義はおいておいても、実際のところ、Great Depressionの再来のような危機は脱したとの認識はみな共通で、次に継続的な成長回復基調に戻れるだろうか?というのが関心の的になっている。会場から、規制の是非や過去の反省から何を学べるかについて質問があったが、経済学者としての見解が述べられたのみで、新しい金融システムのあるべき姿については簡単には誰も答えが出せないようだ。

2009年10月31日土曜日

Electives (Fall H2)

今週から秋学期後半のH2が始まった。H2のElectivesについて幾つか出席してみて、継続的に聴講、またはCreditをとろうと思うものを整理しておく。

- 15.970 SSM on Financial Crises
Andy Loがセミナー形式でFinancial Crisesを扱う、現在起きている世界金融危機を扱う今年できた新しいクラス。Crisesと複数形であるとおり、過去の金融危機や航空機事故などの様々な危機管理から経験的に学び、将来の同様な金融危機を起こさないためのシステムづくりを議論するのが主な学びの予定だ。7回のセミナーで、ゲストスピーカもLTCMを含む破綻した金融機関などから大物が講演予定。人気のある授業だが座席数に制限なくクレジット取るかも。

- 15.386 Managing in Adversity
先学期まではタイトルにCEO視点の意思決定というWordが含まれ、毎回、現役のトップマネジメントが講演に来て、ケースベースで過去の意思決定の背景を学ぶ人気授業。メディアのインタビューにどう対応するか、危機に面して部下に何を指示するか具体的なシーンでの経験を聞けるので面白い。自分のキャリアにとってCEOはずっと先にあるか無いか分からないので役立つかは不明だが。クレジットを取ると毎回の宿題が大変らしいが、聴講はリラックスして聞けそうだ。

- 15.387 Tech Sales and Management
セールストークの練習をするクラス。B2BでTech pushのハイテク商品をいかに顧客ニーズに結びつけたストーリで売るかを学ぶ。毎回アサイメントがあり、簡単なプレゼンを作って持っていき、授業では先生がお手本を実践して見せるクラス。Videoで自分のセールスピッチを録画して提出するアサイメントもある。Sloan Fellowsの同級生は、Showmanshipはアジアでは不要だからとDropしていたが、私は米国でのセールスが仕事だったので、直感的にこのクラスは一番実用性があると思った。中途採用ながら社費でMBAに行けたのも、中国やアメリカでDealを取れた実績が大きかったが、本場のセールスのプロには全く及ばないと実感していたので。2yr MBAの米国人とチーム。これかAndy Loのどちらかでクレジットを取る予定。

- 15.391 Early Stage Capital
これも相当な人気クラスで、VCから開業資金をもらうまでの交渉をシミュレーションする授業。ファイナンスとしては独特の分野で新鮮で面白い。とりあえず数回のレクチャーもVC 101といった感じで、業界用語の解説に始まりVCとの交渉ポイントなどを学び、今後もLawyerや起業家を招いての授業もあるようで、聴講だけでも負担なく学びがありそうなので継続的に聞きに行く予定。

- 15.833 Business-to-Business Marketing
B2Bのマーケティング手法を学ぶ授業。初回から20人に満たないクラスで、内容も微妙だったので見送り。MBAで普通マーケティングというとB2Cのブランドとかセグメントの分析をやる専門的な仕事として確立しているが、B2Bは形のない(専門性がない)現場的な仕事と見られている。このクラスは、B2Bの定量化を目指して、販売目標管理や、顧客ValueをTCOで数値化したり、なかなか目新しい内容はあるのだが。

2009年10月29日木曜日

15.389B Global Entrepreneurship Lab (G-Lab) Asia Pacific

MITスローンのフラグシップ授業であるG-Lab。G-LabがあるからMITを選ぶ理由になるくらい有名で、受験中にMIT Sloan Podcastを聞くと、皆が口を揃えるかのようにG-Lab, G-Labと言っている。G-Labは、途上国のアントレプレナーをホスト企業として、マーケティング戦略などのコンサルティングをチームで行う、Action Learning型のクラスだ。地域別にクラスが分かれ、Latin, Asia, Africaがあり、AfricaがHealthcare deliveryにフォーカスしている。秋学期中は電話などのリモートで、1月のIAP期間の3週間は現地に滞在してプロジェクトを行う。私は家族の事情もあり、家を長く離れるのは心配だった。が、アジアでのビジネス開発への貢献は、会社に入る前から私の職業観で一番の目標であり、既に経験者ではあったが地域の幅やネットワークを広げたくて、G-Labを取ることにした。当初は、これまで全く縁が無かったラテン(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、メキシコなど)や、アフリカ(Kenya, Uganda, Tanzania, Ghana, Zambia, Rwanda, Malawi)を検討していたが、日本人の同級生から仕事を考えるとアジアがやはり一番役に立つよと言われて、アドバイスに従いアジアを選んだ。その期待どおりか、Sloan Fellowsの5月のInternational Tripは、南アフリカとブラジルになり、幸運にも未踏の2大陸を経験できる予定。実際、昨年と同じインドとトルコなどのアジアだったら、International Tripは行かなかっただろう。
さて、私のG-Labプロジェクトは、欧米バイクメーカのアジア進出。Sloan FellowsのOBが、現地子会社のCEOで、ベトナムで現地生産を始めASEANから中国に拡販するマーケティング戦略が、今回のコンサルプロジェクト。中国国境近いベトナム北部には、政府が工業団地を建設して海外メーカの誘致を進め、日系メーカも効率的な労働力を求めて中国から工場をどんどん移転し始めている。ベトナムは、製造業にとって重要拠点として注目を集めているが、他のASEAN国に比べると進出はまだ始まったばかりで興味があった。チームは、私の他はFellows, LGO, MBAから1人づつで、男女、国籍、バックグラウンドも多様。ホスト企業と定例のテレコンを通じて、少しづつビジネス感覚を掴みつつある。

2009年10月28日水曜日

15.433 Investments (mid-term paper, CFA)

Full-termの授業のうち幾つかは、Mid-term exam(中間テスト)がある。Investmentsも中間テストがあったがイマイチの感触だった。グループのAも同様な感想で、成績を悪くしたくないのでDropするかもと言う。彼は医者(Medical Doctor)なのだがなぜか投資に強い興味があり、今年はSloan FellowsでMBA、来年はHarvard-MIT Bio Medical Enterprise ProgramでSMを取る珍しいDual Degreeのカリキュラムだ。 一緒にCFA level1受験予定だったが、彼は12月、私は6月に延期してしまい、私から見て彼の方がずっと出来るのだが。

2009年10月25日日曜日

15.902 Strategic Management

デルタモデルで有名なArnold Hax (ハックス)教授の15.902 Strategic Management. ハックス教授は戦略論の重鎮として、ハーバード、MITで30年以上に渡り教鞭をとっている。秋学期コア科目の一つで週3回、レクチャーとケースで進む。デルタモデルは、Michael Porter以来の競争戦略から、ハックス教授が重視する顧客やパートナとの友愛戦略を統合しており、その戦略の企画から実行プロセスのツールまで体系化している点が特徴。著書"The Delta Project"は、日本語訳もされている。授業も、愛嬌のある教授のリードで、なごやかな雰囲気で進む。
私のTake awayとしては、脱コモディティ・顧客重視を徹底して教えられた点だと思う。他の人には当たり前のことのように思われるが、私がいた業種はコモディティ化こそが利益の源泉で、なかなか信じるのは難しかった。いわゆる10兆円産業と呼ばれる通信、自動車、半導体は、成長期にシェアと規模を追求し、低価格化・高品質化の競争に勝ち抜き、業界で1,2位を占めた段階で残存者利益を長期に享受できるというモデルだった。コモディティ化は、利益率は低くなるが、利益の絶対規模は大きく、資本コストの論理が働かない日本の金融システムに良くも悪くもマッチしているというのが一般的な見方だと思う。というわけで、最初は授業を懐疑的に聞いていたが、ハックス教授は顧客重視の重要性を繰り返し毎回のクラスで力説され、授業中に学生からどんな反論が出ても、全くぶれることなく原則論を押し出してくる。これを見て、タームの半ばくらいから、こんな戦略論の大家が一途に信じることだから真剣に聞いてみようと思い直した。授業後に、何度か質問に行って自分の業種について話すと、それは顧客の選び方自体が間違ってるとか、明確にフィードバックをくれた。Final Paperを自分の会社についてデルタモデルで分析すると良いCap stoneになった。

2009年10月24日土曜日

15.991 Managing Technologial Innovation

HBSからMITに移ったAlan MacCormackが教えるInnovationの授業。Fall Term前半(H1)のコアクラス。Sloan Fellows Programの正式名称には、Innovation, Leadership, Globalの3つの名前が入っており、秋からコアクラスでInnovationを学ぶ。この授業は、毎回ケースディスカッションで、個々の商品・サービスの仕様検討に始まり、実証実験、実行段階に続き、最後に組織学習まで進む。クラス名にTechnological Innovationとあるのは、技術的なチャレンジがある商品やプロジェクトにおける、教授がラムズフェルトから引用した"unknown unknown"と呼ぶ、将来が不確実な状況での意思決定をテーマとするため。フレームワークとして、プロジェクトポートフォリオやリアルオプションを部分的に扱うが、基本的にはプロジェクトマネージャやトップマネジメントの視点で実践的にソフトスキルを磨くのが主眼だった。ケースは、IDEOなどの有名ものを除き、教授がHBSで製作したものでイリジウム計画や火星探査船からVirginまで最近の面白いケースが多かった。
Take awayとしては、日頃の仕事と非常に近く、授業と過去の経験をマッピングさせながら実感を持って学べることが多かった。例えば、アメリカで開発の仕事をしていた時に、プロジェクトNPVを使えばもっと論理的に主張できたんじゃないかとか、また、不確実性の高いプロジェクトは予算のバッファ的な位置づけで、昨今の不景気でどんどん削減されているが、逆にポートフォリオを歪めて企業価値を損ねているんじゃないかとか考えさせられた。

2009年10月23日金曜日

SIP: Kindling Your Creativity

SIPの最終日に、SF-onlyのKindling Your Creativityを受講。火曜日のManaging Conflictと同じ先生で、自己分析に始まりグループワークとそのリフレクションで一話完結型。両方の授業とも、コアのリーダシップの授業と比べて、手を動かすのでいいリフレッシュになるしTake awayが明確な点が良かった。Creativityの方は、各人の発想スタイルをClarify, Ideate, Develop, Implementに分類された上で3人のチームを組む。そして、簡単な図工の作業を通じて、グループ内のCreativityスタイルの多様性を活用しようと試みる。例えば、私のチームは皆、Ideate(斬新なアイデア出し)が苦手な人が集まったので、皆で色々なアイデアを出そうと試みながら作品を仕上げ、自分達ではうまく弱点を克服出来たと思った。が、リフレクションで、先生に色々指摘をされてみると、最初のデザインに固執してアイデアが発展しなかった点や、まず手を動かして作りながらデザインを後から決めるという発想法自体が、メンバのスタイルそのものだった。面白いもので、別のチームはアイデア出しが好きなメンバが集まっていて、時間内に完成しなかったが、皆で延々と凝ったデザインを議論したようで、独創的なものが出来つつあった。

2009年10月22日木曜日

SIP: Leadership as Acting

SIPらしいユニークな、シェークスピアの演劇をやってしまう授業。4日かけて発声法トレーニングや、セリフを覚えたり、各シーンについて皆で議論しながら準備して、最終日に聴衆を集めて本番を演じる。シェークスピア劇は、レトリックが豊富で政治家の演説や映画のモチーフになることも多いらしく、たしかにオバマ大統領の演説やスターウォーズのシーンに似ている部分に気づかされることがあった。自分で好きなシーンを選んで演じるのだが、意外にもその登場人物と過去に似た経験があったり(仕えたボスが急に追放される等)してそれぞれ思い入れがあるのが意外だった。日本語でも反語的な言い回しの声の調子なんか難しいのに、英語でストーリに合わせた細かい感情表現や立ち振る舞いを要求されて、Public Speakingの良い練習になった。特に、私は出来が悪かったので、授業の後に少し残されて発音や話すスピードを個人指導された。皆で音楽や照明、衣装などを相談して、手作り感のある楽しい授業だった。

2009年10月21日水曜日

SIP: Decision Making (Michael Armstrong)

AT&T元会長のMichael Armstrong氏の講演を聞いた。Amrstrong氏が歩んできた企業の歴史(ヒューズ、AT&T)を聞けると期待してきたが、実際は氏が実際に決断したDecision Makingのクイズを授業内で行い、ちゃんとしたレクチャーだった。Priority, Downside Risk, Team Capability, Separate ME, No assumptionという5つのフレームワークでトップは決断すべきと教えられる。どのエピソードもなかなか面白かったが、特にSperate MEという、トップは自分の立場を政治的に守る欲求を捨て、会社にとっての最善を尽くすべしという点が、Armstrong氏らしく一番参考になった。

2009年10月20日火曜日

SIP: Managing Conflict

今週はSIP期間での授業を取っている。顔見知ったSloan Fellows限定の少人数クラスも気楽でいいかと思い、"Managing Conflict"を受講。交渉術のクラスではあるが、相手を説き伏せるテクニックを学ぶというよりも、自分の交渉スタイルの得意不得意を知り、普段とは違うスタイルが与えられロールプレイした。Competing, Accomodatingという常にドミナントで対極的なものから, Collaborating, Comprimising, Avoidingという相手次第で中間的なものまで様々。人のプレイを観察するのが面白くて、見事に普段と違う自分を演じる人もいれば、普段のスタイルが滲みでてしまう人もいて面白かった。ちょうど午後の"Leadership as Acting"も皆で演じるわけだが、ANTONYのCaesar追悼演説シーンで巧みに民衆をカエサルの死の悲しみからBrutusへの怒りに煽る部分を、最初から怒りの一本調子で演じてしまった人がいて、容赦なく注意されていた。授業の場で、意図的に演じようとしても難しいのだから、実際のビジネスで自在にスタイルを変えるなんてもっと大変だ。

2009年10月19日月曜日

HKS Open House

今日から学校はSIP期間。Harvard Kennedy SchoolのOpen Houseに朝から行く。9月から月一回くらいのペースで開催しているようで、MPP/MPA全プログラム合わせて50人くらいは来ていたかな。午前中はアドミッション説明会、ランチはStudent Ambassadorと一緒にとって、午後は授業見学という流れだった。Program Directorの話を聞くと、HKSに来る学生の90%はPublic Sectorに何らかの形で以前に関わった職業経験があるそうだ。実際、対応してくれた学生の話でもPrivate SectorからNPOへ転進するために来たという人もいた。ランチの間、HBSとのCross Registrationをどう活用してるかとかAcademicの話に加えて、Familiy Communityについて雰囲気を聞けたのが収穫だった。MITの授業に一度戻った後、夕方のクラスを聴講した。HKSはビジネス向けの講義があまり多くないのだが、HBSから来た教授がReal Estates Financingを教えているクラスをチョイスした。ケースだったが、SloanやHBSと比べても少人数(20人くらい)だったので発言の機会が多そうだった。春学期はHKSの選択授業を履修するかも。

2009年10月18日日曜日

SIP: Sloan Innovation Period

秋学期のH1とH2の合間の一週間は、Sloan Innovation Period (SIP)と呼ばれる。通常の授業がお休みになる代わりに、主にリーダシップ関係の半日~数日クラスが提供されている。SIPは、Regular MBAは単位を取るのが必須になっているが、Sloan Fellowsは、単位にカウントされず自由参加なので、休暇としてリフレッシュするのも可能だ。秋学期の選択科目と同様、Biddingがあり、Sloan-Fellows onlyの少人数クラスとRegularと共通のクラスがある。SIPの本来の目的は、普段の授業と違うことに挑戦しようというもの。私も、秋学期はファイナンスに集中するあまり、ソフトスキルに目を向けていなかったので、SIPだけは苦手なリーダシップ関係を取ることにした。夏学期の360 Degree Evaluation InterviewのカウンセラーがLeadershipの教授で、私自身の内面を掘り下げて的確なアドバイスをくれたので、その際に推奨された彼女が教える授業(Leadership as Acting)を取ることにした。

- Leadership as Acting (Chris Kelly)
ロールプレイをやるクラスと思ってBidしたが、アサイメントでシェイクスピアの「ジュリアスシーザー」の台本が送られてきて、実は本当にActing(演劇)するクラスだと気づいた。4日かけて全身で表現することで、リーダシップが発揮されるそうでSIPらしい変わった授業。想定外だがDropはもう出来ないし、英語で劇など一生やらないと思うので出席するつもり。

- Managing Conflict (Pat Bentley)
交渉術をやるSF-onlyの半日クラス。アサイメントで自分の交渉パターンを分析したが頷けるものだった。

- Kindling Your Creativity (Pat Bentley)
プレゼン術を磨くSF-onlyの半日クラス。最近久しぶりにパワーポイント資料を作ってみて、改めてセンスの無さを自覚したので取ることに。

- Decision-Making: The Key to Leadership (Michael Armstrong)
AT&T元会長のMichael Armstrongがゲストスピーカとして講演する。学生時代に法学部ゼミで日米テレコム規制を議論したのが懐かしくなって取ることに。SIP随一の大物スピーカで期待。

- Conversation with a CFO (Paul Asquith)
ファイナンスで有名なAsquith教授が持つSIP授業。他と時間が重なっているが出てみる。

この他にSIP期間中は、H1のコアクラスのFinal Paper2本と、Harvard Kennedy SchoolのOpen Houseに行く予定。

2009年10月17日土曜日

Mohawk Trail

先週に続き紅葉ドライブへ。ローカルの同級生のお勧めで、モホークトレイル(Mohawk Trail)に。聞いたことのない地名だったが、地球の歩き方、ボストン・イングランド編にも写真つきで特集されていた。CambridgeからRoute 2沿いにずっと西へ、道沿いの紅葉ドライブを楽しみつつ2時間ほど向かう。紅葉は見ごろを少し過ぎていたが、田舎の山道の雰囲気を存分に楽しむいいドライブだった。途中のRest Areaでリンゴを無料でもらいつつ、パンケーキが美味しいと有名なお目当てのお店にまず到着。Gould's Suger Houseというお店で、2号沿いにShelburneに入って数km先の右手側の赤い屋根が目印。駐車場に車がいっぱいだったので、すぐに分かった。時間によってはかなり並ぶと聞いていたが、運よくテーブルが一つ空いてた。パンケーキの方は、全米から人が集まると聞く期待ほどではなかったが、自家製メープルシロップは香りもよくほんのりした甘みが美味しかった。25セントのメープルシロップ味のソフトクリームが美味しく、家族が喜んでいたので良かった。IKEAの50セントのホットドックを超えるコストパフォーマンス。
帰りの途中、チャールズリバー沿いはレガッタ大会で人がいっぱいだった。家に着いて風呂に入ると、夕方から寝てしまった。秋学期に入って以降、ひさしぶりに家族と過ごせるオフ日で、疲れが貯まっていたようだ。

2009年10月16日金曜日

15.402 Finance II

15.402 Finance IIを、Nittai Bergman教授が教えるFull Termコース。秋学期の中間まで進んだところだが、内容はCFOの視点で資金調達をDebtかEquityかが毎回問われるコーポレートファイナンス。Sloan Fellowsでは、夏学期コア科目15.414でNPVに始まりCAPMまで幅広くファイナンスの基礎を講義中心に学ぶのに対して、選択科目15.402 Finance IIは講義とケースで財務戦略に特化して実践的に学ぶ。これまで、成長企業の長期資金をどう調達するか?、季節変動の短期資金をどう調達するか?、資金ショートしたら貸し手とどんな救済策を交渉すべきか?、自社株買いは誰に何のメリットがあるか?などをテーマにしたアサイメントが毎週あり、実際に手を動かして財務分析を行う。午前に同じコースを別の教授が教えているのを一度聞いたが、Bergman教授の方が教科書の"Analysis for Financial Management" (Robert C. Higgins)に沿って良く構成とストーリが練られている。H2以降は、バリュエーションを学ぶ予定。ListnerとしてRegisterするまで、何度か頼み結局サインをもらえた。

2009年10月15日木曜日

15.545 Mergers and Acquisitions (H1)

15.545 M&AをSerdar Dinc教授が教える。秋学期はファイナンス系の選択授業を広範囲に取っているが、単位数の制約からH1でクレジットを取るのはM&Aだけで、他は全て聴講になる。バリュエーション(DCF/WACC, APV)の基本スキルがケースの前提になるため、Finance IIがPre-requirementになっているが、教授に交渉すれば免除してもらえた。Serdar Dinc教授は、KelloggからのVisiting Professorで、Kelloggでは学生の人気投票でBest Professorに選ばれたこともあるらしく、たしかに講義、ケース、アサイメントが10回しかない授業にコンパクトによく纏まっており、初めてM&Aを学ぶ私には非常に分かりやすかった。来年春学期でMITを離れるようで残念。講義は、友好的・敵対的買収、買収防衛策が中心で、主にファイナンスの側面でシナジー効果のバリュエーションからBidding戦略までを学んだ。授業数の制約から、M&Aの教科書によくあるターゲット選定や合併後オペレーションなどはなく、あくまでファイナンスの授業としての位置づけだった。ケースは、食品と鉄道のBillion $以上の大型案件だった。Takeawayも明確で、食品ケースでは、たばこ会社が食品へ業態を移すため買収先マネジメントを巧みに味方に引き込んだ点や、鉄道ケースでは、買収防衛策それぞれの活用方法とProxy Fightの展開について学ぶことが出来た。

2009年10月14日水曜日

15.433 Investments (GMO Foundar)

秋学期H1も今週で最終週になり、クラスメートとどの選択授業が一番良かったか?と話す機会が多いが、私が聞かれる度に毎回、断然一押ししているのが、Cohen教授が教える15.433 Investments。今日は、授業のケースでも扱ったGMOのFoundar, Jeremy Granthamがゲストスピーカ。先日のBaupostのSeth Klarmanに続き、Value投資に基づくファンドの創業者が、彼ら自身の目線で投資戦略を語る。GMOのケースの授業でも書いたが、Grantham氏は1970年代にボストンでファンドを創業して以来、クオンツの先駆けでもあり、市場の趨勢を見極めメディアでも発言し続けている。今日の講演も座ったまま静かな姿勢から、一言一言が恐ろしくロジカルで力強かった。講演者の名前を書いてしまうと、講演内容について具体的に紹介できないのだが、感想だけ一言で書けば、30年以上に渡るファンドの成功は、Grantham氏の強さ、投資姿勢の継続性にあると思った。先日ボーゲル塾でお会いした日系の信託銀行の方と、バリュー投資について会話する機会があり、結論として理解できたのが、バリュー投資は理論的には極めて簡単だが、セル・バイサイド両面から実践は難しく、その理由が10年以上の長期に渡り一人の人間がその人自身の責任で続けることが難しいということ。日系、外資によらず、機関投資家も担当者から運用責任者までサラリーマンであり年単位の成果で報酬や昇進が決まるし、トップマネジメントも10年同じという状況はまずない。逆に、バリュー投資で成功できるのは、ファミリービジネスの社長や創業家が強い会社などに限られる。

Media Lab - Open House

今週、メディアラボはスポンサー企業向けのオープンハウスをやっており、ラボでのデモ見学や各種ワークショップなど盛りだくさんの企画がある。会社から幹部が来訪しており、授業の合間に、私も一緒に附いて回ることに。オープンハウスのイベントに合わせた最新の研究成果のデモもあり、この機に初めて見学できたラボも多かった。来年から建物が移動するそうだが、今の居室とラボが渾然一体とした雰囲気も慣れると活気があって良さが分かってくる。あるプロジェクトで教授とのミーティングがあり、まだ要素技術の域を越えていないが応用次第で大きく化けそうな案件についてブレーンストーミング。皆乗り気で面白い技術ではあるのだが、進めるとしたら会社とメディアラボのクローズなプロジェクトになりそう。Sloanと共同授業のDevelopment Venturesとかのオープンなプロジェクトなら人集めも出来るが、自分がどこまでコミットできるか躊躇してしまう。教授が他に持っている授業もあり、秋の途中からでも来ればと言われて検討中。

2009年10月12日月曜日

15.015 Macro & International Economics (H1)

15.015 マクロ経済学をRoberto Rigobon教授が教える。Rigobon教授の独特のTeaching Styleに好みの分かれる授業だ。夏学期のミクロ経済学がほぼ教科書に忠実に競争・独占市場のDS曲線を用いて定量的なフレームワークを詰め込んで学んだのに対して、秋学期のマクロ経済学は全く数式を使わずにISLMとBBNNのシンプルなモデルだけで多くの国のケースを説明していく。Rigobon教授が中南米出身ということもあり、アルゼンチンやスペインなどラテン系の小国が多くてアジアが少ない分、私には新鮮だった。経済政策の失敗学とも言うべく、政治が不安定で中央銀行もまともに機能せずに、通貨危機やハイパーインフレーションに追い込まれる状況を扱う。固定相場制下での為替政策を説明しやすくするため、BBNNという縦軸に為替(横軸は普通に需要)をおき、失業率、国際収支、生活水準の"不均衡"を表現するモデルを用いる点も独特。分かりやすいさが追求される余り、ケースが消化不要で一般論に終始した点だけは残念。日本経済の90年代来の状況も、日銀がStop-and-Goのタイミングを見誤った金融引締めを繰り返しているという一言で片付けられてしまった。後日、Vogel塾の勉強会で官僚の方が日本経済の政策議論を整理された話を聞いて、日本のことは日本人から深く学ぼうと思った。
シラバスはこちら。
http://web.mit.edu/rigobon/www/Robertos_Web_Page/15.015.html

2009年10月11日日曜日

White Mountains, NH (紅葉)

紅葉のホワイトマウンテンズへ。Cambridge周辺もすでに紅葉が始まっていて、100マイルも北のニューハンプシャーは既に終わっているかと思っていたが、紅葉前線をWebで見るとホワイトマウンテンはちょうど今、Peak。ピークといっても、ホワイトマウンテンは山域が広く幾つかの谷を挟み高低差もあるので、数週間に渡って楽しめそうだ。New Englandの紅葉は、もう本当に美しかった。山が平坦で広い分、見渡す限り赤と黄色と緑の鮮やかなコントラストが視界いっぱいに広がっている。妻の家族がちょうど滞在しており、ドライブしながらちょっと展望台に立つ気軽さで、谷一面が絵画的に染まる感動を味わえた。日本では、上高地から歩く涸沢カールの紅葉が一番ダイナミックだと思っていたが、New Englandの紅葉は壮大さに本当に驚いた。近場では、家から見渡すBlue Hills方面や、Wacchusettsもこれから見ごろだと思うので、週末に足を運びたい。ホワイトマウンテンでのドライブルートは、I93, R112, Bear Notch, R302で2つの谷を越えて一周でき、特に峠道のBear Notch沿いが良かった。

2009年9月30日水曜日

H-mart (Korean Supermarket)

Burlinton Mall近くに、H-martがグランドオープンしたということで行ってみた。H-martは全米の韓国スーパーマーケットチェーン。Irvineとか日系、韓国系の会社勤めが多い都市の郊外に出店しているが、ボストン周辺では初めて。オープンしたてで凄く混んでると聞いていたので、閉店間際を狙って行ってみることに。たしかに夜遅くなのに駐車場から溢れて車が止まっていてビックリ。
韓国系食材の品揃えは当然ながら、日本の調味料、お菓子などもボストン周辺では一番と言ってよい規模。フードコートも量は少なめっぽかったがお手ごろな値段。米を買いに行ったのだが、田牧米がなかった。Kendallからだと30分近くかかり、Reliableよりずっと遠いのが難点だけど、たまにはWhole Foodsの代わりに行くかも。

http://www.hmart.com/ourstore/ourstore_main.asp
Burlington
3 Old Concord Rd.
Burlington, MA 01803
Store Hour: 8:00AM - 9:00PM

15.433 Investments (Value investor)

15.433 Investmentsのゲストスピーカは、Cohen教授の人脈を活かして、特徴のある戦略を持つファンドの創業者が続々と来訪する。今日のスピーカは、資産規模1兆円以上の世界トップ20に入るヘッジファンドの創業者。こんな大物資産家でもボディガードもなく普通に教室に来ていた。創業から20年来、投資戦略は割安株・債券ロングのバリュー投資のみ。著書も出しており、ウォーレンバフェットほど有名ではないが、講演を聴いた感想では、バフェットのスタイルに非常に近い。ヘッジファンドと聞くとレバレッジを利かせてハイリスクハイリターンのイメージがあるが(一般的にも誤解だが)、このファンドはレバレッジもかけないし、ショートポジションも取らない。徹底して割安株を探すため、倒産が近いと見られる会社でも価値があると見れば(清算価値や存続見込みがあるなど)、躊躇わず買いを入れるのが特徴とのこと。また、長期で市場の超過リターンを得るために、ベータが大きいvolatalityが高い株に積極的に投資機会を見出している。講演で強調していたのが、ウォール街がリターンばかりに目がいってメディアもそれを煽っているいるのに対して、このファンドはリターンよりもリスクを重視すること。このため、買ってすぐ値上がった株を天井を見る前にすぐ売ってしまうこともしばしば。割安株を探すのは、Economicsとpsychologyの2つの視点で、特にpsychologyは市場と自分自身を客観的に分析することが大事だとか。Q&Aで海外投資について議論があった。このファンドは、アジアには一切投資をしていないが、その指摘は厳しい。日本については、バブルから20年来、対Book Valueで割安状態がずっと続いているが、金融インフラが未発達で会社は従業員のためのものと認識されていて、価格の再評価につながるような投資機会がないと厳しい評価だった。中国、ロシアについてもそれぞれ別の理由から投資しないのだとか。

2009年9月27日日曜日

Electives (履修見送り分)

秋学期の選択科目のうち、諸般の理由で履修しなかったクラスをまとめておきたい。

- 15.081 Introduction to Mathematical Programming
スローンの15.xxx番がついているが、6.xxx (EE&CS)の工学部のGraduate Studentsが圧倒的に多いクラスだった。本格的そうだったので、初回だけ覗いてみたが、線形計画法の学部前期課程レベルで簡単すぎた。コンピュータサイエンスで頻出のアルゴリズムをビジネスの資源計画等の問題に応用してみるコースのようだった。MBAが私の理系バックグラウンドとcomplementaryで羨ましいと人に言われたことがあるが、このクラスを受けて実感できた。金融や商社の人にとっては、夏学期のFinanceの授業は易しすぎて時間の無駄だっただろう。

- 15.437 Options and Futures Markets
Black-scholes, 2項分布によるオプション価格モデルを用いて、各種デリバティブを扱うクラス。初日は立ち見が出る人気ぶりだったが、生徒の顔ぶれを見るとMBAだけでなくMiFやSDMから来た理系が多そうな印象だ。たまたま席が隣り合わせた人は、Media LabのVisiting Scholorで、Media Labが長年やってる人間の音声・映像情報から行動パターンを抽出する研究を、ファイナンスへ応用できないか興味があるそうで、Electivesについて色々情報交換した。後日、彼が一押ししてくれたInvestmentsを、結局、履修することになった。このOptionsの授業の方は、1回目の講義があまりに冗長に感じられたのと、テーマがやや狭すぎることから履修を見送った。ただ、為替スワップを扱う講義とケースだけは聞きたいので、聴講中のFinance IIをSkipして行く予定。

- 15.569 Leadership Lab (L-Lab)
Peter SengeがSustainabilityとLeadershipをテーマに教えている。G-Lab同様にIAP期間に3週間の現地コンサルティングを行うプロジェクト型コース。週末に2日間かけてワークショップが行われた。Peter Sengeは、夏学期中に講演を聞いた時には、全く期待はずれだったが、少人数でのこのワークショップは面白かった。やや宗教的ではあるのだが、"Vision"を信じ続けることの重要さや、自分の目標を再確認するためのメンタリング、そして瞑想の時間まである。G-Labがスローンonlyなのに対して、L-Labは環境やNGO系のプロジェクトも多くMITのTPPなど他学部やHarvard Kennedyまで学生が多様だ。G-LabとL-Labのどちらを取るかMixerの直前まで迷ったが、G-Labで良いチームが組めたこともありG-Labを取ることにした。Peter Sengeのワークショップは、これまでのスローンの授業の中で一番良く、ワークショップだけで十分に満足できた。

- 15.615 Basic Business Law
Akulaが経営者視点で英米法体系の考え方や実例を基礎から教える人気のクラス。初回だけ出席したが、バックグラウンドが無く、教授の話の展開が理解できずやむなくドロップ。ハーバードの教授らしく洗練されてるっぽいジョークも時折交えてテンポ良く進むが、悲しいかなジョークのポイントも分からず残念。秋学期はFinanceとG-Labに比重を置き、Business Lawは春学期に取ることにして、それまでに推奨本"The Entrepreneur's Guide to Business Law"を読んでおくのを目標に。

これ以外にも、Neurotech Venturesとか、幾つか聞いてみたが、スローンだけでも面白い授業が豊富にあった。

2009年9月26日土曜日

Golf ドライバー練習

久しぶりに週末のドライビングレンジへ。CambridgeもそうだがLexigntonはすっかり秋めいてて、青空に紅葉がよく映える。練習仲間のゴルフセットが届いたところで、彼からドライバーを借りて練習することに。ドライバーは、先月買ったFairway woodと同じブランドの赤いCallaway Diabloのニュートラル。私も買おうと思っていたので、試し打ちにちょうど良かった。ヘッドがFairway woodよりも大きいせいか、甲高い快音で当たることには当たるのだが、スライスしたりダフったり肝心の飛びがさっぱりだった。ゴルフが出来るシーズンはもう1ヶ月ないので、買うかどうか迷うところ。

2009年9月22日火曜日

Vogel塾

Vogel塾の自己紹介セッションに参加。Vogel塾は、Vogel先生のご自宅に日本人学生が集って日本の将来について議論しながら親睦を深めることを目的とした交流会。ちょうど今週はケネディスクールのOpen Houseもあって、日本の交流会でお会いした方々とも再会することができた。先日の事前説明会でも、ハーバードの色々なプログラムやMIT、タフツから日本人が参加していて、今日の自己紹介を聞くと官公庁から民間まで色々な分野の方が集まっているようだ。思いがけずも、Vogel先生とテーブルに座ってお話する機会に恵まれ、民主党政権の外交政策などについて先生独自の分析を拝聴した。今後は継続的に月一くらいの分科会でしっかり議論して結論を纏めていく活動になり、日本語で深い議論を重ねながらネットワーキングが出来るのが楽しみだ。

2009年9月21日月曜日

15.433 Investments (GMO)

Prof. Cohenが教えるInvestments、今日のケースはGMOというボストン創業のクオンツ。クオンツらしく、長期トレンドと現在値の乖離をコンピュータで統計処理して、アルファを狙うもの。Valueと呼ぶ独自の将来配当予測モデルと、Momentumと呼ぶ投資家心理(market sentiment)に対する逆張りモデルを組み合わせる。特に、昨年後半のような10年に一度くらいのタイミングで市場が激変する時は、絶好のチャンスになる。行動ファイナンスによる投資家のOver reaction, Under reactionが、市場の非効率性を生むことが投資理論の前提になっている。教授自身の研究によると、Momentumを作るのは一般投資家だけで、機関投資家は市場に踊らされないほど十分に賢い。
秋学期のうちに、GMOのFounderが授業に来る予定になっていて楽しみだ。Flexの同級生は、Bostonで年金ファンド相手のセルサイドの会社にいて、GMOの創業者も個人的に知っているほど業界人だが、投資理論は専門家がやっていて彼自身は実はよく知らないそうだ。このクラスを取るSloan Fellowsは比較的少ないので、マイナーな興味を持つ同士で話すことも多い。

2009年9月20日日曜日

15.433 Investments (DFA)

秋学期が始まって2週間を過ぎて、選択科目の履修がだいたい固まった。同じ時間帯に面白そうな授業が重なっていたり、同じ科目でも時間帯で先生が違ったりすると、2回分は授業が回らないと決められない。
H1は、聴講を含めファイナンス系を3つ取ることになり忙しいが、春学期にプロジェクト形式のコースを取りたいと思うと、どれも落とせないので仕方がない。マーケットサイドで面白いのが、15.433 Investments。自身でヘッドファンドも持つProf. Randolph B. Cohenが、ポートフォリオ理論を教えている。月曜の朝イチから、もの凄い早口で叩き込まれ、もっとも気が抜けない授業。最初の2回は、株・債券のHistorical returnやValuationのおさらいの話に始まり、3回目からいよいよケースで実際の投資スタイルについて学んだ。Dimenssional Fund Advisors (DFA)は、David Boothが1981年に創業し、市場効率仮説に基づくアカデミックなデータ分析を元に、市場ポートフォリオをoutperformするファンドを商品とする。アカデミックな研究から実際に莫大な富を生み成功した例として、ファイナンス系の教授達にも人気があるケースとのことで、Chicagoのスクール名(Booth School)も冠している。80年代の小型株投資ファンドに始まり、"beta is dead."で知られる、1992年にFama-Frenchが発表した"The Cross-section of Expected Stock Returns”を実践した、小型バリュー株投資の先駆け的菜存在である。Famaのペーパを要約すると、こんな感じ。
・ベータが大きい株は、ベータが小さい株と比較して、CAPMが期待するほどには高いリターンが得られていない。
・サイズが小さく、Book-to-market value (BE/ME)が大きい株ほど、期待リターンが高い。(CAPMではどちらもリターンに影響しないはず)
この理論は、さらにFama-French Three-Factor Model として、ベータ、SMB (Small-minus-Big), HML (High-minus-Low)の3変数を元に期待リターンが定式化された。ケースディスカッションは、生徒の何気ない発言に対しても、教授が深く理論的に掘り下げて多面的な解説をしてくれるので、よく理解が深まって面白い。
来週は、ボストン創業のファンドGMOのケースで、これまた独自のMean Reversionと呼ばれる投資スタイルを学ぶことになり楽しみだ。

2009年9月11日金曜日

Trader's Joe vs. Whole Foods

また食品スーパーについて。Whole Foodsと同じくOrganicを売りにするのがTrader's Joe。Memorial Dr.沿いに2つのスーパーが近接しているので、よく両方に立ち寄ったりする。Trader's Joeは、オリジナルのプライベートブランド(PB)が豊富でよく工夫されている。日本風のおかき、濃縮還元でないオレンジジュース、甘過ぎないアップルパイ、$2.98のおいしいワインから、レンジですぐ食べられる玄米ご飯まである。というわけで、Whole FoodsもTrader's Joeもどちらかが無くなっても我が家は困る。
今日のM&Aの最初のクラスで、Whole Foodsが別のスーパーを買収する際に、CEOの不用意な内部メールが流出した話が出た。教授によると、M&Aの本音の理由として、表向き語られないのが、競合相手を飲み込み価格競争を無くしてしまうこと。CEOが、"Elimination of a competitor"とつい本音で書いてしまったメールが、FTCから独禁法違反の疑いを受けるこちに。この顛末はこちら。
http://www2.wholefoodsmarket.com/blogs/jmackey/2007/06/19/whole-foods-market-wild-oats-and-the-federal-trade-commission/
FTCへの反論が面白く、買収相手よりも安売りに積極的な脅威(Trader's Joe)の存在を引き合いに、競争は無くならないと指摘している。教授のオチは、Whole Foods自らがTrader's Joeの安さの宣伝に一役買ってしまいサンキューと言われたという話。CEOの不用意ぶりが目立つが、テキサス州オースティンで学生(今のCEO)が彼女と作ったコンビニに端を発するWhole Foodsと、Stanford MBAが創立したTrader's Joeとでは、用心さに差があるのは仕方が無い。

2009年9月7日月曜日

Golf Brookline

前にも来たブルックラインをラウンド。今回は覚えたてのFairway wood (3D)をティーショットからフェアウェイで多用した。ティーで3Iを使った前回と比べて、飛距離が伸びただけでなく、ミスショットでも前にかなり転がってくれて、ずっと楽な展開だった。アプローチが酷かったのでスコアが伸びた実感はなかったが、次は130を切れるといいな。午後遅めから始めたので、日没途中終了になってしまったが、夏休みの最後に日暮れまで遊んだという感じ。毎日ゴルフの誘いをくれるクラスメートに付き合って、気づけば5日連続でゴルフに興じてしまった。しばらく自粛。

2009年9月6日日曜日

Food Shopping (超級88, Rosso)

Food shoppingは、Weekend Whole Foodsという言葉がこちらにあるくらい、Whole Foodsが多かったが、夏休みは食材の幅を広げるべく近郊のスーパーを開拓。まずは、BU近くのKen Ramenが入っている超級88。ダウンタウンの超市(C Market)は品揃えはいいのだが、駐車場が無いのが難点で、出かけるのが億劫になる。BU近くの88は、フードコートに色々アジアンがあって、軽い夕食ついでに好都合。好食店という中華は、BU卒のローカルの中国人が勧てくれたもので、粥、麺、飯もののメニューが多く、味付けがさっぱりしていて気に入っている。別の韓国料理店には石焼ビビンバもある。冬になるとまた、こってりしたKen Ramenも恋しくなるかな。
次は、奥様方の間では有名らしいイタリアンスーパーマーケットのRosso. ここは、新鮮な野菜・果物、牛乳がWhole Foodsよりも安い。大根や中華野菜の品揃えも豊富で、Rossoは匂いのない超級88という感じか。88や中華系スーパの清潔度に抵抗感のある方にはお勧め。イタリアンらしく、チーズや、キッシュとか惣菜コーナが値段は安くないが味はなかなか。これから紅葉の時期にかけて、Kendall Sq.からWatertownまでCharles River沿いのドライブも気持ち良さそう。

2009年9月5日土曜日

Golf スイングフォーム

夏休み後半は、学校帰りにせっせと練習場に足を運ぶことに。何人ものクラスメートとバッタリ会うあたり、皆、休暇の外出から日々の生活に戻りつつあるようだ。必ず出くわすクラスメートに、You come here everyday. と言われてもお互い様だ。100を切る上手いクラスメート達には、フォームを見てもらい、色々と指導されたことを参考にスイングフォームを修正している。いわゆる野球打ちの癖があるようで、Youtubeで女子プロのスイングを見ると、力を使わずに綺麗に振ってるなと思う。そのイメージで、練習の前半は調子がいいのだが、後半はフォームが崩れてしまう。Fairway woodでティーショット練習を続けてきたが、指導が真剣なクラスメートにドライバを早く買えときつく言われ、今日は隣の見知らぬおじさんにも、ティーが高すぎるよと声をかけられる。結局、ドライバも今シーズンのうちに買い揃えるかも。

2009年9月4日金曜日

Harvard Kennedy School

今週はハーバードケネディスクールの授業を見学している。MITとハーバード、ビジネススクールと行政大学院の雰囲気の違いを存分に味わい、将来に向けて非常に参考になった。好都合なことに、ケネディスクールは、スローンより一週間早く始まる。せっかくの機会なので、春学期以降に履修を検討しているクラスを含めて、数日に渡り色々なクラスに出席してみた。スローンは、ケネディスクールと単位交換(cross registration)を認めていて、教授の了承があれば正式にcreditを取ることやAuditも可能。スケジュールの相性も良く、授業の曜日が月水と火木のペアな点も共通。外から知る範囲の情報だが、先学期までは、初日の授業はShopping dayとして、シラバス含む授業説明セッションが数回ラウンドして、同じ時間帯の授業を比較できたらしい。今学期は専攻ごとの授業説明会があったようで、初日の後半はしっかり授業が始まってくれた。
まず、Sloanと同タイトルのクラスがあったOperation Managementから。扱うケースや視点がビジネススクールにないものだった。利益一辺倒でない公的性格を持つ銀行のケースでは、社会的使命を満たしながら官僚的な非効率性に対する解決策を論じる点で、興味深かった。クラスでの発言も、ポリシメーカらしくJob Creationとか年次予算の硬直性を伺わせるものがあり、アントレプレナーの発言が強いSloan Fellowsとは視点が180度違う。意外にも、夏学期のSystem Dynamicsで習ったCausal loopが板書に登場して、ちゃんとPolicy makingに活用されているんだと納得。
次に、せっかくなので、ケネディスクールらしい授業も聴講。特に、ビジネススクールでは習わないがセンスとしては不可欠な国際関係論に興味があった。米国の中東地域における戦争遂行のDecision Makingをテーマにしたクラスでは、実際にバグダッドに駐在して戦略企画を練った政府高官だった教授が教えている。恥ずかしい話だが、アフガニスタンとイラクのGDPがどれくらいで国情がどう違うか聞いて初めて知る内容ばかりだった。戦争のコストと国益を正面から議論するようで面白そうだ。インフラ事業の権益獲得の政治力学への関心を満たしてくれそう。この授業に限らず、ホワイトハウス出身の教授は多い。また、教授が2人並んで教えるものもあり、お互いに独自の視点でフォローしながら進める点も有効そうだ。例えば、科学技術のPolicy Makingをテーマにしたクラスでは、一人の教授が一般論を述べた上で、もう一人の教授が専門の原子力政策を例にコメントしていて、理論と実践のバランスがよく配慮されている。
最後に、一番期待していたRoger Porter教授の米国における政府と民間の関係を扱う看板授業。やはり人気授業のようで立ち見も多かった。米国政治の特徴として、Laissez-Faire, Adversarial, Revolving Doorが指摘される。これらのタームは、教科書やFinancial Timesの社会欄では見かけても、ビジネススクールでの会話では聞けない。春学期以降に単位を取りたい。
今更ながら、ハーバードとMITのキャンパスや建物の雰囲気もだいぶ違う。台湾の同級生の言い方でざっくりいえば、MITは東大、ハーバードは英国ケンブリッジに外観が似ている。ケネディスクールも、中庭や建物内のカフェテリアを中心に自然と人が集まる動線設計。外観だけでなく中身でも、ケネディは、スローンと同様に黒板とOHPのローテクが未だ現役でありながらも、HBSのオンライン教材をうまく活用していて川向こうは相当に進んでいる印象だった。

2009年9月2日水曜日

ナイアガラ&トロント観光

ホワイトマウンテンから帰ってFacebookを開くと、みんな夏休みの家族旅行の写真を載せている。やはり人気はNiagara Falls. スタディグループのKも、ちょうどナイアガラから戻った所で、聞いたらボストンから車で7時間で行けるとのこと。天気予報が晴続きなのを確認して、朝ホテルを当日予約して出発することに。結局、ナイアガラとトロントで各一泊する3日旅行に。
ナイアガラの滝は、あまりに観光地化され過ぎてるからと少し敬遠していたが、その昔、アメリカ横断ウルトラクイズで見て以来、一度は見たいと思っていた。行った人のブログを見ると、「霧の乙女号」という船に乗って滝のすぐ下で水しぶきを受けながら滝の迫力を体験するのが楽しいとのこと。夕方にNiagara Fallsに到着して、早速、展望台からボートツアーへ。Maid of the Mistの看板を見つけ、待望の霧の乙女号に乗船。青いビニールポンチョを着て濡れる準備も万端で、ディズニーランドのアトラクション気分。ちょうど西日が当たる時間帯で、アメリカンフォール、カナディアンフォールの水しぶきが巻き上げる霧の雲に美しい虹のアーチがかかる。轟音とともに落ちる滝を真下から見上げるのもなかなかの迫力だった。夜は、カナダ側のホテルに泊まり、部屋からライトアップされた滝が楽しめた。カジノも平日なのになかなかの繁盛。ポーカーは、No limitしかなかった。テレビの影響か、最近はポーカートーナメントが随時開催されていて人気のようだ。MA州にカジノはなく、ボストンから最寄のカジノ(Mohegan Sun)へチャイナバスが出ており2時間かかる。Niagaraは、自然の秘境とは言い難いが、娯楽観光地として楽しめた。
2日目は、朝にNiagara falls沿いの道をまた散歩した後、トロントへ。トロントはカナダ第一の都市とのことだが、ボストンよりずっと大きく、新しい高層ビルの建設も北京並に多い印象で、意外な発展ぶりに少し驚き。カナダ一の収蔵点数と質を誇ると言われる、Royal Ontario Museum (ROM, ロイヤル・オンタリオ博物館), Art Gallery of Ontario (AGO, オンタリオ美術館)に立ち寄る。今年に入って、大英博物館、ルーブル、ボストンと世界の美術館巡りが続いていて、メトロポリタンもまた行くことになりそう。夕食は、中華街へ。繁盛している店を狙って入ったが、さすが国際都市トロントというべきか、とても美味しかった。ボストンの中華街の方には未だ2度行きたいと思える店を見つけられていないので、もう少し開拓してみようと思う。宿泊は、天皇陛下が先日泊まられたホテルに。Valet Parkingの値段に閉口したが、トロントの観光地近くはどこも東京都心と変わらない駐車場のお値段だった。
3日目は、ひたすら帰宅。モントリオール周りで帰ることも考えたが、紅葉の時期にカナダはまた週末旅行しようと思い、次回へとっておくことに。帰途のサービスエリアで同級生とばったり会う。アメリカは狭い。彼は家族でロンドンから戻った後、カナダをケベックあたりを5日かけて周っている所で、さらに今週末にニューヨークへ行く予定と言うから、凄いバイタリティだ。

2009年8月31日月曜日

Golf Fairway Wood

またまたゴルフ練習のお誘い。結局、ビギナー3人誘って、まずはゴルフショッピングへ出かける。今回は、ボストン郊外のGolfzoneへ(http://golfzoneboston.com/)。ダウンタウンのお店よりずっと広くて、セール品も色々。型落ちクラブ現品処分から、ゴルフシューズ$39~、グローブ3足$12とか掘り出し物が楽しい。私もFairway woodを探していた所だった。試打コーナにあったCallaway BIG BERTHA DIABLOを振り始めた所、我に返った時には、会計コーナでヘッドカバー付で渡されてしまった。周りにCallawayを持っている人が多かったのと、赤いシャフトがカッコ良かったので嬉しい。早速、いつもの練習場で試すが、テンプラ連発で距離も出ない。そこで、Webでドライバの打ち方を読んでいたのを思い出し、ボールを前足前方に置き、体重移動を最初は後足からスイング時に前足に移動する。すると、高い快音を響かせ、高軌道で200Yardまっすぐ飛んでいき、本当に自分の弾道なのか信じられなかったほど。これはやみつきになりそう。
夕食はHootersへ。最初はDinnerは先約があると言っていたクラスメートまで、Hootersと聞いた途端、自分も行きたい、と。ゴルフの誘いといい、持つべきものは遊び仲間。

2009年8月29日土曜日

White Mountains, NH

夏休み前半は、ニューハンプシャー(New Hampshire)州のホワイトマウンテンズ(White Mountains, National Forest)へ3泊4日のキャンプに。もともと夏休みの予定では、ヨセミテの奥地を1週間かけてHut-to-Hutに縦走予定で予約も入れていた。が、色々と都合が変わり、ボストン周辺で短めのDay Hiking中心で楽しめるWhite Mountainsへ行き先を変更した。メジャーな国立公園は1度となく行ってしまったのと、New England地方はこの時期が気候的にベストと思い直した。南は今は暑すぎて、在米の同級生も結局同じようなチョイスにしたのが多かったようだ。
White Mountainsは、地図では遠く感じられたが、I93を北上してボストンから2時間ちょっとと意外に近かった。National Parkより格下のNational Forestで私も最近まで知らなかった渋い観光地だが、定住キャンプ+トレッキング好きの我が家には最高だった。山域は雪国らしく水が豊富で、至るところにある滝や渓谷が涼しげ。日本で言えば、南アルプスに近い感じだが、人がずっと少ない。紅葉の時期にまた日帰りで行きたい。テン場は、Lafayette CampgroundでFranconia Notchを見上げる雄大な景色を望むサイトを確保。以下は歩いた(or 候補に入れた)トレッキングルートリスト。The White Mountains, Applachian Mountain Club参考。
- Lonesome Lake & Cascade Brook and the Basin, 4.5 hour, Lonesome Lakeは山上の広く青く静かな湖で美しい。Appalachian Trailを抜けていくつもの滑め滝を越え、The Basinというお椀上に水流が渦巻く池まで歩く。


- Zealand Falls & Thoreau Falls, 5 hour, 道はずっと平坦だが、ビーバーの巣がある池やムースが生息する湿地帯から、ガレた岩が斜面ずっと続くCliffから、絶景のThoreau Fallsまで変化に富んだ景色を楽しめる。ここもAppalachian Trailを一部走破する。


- Franconia Ridge, 8 hour, 森林限界を超えてMt. Lafayette含む雲上の稜線歩きを楽しめる人気トレイル。今回は天候とStrenuousな登りがきつく見送り。次回トライ。
- Mt. Willard, 2 hour, 足慣らしに短い登りでCrawford Notch方面のU字型の峡谷を一望できる。小さい子供の初めての登山向けらしく、家族連れ多し。
- Flume Gorge, 1 hour, トレッキングというよりほぼ観光ハイキングで、独特の左右狭まった谷底を歩けるコース。
この他にも、駐車場の近くに所々に見所の滝があり、Kermit Chairと軽食を持っていってのんびり楽しめた。

2009年8月24日月曜日

Golf アプローチ練習

昨夜のJ-meeting飲み会でゴルフ話をしたこともあり、そろそろ練習に行きたいなぁと誰かを誘おうと思っていたら、ちょうど電話でお誘いがあり出かける。家族の外出オフ日で絶好のタイミング。いつものLexingtonのDriving Rangeへ。ボストンでゴルフを始めようとする同級生は多い。MIT Gymの個人レッスン($70/person/hour)が良かったので、皆に勧めていたが夏休みのせいかレスポンスが悪いらしく申し訳なかった。結局、Kもしびれを切らしてドライビングレンジでレッスンを受けることにして一緒に出かける。レッスンは$90/hourで回数券もあるようで良さそう。指導内容を聞くと、MIT Gymの講師と微妙に打ち方のポイント(特に膝の屈伸具合や重心位置)が違うようで、同じ先生に継続して習わないと混乱しそうだ。今回は、100yard手前あたりの狙ったポイントに、高い精度で落とす練習を続けた。ここは空いてればティー手前の芝から打ってもいいらしく、8, 9, AW, PWで自分なりの距離感が少し掴めた感じがしたが未だ再現率は低くもっと練習しないと。自分と関係ないが、オバマ大統領の夏休みもマーサーズ・ビンヤードでゴルフ三昧らしい。
夕食を家で取った後、帰りにTargetで調達したPorkerセットを開けて4人でプライベートポーカー。英国圏組の2人は、驚いたことにTexas Hold'emを全く知らず、Seven Cardsの1枚Openルールに馴染み深いようだった。Blind Betに何でBig/littleが必要か?ポジション関係なく一律チャージでいいじゃん!等という議論にいちいち答えて説明するのは面倒だったが、冬は寒くて外に出られないので、今から貴重なポーカー仲間作りに投資を。

15.871 System DynamicsのTakeaway

Summer H2の4科目の一つ、Sloanの看板科目でもあるSystem Dynamicsを、Brad Morrison教授が教える。System Dynamicsでは、社会経済の複雑な事象の動的な振る舞いを、Causal loopという原因と結果を順々につなぎループで結んだ図で理解する。風が吹けば桶屋が儲かる式に、各アクションが目的変数を結果的に増やすのか減らすのかフィードバックを、定性的な見える化できる。このツールを基に経営シミュレーションを行ったり、政策の有効性を副作用含めて議論する。Academicとしては比較的新しいが、電子回路や機械系の関数解析的な制御理論を大幅に簡略化して文系でもとっつきやすくした感じ。因果関係を絵にするだけで、統計的な因子分析のような真因を定量的に求めるスタンスはない。Business Dynamicsという教科書が推奨され、授業はMorrison教授が色々な社会現象を題材にした演習中心に毎回、鮮やかにCausal loopを作っていく。同級生の感想を聞くに、Logical Thinkingの基礎的な練習ではあるが、いまいち実ビジネスへの応用が見えず、Sloan Fellowsのコア科目になっている点は疑問が残るようだ。
この授業の私自身のTakeawayも、正直なところあまり多くない。強いてあげれば、People Expressという航空会社のケースを基にした経営シミュレーションが、ゲーム感覚ながら企業のライフサイクルを俯瞰する意味で勉強になった。創業期にキャッシュ燃焼が速過ぎると株価も上がらずDebtも調達できないし、逆にキャッシュ重視が過ぎると成長が遅れて成熟期のシェア争いで生き残れないゲームバランスになっていて、なかなか練られていると思う。仕事のプロジェクト投資の稟議でも、顧客と接した現場の情報を、市場のゲームルールに洗練して整理することがポイントなのだが、大抵はこれが後知恵になるので、シミュレーションも出来ずいい加減な判断になりがち。MBAに来て以来、こんな当たり前なあるべき姿に気づかされることは少なくない。

2009年8月23日日曜日

Crane Beach

Beachシリーズ3回目。今日も北に向かいIpswichにあるCrane Beachビーチへ。Best of Bostonに選ばれたこともあるらしく、数マイルはある長いビーチが続く。駐車場は$11するが更衣室も水回りも綺麗で、Trusteesの管理が行き届いているようだ。週末の混雑を避けたく、夕方から夕飯をお弁当にして出かける。最初は1mを優に超える波の高さにたじろいだが、次第に凪いで潮が引き始めると、波打ち際には貝がごろごろと。ハマグリとオーシャンクラムが大量に捕れたので、ハマグリだけ持ち帰る(本当はライセンスが必要)。酒蒸かクラムチャウダーか、試しに食べてみる。

2009年8月21日金曜日

Rockport Beach

今日から短いSummer Brakeの始まり。一昨日のNahant Beachに続き、今日もボストンの北へ、青い海と白い砂を目指して出かける。Rockportはボストンから1, 127号を通って1時間ほど。途中、時間があれば魔女狩りで有名なセーラムも立ち寄りたかった。まずは、Halibut Point State Parkへ。Graniteの石切場に水が引き入れられた湖(Quarry)を囲むようにトレイルがあり、Ocearnサイドに下りると、巨石の岩場をうねる潮流プール(Tidal pool)が独特の景観を作っている。海岸沿いにずっと歩くと、1時間くらいのいいトレッキングコースになった。軽く疲れたところで、Rockportの町へ。港町の観光地らしくレストランや小物屋が並んでいた。Rockportの名物はなんといってもロブスター。ここで捕れるらしくて、新鮮で安くて美味しいと聞いていた。Roy Mooreという店で1.25lbで$12と格安。スチームボイルのせいか水っぽさがなくて身の締りがよくて旨かった。醤油を忘れたのが残念。町中でビーチアンブレラを買って、Cape Hedge Beachでのんびり過ごす。平日のせいか地元の人と思われる家族連れが多いように思えた。夕方近くなるにつれ涼しく気持ちよくて寝てしまった。

2009年8月20日木曜日

Media Lab 訪問

会社の幹部がボストンに来訪しており、Media Labでの打ち合わせに同席することに。今日の朝イチのFinanceのExamで夏学期も終了。アポに間に合わせるためテストを急いで終わらせ、Media Labに向かう。前回、お邪魔した時は、日本人の研究員の方が一通り解説しながら見学させてくれた。今回は、スポンサー企業からの来訪とあって、守秘義務無しには普通ではなかなか教えてくれない、それぞれのプロジェクトの研究者の方が最先端の研究状況を質疑を交えながら紹介してくれた。昼食は、私が尊敬する(日本でもおそらく最も著名な)教授の方より、非常にInspiringなお話を聞けた。話の中身もさりながら、将来を独自の視点で描きながらエネルギッシュに前に進めていこうという信念と気迫のようなものに一番影響を受けた。
頭を使い、夕方からのサッカーで体もクタクタになった後、Sloan Fellows恒例のSurvival Partyへ。Summer Term全体の総括として、授業が基礎的で余裕のあるスケジュールのおかげで、夏らしい課外活動(同級生とのスポーツやファミリイベント)を満喫できた点は良かった。

2009年8月19日水曜日

Nahant Beach

Summer H2の授業も昨日で全て終了し、明日のFinanceのFinal Examを残すのみになった。先週末は晴天だったのに家族でどこにも出かけて無かったので、合間の休日をぬって、Nahant Beachへ。Bostonからは1Aを北へ30分ほど行ったところに、長いビーチが続く。遠浅で水も綺麗で波も穏やか。南国の美しい白砂とまではいかないが、こんなビーチが近場にあるなら、もっと早く行けば良かった。一応、brealey myersを開くが、あまり読めなかったが、最近、勉強がスランプ気味だったのでいい気分転換になった。ビーチアンブレラを調達せねば。

2009年8月17日月曜日

15.972 Leadership (Flextronics CEO Michael McNamara)

Summer H2の授業の一つに、Leadershipをテーマにした講演シリーズがある。毎週のように、各界のリーダをGuest Speakersとして招聘し、授業での濃密な議論を経て、色々なリーダ像に触れていくのが目的のクラスである。これまでもDefence出身の熱血漢タイプからVCとして成功した知性派タイプまで、独特のスタイルを持ったリーダの講演があった。選りすぐりのスピーカの中でも、最も実績と影響力のあるSpeakerが今日のFlextronics CEO, Michael McNamara氏だった。Flextronicsといえば、一般には馴染みが薄いがいまや日本の並の製造業の規模を凌駕する電子機器委託製造メーカ(EMS)。北米主要メーカ(HP, Dell, Nortel, Kodak, Microsoft)から年間数千億円規模の製造を受託し、業界トップの鳴海(HonHai, Foxconn)に続く業界2番手。当然、日本の電機メーカとも縁が深く、電子部品の顧客でもありセット製品のアウトソース先でもある。このような巨大企業の現役トップの講演を聴けるのは、Sloan Fellowsならでは。
McNamara氏のリーダシップスタイルも、急成長を遂げてきた会社らしく、SpeedとWinへ拘りを追求する企業文化の組織への浸透を率先している印象だった。講演については、現在の景気後退の危機をどう乗り切るかの話を期待していたが、90年代に次々と巨大顧客を掴みながら、海外の工場を買収し続け、ソレクトロンの買収に至る過去の成長神話について語られ、質問でも講演者に配慮して昨今の危機に関する指摘は控えられた。実際、Nortelの倒産しかり多くの顧客が需要激減から生産を減らした結果、顧客の設備投資を代行して拡大し続けたFlextronicsの状況を推測するに厳しそうだ。2000年のITバブルは寧ろ買収とその後のアウトソース加速、中国への製造移転でEMS躍進のスタートにもなったが、2009年から10年にかけての不況はその規模の大きさと中国での生産コスト増などの構造変化から、EMS業界も大きな転機を迎えているようだ。

2009年8月15日土曜日

Golf Fresh Pond Course

今週末も早朝ゴルフへ。昨日のサッカーの後、テスト前なのでハーフくらいでという話になり、Fresh Pondを予約した。会社の人からは、Fresh Pondは近いけどコースがイマイチと聞いていたが、ちゃんと整備もされていてコースもやや一本調子ながら、池越えやグリーン両サイドにバンカーありと変化もあった。今回はアプローチからパターの打数の改善を目標に。アプローチの距離感はPW, AWともに手前に落とすことを心がけ、オーバーが減った分、弱くてグリーンに届かないこともしばしば。カウントしてみると、パターが問題で3打から4打は稼いでいる。道具(PING G2i CRAZ-eの青)のせいにしてみるも、グリーン上での練習がもっと必要そう。ドライバーを借りて初めて打ってみたところ高いフライが上がり、俗にテンプラと言うらしい。Utility Woodを物色中。
一眠りして勉強会に参加した後、夕方からREIへキャンプ用品を買い物に。Back-to-schoolと夏物整理の時期でセールを期待していたがまだ時期が早かったようで、特に出物は無かった。夏休みに近場のキャンプサイトへ行く予定なので地図を調達。モスキート対策のスクリーンハウスを見たかったが展示がなかった。カーミットチェア(KERMIT CHAIR)のイスはネットで購入。座り心地と携帯性がうまくバランスされて人気らしい。このイスに合わせるテーブルの試作品は、Kermit ChairのWebサイトで見れるが、いつ発売されるのだろう。

2009年8月13日木曜日

15.778 Operation Management (Japanese Mfg & SCN Presentation)

15.778 Operation Managementの授業で、Fellowsの中からプレゼンターを募り、一人20分でプレゼン。偶然にも、米露それぞれから戦闘機F35とMIGのサプライチェーンのプレゼンターが出るあたりは、Sloan Fellowsの出身国・業種のバラエティの豊かさを感じさせる。
さて、私も日本の製造業をテーマに発表した。これまでの講義で、JITやToyota Production System (TPS)がキーワードとして登場した。しかし、在庫や品質をサプライチェーン全体の視点で改善していく基本的な概念とツールが解説されず、ケースディスカッションでもピンと来ていない同級生が多いように感じた。そこで、日本の自動車メーカを事例にクラシカルだが根源的な学びを共有したいと思った。受験エッセイの公約でもあったし、日本人エンジニアが日本の製造業をしっかり語ることは、クラスへの貢献になると思ったので手を上げた。実際、私がMBAに来る直前の仕事では、日米中の色々な業種のクライアント企業にプレゼンや打ち合わせに出掛ける中で、クライアント固有の商品戦略や意思決定スタイルが、そのサプライチェーンに密接な関係があることを実感した。特に、日本のAutomobileは最終組立メーカを筆頭に、系列サプライヤまで独自の哲学が浸透している点で特徴的だった。プレゼン準備にあたり、ケース企業から派遣されたHBSの方にお会いしてお話を伺えたことが幸運だった。インタビューをベースに、名著「トヨタ生産方式」(大野耐一著)を何度か読み直して、プレゼンのコンテンツを構成した。結局、Fellowsの同級生に馴染み易いよう、日米比較文化論的にKaizenの思考手法と歴史を導入にした上で、TPSの2本柱であるJITと自働化の概念と実装を紹介した。デリバリで一つ言い忘れた点は、TPSの実装は根気が必要だが、国や業種に因らず適用可能なので、Fellowsの同級生が会社に戻ったらトップダウンで進めて欲しいというメッセージ。しっかりQ&Aで米国人から文化の違いが導入の課題と指摘されてしまった。発表後から一週間たっても、同級生10数人から具体的なフィードバックをもらい、カリフォルニアのNUMMIを実際に見学した人など、それぞれの経験をシェアしてくれた。特に、日系の自動車メーカの進出がうまくいっている国と撤退に至った国の比較の話が面白く、文化的な違いというよりは、製造業に賭ける覚悟の違いが大きいと思う。国レベルの工場誘致や製造業育成の真剣さや、工場労働者レベルの工場が破綻すると失業する恐怖まで動機は様々。一方、資源が豊富にあって産業が無くても生活に困らない国や、製造以外に世界一流の産業がある国では、日系自動車メーカがいくら現地サプライヤを生産指導しても成功しない。

2009年8月12日水曜日

Wachusett Mountain States Park

Leadershipのアウトドア授業で、Wachusett Mt. へ。MITからI90を西に1時間半ほどバスに揺られて到着。ここはボストン近郊のスキーリゾートとして有名なようだ。夏の間は、車でも山頂へいけるが、1時間程度のトレッキングコースも幾つかある。山頂の景色は360度の展望。Wachusett Mt.自体はそんなに高い山でないが、ボストンの西はGoogle Mapで見ると平坦に森林帯が広がっているため、展望の抜けは抜群。あいにくの曇りだったが、天気がよければダウンタウンまで見えるらしい。ガイドと週末に行ったアパラチアントレイル話で盛り上がる。
アウトドア授業の趣旨は、夏学期の終わりにあたり、スタディグループでのリフレクション。6月にいかだ作り等でグループワークが始まって以来、宿題続きだった毎日を、一緒に乗り切った仲間とお互いに讃えあい、改善フィードバックを率直に語り合うことが目的となっている。うちのグループは最初の頃は何でも時間をかけて議論していたが、何となくNormが出来て、後半(H2)以降は、宿題を効率的に分担することが増えて、全員で集まる機会が殆ど無かった。このため、アウトドアで半ば強制的に振り返りの時間を設けられたのは良かったと思う。

2009年8月9日日曜日

Tanglewood Camping

今週末はTanglewoodへ。土曜の早朝ゴルフから帰宅して早々、キャンプ道具を車に乗せて出発。Tanglewoodは、東西に長いMA州をI90沿いにボストンからずっと西の端まで3時間、車を走らせたLeeという町の近くにあった。今回のキャンプサイトは、October Mountain State Forestという森の中の50張ほどのこじんまりしたサイトだが、水周りも綺麗だし、キャンピングカー向け設備がない分、静かで快適だった。Tanglewoodは日曜のYoyomaのチケットを取っていたが、火をおこして軽めの夕食を取った後に、Tanglewoodの夜間コンサートへ出かけることを思いつく。サイトから車で15分ほどで、芝生席は予約も要らず、一人$18。芝生の好きな所に、テーブルや敷物を持ち込んで食事とお酒を楽しんでいるグループが多かった。我が家も、現地調達したワインとサンドイッチで夕食にする。MAでは、このように芝生で自由に酒を飲めるのは珍しく嬉しかった。私は芝生に寝そべりながら聞き、声楽のソプラノが上手かったようで家族には楽しめたようだった。
翌日曜の朝は、Appalachian Trailへ。アパラチアン山脈沿いに南北に全区間は2000マイルに及ぶらしいが、トレッキング好きの我が家としてはその一区間でも歩いてみたくなるもの。車で未舗装道路を進み、Finety Pondに至るトレイルヘッドを見つける。往復2時間もかからなかったが有名なトレイルを一部走破できて満足。LeeのPrime Outletに立ち寄った後、またTanglewoodへ。今回の旅行のメインの目的である、Yoyo-Maのコンサート。曲目は、Shostakovich のCello Concerto No. 1。聞いた事のないメロディだったが、Yoyo-Maらしいチェロの響きが十分に感じられて良かった。彼の生演奏を見たのは初めてで、もっと静かに弾くイメージがあったが、実物はずっと情熱的な弾き方だった。2曲目は、これまた聞いた事のないThe Fauré Elégieという哀歌で少し重く感じだった。2日に渡りTanglewoodの夜と昼をのんびり楽しむいい旅行だった。

Golf Mt. Hood Course

2回目のラウンドは、Mt Hood Golf Courseへ。Melroseというボストンの北の方にあり車で30分ほど。予約をアレンジしてくれたボストンローカルの同級生とラウンドすることになった。ブルックリンと比べて距離はそれほどでもないが、コースがより狭く登り下りがある分、グリーンが見えないコースが多かった。ローカルの彼が、コースの攻略のポイントを教えてくれて、1打目をどこに落とすと次にいい方向でグリーンが狙えるとか、戦略的にコースを攻めるゴルフの楽しみを味わえた。もちろん、まっすぐ飛ばすのも距離感もままならないレベルでは、思い通りにならないのだが。特に今回は、打ちそこないやOBが減る一方で、グリーン際でのアプローチで打数を無駄に稼ぐのが多く、スコアも前回140台から今回151まで悪くなってしまった。人並みには程遠いが、130を切るのを目標に練習したい。

2009年8月7日金曜日

Thesis Theme

Thesisのテーマを考える為、先月から図書館で論文のcitationの孫読みに始まり、教科書やJournalを手当たり次第、眺めていた。広い海を当てもなく闇雲に漂うような苦しさが最初の数ヶ月続く訳だが、初めて取り組む分野での研究テーマを自力で発掘する為には、避けて通れないプロセスだと思う。研究に限らず仕事でも、人マネやメンターの言いなりでテーマを決めるのは楽なんだろうが、自分が熱意を持って取り組めない。今朝はある教授とアポがあり、アイデア段階のテーマ案について相談に乗ってもらった。仮説となる理論モデルと、メソッドについて色々とアドバイスをもらい参考になった。ここ数週間でアブストと研究計画書がドラフト出来たら、指導をお願いする教授の門を叩くことになる。引き受けてもらえるか分からないが。
夕方に、HBSの方にお会いして、ある日本企業のベストプラクティスについてヒアリングさせて頂いた。Operation Managementの授業でのプレゼンの準備に大変役立つ取材になった。Sloan Fellowsの同級生と学びを共有できればと思う。
日没までギリギリ時間がありそうだったので、新しいアイアンセットの試し打ちのため、ドライビングレンジへ。NikeのSlingshot 4Dという初心者向けのセットで、たしかに球が上がりやすくまっすぐ飛びやすい。明日のコースでのトライが楽しみ。

2009年8月3日月曜日

Media Lab - Prof. Pentland 講演

夏学期のランチタイムに、MITの工学系の教授がMITの最新技術を活かしたベンチャー事例を、Sloan Fellows向けに講演してくれる機会がある。パートナも参加可で、MITならではのアカデミックとアントレな雰囲気を一緒に体験できるように工夫されている。先週の化学系の教授は、おそらく形状記憶できる高分子の話だったと思うが、何が特徴的なのか専門外でよく理解できなかった。製薬業向けでこの不景気でもファンド集めに成功しているようだった。
さて、今日はメディアラボのProf. Alex (Sandy) Pentland教授による講演。Sandy教授は、メディアラボの中でも特に有名な方だが、特にセンサ・モバイル技術を活用して組織分析をする研究が知られている。講演も一般受けする内容で、モバイルデバイスを使って生活スタイルの動線分析をしたり、イベントでのネットワーキング活動の動線分析から起業家としての成功確率を推測するなど、初めて聞く人には面白い内容だったと思う。過去にSloan Fellowsがメディアラボの技術をベースに起業した事例もあるそうで、授業で取り組んだプロジェクトのうち、4つに1つが実際に起業に至っているというから凄い話だ。同様な技術を、災害対策に応用する事業が進行中とのこと。エコノミストのWeb記事はこちら。
http://www.economist.com/sciencetechnology/tq/displayStory.cfm?story_id=13725679

2009年7月31日金曜日

イタリア聖人祭

ボストンには、ニューヨーク同様に中華街とイタリア街がある。中華街は何度か行っていたが、金曜の夜に、初めてノースエンドのイタリア街へ。Saint Agrippinaという聖人のお祭りで、Hanover st.沿いに出店が並んでた。Saint Agrippinaは、Webによるとブロンド美人で皇帝に殺されて、シチリアに渡って聖人になったそう。たしかに、通りを練り歩く神輿の中のご神体は、若い女性の感じだったかな。
http://www.saintagrippinaboston.com/
夕食は地球の歩き方にも出てるDaily Catchで、Homemade Black Pasta (イカ墨パスタ)と、ムール貝の蒸し物(シシリア風で、レモンの酸味がバターと合って美味しい)などを頂く。これまた定番らしいMike's Pastryでケーキ3点を買って帰った。地下鉄で街中に出かけたのは久しぶりでたまにはいいかな。来週末は、タングルウッドにYoYo-Maのショスタコービッチを聴きに行く予定。YoYo-Maは小さい頃から好きだったので、生演奏を聴けるなんて一生ものの楽しみだ。

Brazilのエタノール

15.778 Operation Managementでは、多数のVisitor Speakerセッションがある。一人目は、ブラジルのエタノール製造会社で、サプライチェーンを統括するマネージャ。前日深夜にブラジルから到着し、午後には帰国するという超短期滞在での講演。同社は、エタノールの製造から物流まで一環して担い、ブラジル北西部を主産地とするSugar Cane, Corn等の原料の調達から、サンパウロ等の国内消費地への陸上物流、さらには米国への海路での輸出まで、その現在の課題を語ってくれた。エタノールと言えば、アジアや欧州では馴染みが薄いが、南米・北米では環境にやさしい自動車燃料としてガソリンの代替(混合)が期待されている。自動車側とガソリンスタンドのインフラの対応が必要で、アメリカで私の知る限り、E10(10%混合)は中西部からテキサスでも散見される程度で、混合物と気づかずに入れてしまうことが多いことを差し引いても、普及度は今ひとつの印象だった。ハイブリッド等のEV、燃料自動車と競合しながら、需要を増やすには、やはりコストが重要になりそうで、そのために、効率的なサプライチェーン構築が急務とのこと。ブラジルでは既に相当な割合で普及しているようで、国内の生産地から需要地へパイプラインを建設する計画もあるそうだ。エタノールにパイプラインとは大げさな印象だったが、ブラジル国内の道路インフラ不足は深刻なようで、複数の生産者と共同であればペイするレベルらしい。輸出に伴う海外輸送でも同様で、ブラジル側の港湾インフラが不十分なのと、石油とタンカーを相乗りできない分、経済的でないらしい。日本では、エタノールの輸入を、別のブラジル企業と、双日が手がけている。
http://www.business-i.jp/news/special-page/jidai/200907290002o.nwc

2009年7月25日土曜日

Golf Brookline Course

SFの日本人同級生の方が主催されたゴルフコンペに初参加。ブルックリンにあるPutterham Meadowsというpublic courseを回った。場所もケンブリッジから30分かからない便利さで、市が運営しているためか、週末でも$40で電動カート付と格安。18ホールを、1打目は3番アイアン、それ以降は7番でひたすら刻んでいき、進行の足を少しでも引っ張らないように走るが、同グループの方に配慮いただき十分に楽しめた。これから夏の間は、月1,2回のペースで行けたらなと思う。待望のマイクラブは、Nikeのアイアンセットと諸々一式を、Amazon.comとtgw.comでオーダ。

2009年7月23日木曜日

15.414 Financial Management

Financeの基礎を、Andrew Lo教授が教える。Andrew Lo教授といえば、Finance Engineeringのスーパースターであり、第一人者からFinanceの基礎を学べるのは、Sloan Fellowsの特典の一つでもある。有名教授でも教え方がうまいとは限らないが、教授の授業はコンセプトにフォーカスしながらも、背景となる統計や数式の考え方をしっかり解説している。教授いわく、Sloan FellowsのクラスはRegular MBAと比較して、質問が多いのが特徴で、教える側も一緒に学べるから好きだ、とリップサービスも忘れず、Fellowsでの人気も高い。このクラスは、債権の金利構造に始まり株式から派生証券の価格付け、ポートフォリオ理論までFinanceの基礎をカバーする。時折、教授自身が作ったヘッジファンドでの運用について、さらりと触れるあたり、奥ゆかしさもある。宿題のワークロードも、Summer H2コア科目の中では比較的高い。
今日は、トレーディングルームで、株式取引シミュレーションゲームを行う。後半のMarket Efficiencyの講義に対する伏線とも言えるシナリオで、市場にリークされたプライベート情報が株価にどれくらい速く織り込まれるかを実験するものだった。実際に参加してみると、自身の情報と市場の値動きから理論株価が定まるはずなのは分かっても、値動きが合理的でなく理論株価に収束しなかったため、安く買い高く売るを繰り返して値鞘を稼いだチームが一番、儲かっていた。この結果が、市場参加者が極端に稚拙だったためか、Efficient Market Hypotheis (EMH, 効率的市場仮説)が本当に間違っているためかはさておき、Financeバックグラウンドのない人には、市場取引の雰囲気を味わいながら、市場の効率性について考えるいいきっかけになったと思う。当日にメディア(WSJ?)の取材が来ていた他にも、つい先日のFinancial TimesのMarket欄では、Andrew Lo教授のコラムで、教授自身が提唱するAdaptive Market Hypothesis (AMH, 適応的市場仮説)が紹介されていた。AMHに従った市場像は、特定の取引パターンを持つグループの環境適応、自然淘汰の繰り返しになるとされ、金融危機のアノーマリの昨今にあって、学説自体も時流を得ているように見える。EMHに対して星の数ほどある投資手法の有効性を実証する論文には、絶えずデータマイニングを疑う反証が付きまとう一方で、AMHは仮説自体が定量的でなく反証が難しいのがアクティブ運用関係者にウケるポイントか。

2009年7月22日水曜日

15.778 Mgmt of Supply Networks for Products and Services (Operation Management)

H2のコア科目がスタート。Operation Managementの授業は、Bitran教授がSupply Chainをテーマにした7つのケースを教える他、Visitorのプレゼンが多く入っている。明示された教科書やフレームワークが無く、レクチャーが少ない分、ケースへの取り組み方が大きく学びを分けそうな授業だ。
初回は午後いっぱいをかけて、Beer Gameというサプライチェーンのシミュレーションゲームを皆で行う。Beerを模擬したコインを、直列4型(工場、販社、卸、小売)で流す。各段階の間に発注から配送まで4期(週)のかなり長いレイテンシを持つのが特徴。在庫と在庫残不足(Backlog)のコストをネットワーク全体で最適化したチームが勝ちという情報は与えられるが、チーム内でゲーム中に戦略を話すことは禁止されている。ここまでがルール。私は製造業なので、在庫管理は専門ではなくても、実務で不良在庫を作った苦い失敗経験を人並みに持っているが、ゲームでは経験が全く役に立たなかった。今回のゲームは、ビールという需要変動が激しい商品で配送レイテンシが長い分、ウィップ効果が大きいと予想できた。そこで、小売、卸、販社のメンバとは、出荷量と発注量を常に一致させる単純戦略を取ろうと話をした。ただ、いざゲームが始まってみると、Backlogに慌てた最上流(工場)のメンバが発注をバッチ的に増やして、一瞬で相当な在庫を抱えてしまった。上流ほど安全在庫が多くなるのが一般的ではあるが、どうも彼女は在庫=コストという視点が薄く供給目標の推測を放棄してしまったようだった。自分が最上流でPlayすべきだったと気づいた時には、時既に遅かった。
ゲーム後のレクチャーは中々面白かった。実は需要は常に一定だったと知らされたり、チーム内での心理学的要因(チームゲームと分かっていても自分の役割にフォーカスしがち)の解説がとても示唆的だった。メーカとしても、需要予測の精度は、短期の生産計画だけでなく長期の設備投資を適切に計画する上でも重要だが、色々な思惑が働いて精度が上がらず、その結果が分かる数年後には誰が責任を取るのか分からず、反省されることも無いという指摘には、耳が痛い。このゲームはSloanのSystem Dynamicsチームが作って以来、結構頻繁にやっているようで、よく練られたゲームだと思った。特に、カジュアルにやらせようという配慮が随所に見られ、本気でビジネスゲームとしてやるとストレスが大きいためらしい。

2009年7月20日月曜日

Golf shopping

またゴルフの話題。週末にコンペに初参加予定で、妙にやる気が出る。韓国人の同級生達もゴルフの話題となるとランチでもメールでも話が止まらない勢いで、待ちきれない様子だ(と勝手に解釈)。学校が終わってすぐ、ダウンタウンのゴルフ専門店へ。Webで調べる限りでは、専門店はボストン市内には"Leeder Board Golf"の一店舗しかなさそう。平日6時までしかやってないので、なかなか行くチャンスがなかった。Sloan 101のページでは以前は3つほど同様な店があったようだが、2つは閉店してしまった模様。車でも行けるが、チャイナタウンにも寄ろうと思い、たまにはTに乗ってSouth Stationへ。ゴルフ用具は全く詳しくないが、たいていのブランドは揃っているようで、Callaway, Nike, Mizuno, Adams, など色々。試打スペースもある。中古は扱っておらず、新品のみ。アイアンセットだけでCallaway 8 iron setsで$500~で、全てそろえると$1200-$2000くらいか。払えない額ではないが、腕に不相応にいい道具だけ持つのは恥ずかしいので、同級生のアドバイスもあり、しばらくはレンタルか入門セットで続けて、自分に合うお買い得品をじっくり選ぶことにしようと思う。COSCOでなら入門セットが$150~売っているそうだ。店員さんは売る気がない素っ気無い対応だったが、中古セットはどこで買えるのか聞いたら、Callawayの official preowned siteを教えてもらった。古いモデルは結構お買い得のようだ。細かいスペックの見方が分からないので、近いうちに同級生に聞きながらオーダするかもしれない。
http://callawaygolfpreowned.com/

2009年7月19日日曜日

Cape Cod camping

Cape Cod へ一泊2日のキャンプへ。3日間のんびりするつもりが、2日になり駆け足になってしまった。キャンプサイトは、Nickerson State Parkへ。500張近い大きなサイトだが、美しい湖を囲む森の中の人気のサイトでずっと空いてなかったが、数日前に運よく予約が取れた。ボストンからNickersonまでは、車で1時間半くらい。テントを張って、早速でかけることに。Cape Codはアクティビティが充実していて、海のスポーツはもちろん、サイクリングやトレッキングコースも様々にある。今回は、ビーチ巡りとトレッキングを楽しんだ。時間があればサイクリングやホエールウォッチングも行きたかったけど。ビーチ巡りは、今週末は駐車場代が無料(通常$15)だったので、短時間で色々見ることができた。

(1)ビーチ
Coast Guard Beach, 全米No.9に選ばれたビーチ(ちなみにNo.1はハワイのハナウマベイ)。目の細かい砂浜で水質も綺麗で、波が結構あったのでボディボードにうってつけのようだった。ここだけは途中の駐車場からシャトルバスでビーチへ。
Marconi Beach, 遠浅が広く続くビーチ。特に干潮に近い時間帯だったこともあり、20-30メートル沖までひざ下の浅瀬が続き、子供連れには遊びやすいビーチ。
Race Point Beach, Provinceの先端にあるためか、水は一番綺麗。ただ、少し沖にでるとすぐ深くなるので、あまり泳いでいる人はいなかった。
Herring Cove Beach, 駐車場の目の前に横長くビーチが続く。水は綺麗だが、波打ち際が小石状のため、エントリー時に少し痛い。
これらの他にも、海岸がずーっとビーチになっているので、少し離れればほぼプライベートビーチになる。

(2)トレッキング
Atlantic White Ceder Swamp Trail, 45min, 白砂の植生の道を進んだ先に、Swamp(沼地)がある。イメージはナウシカの腐海の森。コケ蒸した渋い沼地で生物はいないようだ。(New Orleansの近くにずっと大きいSwampがあり、そちらは野生のワニが所々に)
Great Island Trail, 4 hour, Gutと呼ばれる内湾に砂浜とSalt marshという低草植物の美しい景色が続く。さらに進むとHillから海を臨むビューポイントや、満潮時には沈む細長い砂地が続く。(日没近くBBQの時間を残す為、途中で撤退。)
Hatches Harbor Trail, 2 hour, Dikeと呼ばれるこれも満潮時には沈むMarshな道を抜けて、Race Point Lightまで海岸を進むトレイル。(蚊の大群に襲われ、やむなく撤退。長袖・長ズボン推奨。)
Wood End Light Trail, 2 hour, 6Aのロータリに車を止めて、巨石で作られたDikeを進む。長く続く海の道を歩く楽しさがあり、気が向くままに途中で海に入って歩くこともできる。浅瀬を進むと、カニや小魚の群れがいっぱいいる。灯台まで進むとビーチがある。

2009年7月17日金曜日

Energy VenturesのInterview

秋の選択科目のうち、Energy VenturesはBiddingではなく書類審査。履歴書と希望理由等のShort Essaysを書いて送っておいた。Sloan Fellowsは毎年3-4人ほどらしいが、17人も応募したそうで、教授のInterviewまでやることになった。選択科目の履修で教授がわざわざInterviewまでやるのは稀だと思うが、人数枠を増やせと皆でメールしたのもあって、一応の配慮を見せたという感じか。H1後の4連休の真ん中にInterviewが設定されてしまい、家族には申し訳ないがキャンプの日程を短縮することに。何社も起業に成功している教授とのInterviewに備えて、Ventureのアイデアのピッチを練習したりして臨んだが、本番では気合が完全にカラ回り。Prof. Auletに会えることを楽しみにしていたが、別の教授で全く興味を示してもらえなかった。他の日本人の方も手ごたえが薄かったそう。私が履修できる見込みは低そうだ。

2009年7月16日木曜日

Golf Course デビュー

H1とH2の間に4連休。ショートコースだが、待望のコースデビューを果たす。朝イチでMIT Gymのゴルフレッスンを受けた。妻と二人でプライベートレッスンで$80/hour。クラブの握り方から、アドレス、スイングの基本まで習う。やさしい先生で分かりやすく、実際に振るまで1時間かけてじっくりと基礎を教えてくれた。自己流で再現性のない振りをあれこれ試していたが、さっぱりダメだったので、レッスンは非常に役に立った。
午後に、日本人の同級生の方とともに、また、Lexingtonのドライビングレンジへ。初心者の私に配慮いただき、ドライビングレンジと超入門用の短いショートコースがあるということで、ここにまた来た。あれこれ試しているうちに、あまり全身を使わず手打ちでまっすぐ飛ばすコツが分かったような気がした。ショートコースの方は、コースが短すぎて(最長100yard)コースデビューとは本当は言い難いが、少しづつ距離感もつかめてきて楽しかった。

2009年7月13日月曜日

Bidding の結果

秋の選択科目のBiddingの結果発表。無事、Bidした3つとも取れた。G-Lab Asia (bid 998pt), New Enterprises (bid 1pt), M&A (bid 1pt). Bid前日にWebサーベイで匿名でBid予定科目をシェアしたところ、Early Stage Capital, Managing in Adversityあたりが2~3倍近い倍率の人気で、G-Lab Asiaも定員8に対して10人希望を出していた。秋学期の人気科目のうち、Sloan Fellows向けに決まった数の席が確保されているものがあり、これらはSloan Fellowsの中でのAuctionになる。結果的に、G-Lab Asiaは900pt bidしても取れなかった人もいて、彼も中東に興味があって誘っていたのに残念だった。

2009年7月12日日曜日

15.024 Applied Econ for Managers のTakeaway

H1コア科目のミクロ経済の学びについて。大学の教養レベルで学ぶ内容とほぼ同じで、労働・生産曲線をカットする代わりに、移転価格(Transfer Pricing)を取り入れた内容だった。移転価格を取り入れたのは、マネージャの視点で大組織での意思決定の分散化を支援するツールとして役立つという趣旨だった。授業の評価を同級生に聞いてみると、日本の大学での講義よりも分かりやすかったという人もいれば、黒板をノートに取るのに忙しくて話を聞きそびれることが多かったという返事もあった。グループディスカッションでは、一つは前に書いたアルミ生産の限界での判断と将来需給で、後半にはGE vs WestinHouseを例にDuopolyの価格形成とゲーム理論がテーマだった。後半のケースは、分析アプローチの自由度が高かった為、しっかり価格形成のテクニカル分析をするグループもあれば、ゲーム理論は非実用的と決めて価格競争の独自の議論を展開するグループもあった。私の出身業種での経験では、世界的なプレーヤが2,3社に限られている商品については、実際のところ、ゲーム理論が当てはまる上に価格やCapExの報道発表の空中戦も珍しくない。
私にとって一番のTakeawayは、グループワークの議論をリードする中で、理論の実用的な意味や適用の限界を一緒に考える機会に恵まれたことだ。10年前に大学で学んだ時は、単に問題が解けるという意味での学びだったのに対して、今回は、学問的なフレームワークに懐疑的な同級生を説得する過程で、限界費用算出の恣意性や価格収束のシナリオについてよく考えさせられた。私には、エンジニア出身の典型的な問題点として、Task oriented過ぎたり、問題を複雑に考えすぎる傾向があることを、よく自覚させられた。

2009年7月10日金曜日

15.809 Marketing Management のTakeaway

早いもので、H1の4つのコア授業も今週でほぼ終わり、来週のFinal Examを残すのみになった。それぞれの科目について何がTakeawayだったか、忘れずに書き留めておきたい。まずMarketing。夏のコア科目の中では、もっともソフトで掴み所の難しい授業だった。前半は何度か手を上げて発言を試みたものの、後半は正直言うと流し気味で、ケースの読み込みとグループディスカッションが浅い時に限って、コールドコールされてしまった。ケースのQ&Aの半分近くが、B2Cコモディティのチャネルについてだった。商社の方によると、実務に近くて理解しやすかったそうだが、私はB2Bで既定のディーラやレップとしか仕事をした経験しか無かったので、戦略的にチャネルを構築するというセンスに欠けていた。グループの中にセールス畑が二人いたので、レポートでは彼らの直感的な視点に助けられた。授業でも、地域別や製品別のチャネル戦略や、お金のにおいがし始めた途端にチャネルとメーカで何を揉めるか、もう少し突っ込んだ議論の展開までは至らなかったのが惜しい印象。スローンのマーケティングは、他に比べるとイマイチ感があるので、選択科目でももうマーケティングのクラスを取ることはないだろう。
では、Takeawayとしては、Duncanには申し訳ないが、ゲスト講師のMark Ritsonのブランドの講義とケースが一番良く構成が練られていて明確な学びがあった。B2C財では当たり前なのだろうが、商品ではなくブランドを消費する感覚に始まり、ブランドとメッセージ・ストーリとの関連付けの重要性、ブランドを維持する難しさとそのためにしてはいけないこと、等をテンポの良い授業進行でしっかり掘り下げて教えていた。Snappleをケースに、売上が激減したブランドの価値を再構築するための方策を授業中に考えるという設定でも、ブランドの歴史を省みることの重要性を皆が自然と考え至るように授業の流れがよく工夫されていた。GM倒産までブランドマネジメントの失敗に関連付けていたのはご愛嬌だが、一つの視点で物事を水平的に仮説を立てるのも面白いアプローチだ。MBAの授業全てはこのレベルの構成と密度を期待していたが、Markの授業と比較するとSloan Fellowsのコア科目はややクラシックな印象がある。

2009年7月8日水曜日

選択科目Bidding

今日がBiddingの締め切り日だった。Sloan Fellowsは夏学期は全部コアで、秋学期は選択科目が2、3科目取れる。基礎的なコア科目に少し飽き気味な時に、より実践的、専門的な選択科目を選べるとあって、みんなの格好の話題になっていた。MITでは、クレジット数を単位に履修できる授業や卒業に最低限な単位を管理している。Sloan fellowsの秋学期は、24 Credits。学期の半分で終わる6 CreditのLecture中心のクラスから、Labなどワークロードの重いクラスは12 Creditのものもあり、看板のG-Labは秋に続いて1月のIAPまで続く。選択科目の希望は、Biddingといういわゆるオークション。各自1000pointsの持ち点を、希望科目に割り振る。人気科目はBiddingしないと履修できない可能性が高いが、空きのある科目は最初の授業を見学してから履修またはdropを決めてもいいので、Biddingは実質的には人気科目に限ったものとも言える。
さて、入学前の予定では、ThesisをIAPで書くのと、HKSの授業を秋で取ることを優先目標にしていたが、いずれも結論を出していないので、それらがないことを前提に、選択科目にBidすることにした。私の興味分野は、Entrepreneurship, Finance, Operationの3つ。

(1) Entrepreneurship

Bid外のEnergy Venturesに加え、G-Lab, New Enterprisesの2つにBid.

15.366 Enegy Ventures (W. Aulet, etc.)
Energyに特化したProject型コース。Renewable Energyなどで数々の起業の教授陣の下で、3-5年後くらいの事業化を想定したEarly Stageのプロジェクトを、SloanとEngineeringの学生で一緒にやる、非常に人気の高いコース。Biddingと別枠でApplicationで教授がセレクトする。このApplicationについては別途。

15.369 Corporate Entrepreneurship (V. Livada)
大企業の中での新規事業立上げに関わるケースを扱い、企業派遣の日本人に特に人気が高い。私も出発前に授業リストを見せたときに、これを取ってきたらと言われたほど。残念ながら、今年はEd Robertsが休みで代わりの教授数人の交替で運営されるため、学びが薄くなりそうなので履修見送り。見学して気に入ったら、たまに聴講するかも。

15.371 Innovation Teams
これもEngineeringの学生と一緒に、Projectを進めるコース。Sloan Fellowsは残念ながらスケジュールが合わず、秋は履修不可。春にまた考える。

15.387 Technology Sales and Sales Management (H. Anderson, etc.)
いわゆる技術営業を実践的に教えるもので、人気が高い。特にハイテクの技術営業は、技術に習熟しつつ、Tier1の顧客を説得するためのプレゼンテクニックを合わせ持つ必要がある。ここ数年の仕事でやってきたので、スキルに磨きをかける意味で興味があったが、新しいことにチャレンジすることを優先して、履修見送り。

15.389 Global Entrepreneurship Lab (G-Lab)
Sloanの看板ともいえるG-Lab。Section別に、Latin, Asia, GHD(Africa)と分かれる。ヨーロッパに興味があったが、メールで教授に問い合わせると、Developping Countriesにフォーカスするため、Europeは2007年以来、やっていないとのこと。代わりに、トルコと中東2カ所を追加することに最近決めたとのこと。中東か中国には興味があるので、G-Lab AsiaにBidすることに。

15.390 New Enterprises (H. Anderson)
100K起業コンテスト向けに、アイデア出しから資金計画、製品化計画までのフレームワークが、ツール化されており、それを活用に実際にコンテストに出せるようなプランをチームで練り上げるもの。アントレをツールとして学べることから、知識として身につくことを期待して、Bidすることに。

15.399 Entrepreneurship Lab (E-Lab)
G-Labの短期国内版。G-LabがIAP期間に海外に行くのに対して、E-Labは学期の授業の合間に米国内企業のコンサルプロジェクトを行う。特にBoston周辺の起業家と人脈が出来る点がポイント。G-Labと迷ったが、どうせならプロジェクトを3週間集中してやった方が得るものもあるだろうと見送り。

(2) Finance

結局、M&Aの1科目にBid.

15.402 Finance Theory II (N. Bergman)
Financeバックグラウンドの無い人でも、体系的にFinanceを学びたい人向けで、教授の評判も頗るいい。しっかり履修してワークロードをこなしたいところだが、最悪聴講できることを期待して、Bid見送り。

15.434 Advanced Corporate Finace (S. Dinc)
Real optionやValuationをレクチャとケースで学ぶクラス。実務でM&A関連に進む可能性もあり、組む投資銀行側での評価方法をしっかりと見るためのスキルが身につくことが期待される。Valuation手法そのものは教科書でも何とか勉強して次のM&Aのケース主体の授業をとることにして、Bid見送り。

15.545 Margers and Acquisitions (S. Dinc)
M&Aの戦略判断をケースで学ぶクラス。どうもPre-requirementが不明で、SESに聞いたらSloan Fellowsの夏のコアだけでOKとのことだが、去年のシラバスでは、Finance IIが必須とある。同級生が教授にメールしたら、Financeバックグラウンドの無い人はFinance IIを取れとの回答だった。私は科目数オーバでFinance IIが取れないが、M&Aは秋しかないのでとりあえずBidした。

15.569 Leadership Lab (P. Senge)
Peter Sengeが教えるL-Lab. 昨年始まったばかり。IAPのプロジェクトにローカル企業もある点に魅かれたが、始まったばかりのコースでいまいち内容が分からなかったので、Bid見送り。

(3) Operation

15.768 Management of Services (C. Fine)
Operationのサービス業版。ケースに比較的新しい企業を盛り込んでいて、Google, iPhoneのハイテクに加え、Zipcarなどなかなか新鮮。私は製造業なので、どちらかと言えば、15.769へ。

15.769 Operation Strategy (C. Fine)
Sloanのもう一つの看板といえばOpeiration Management。特に、製造業出身の私には実務にも関係が深く、扱う業種やケースのリストも古典的ながら深い学びが期待できそうだ。これも履修を最後まで迷ったが、秋はアントレに集中し、春にOperationを取ることを想定して、今回はBid見送り。

15.912 Technology Strategy (J. Davis)
Operationに近いが、より純粋にハイテクの技術戦略を扱っていて、これも私の仕事に近い。選択科目オーバでBid見送り。

(4) その他

15.615/616 Basic Business Law (J. Akula)
米国企業でマネージャとして勤める上で必要な法律知識を学ぶ。聴講予定。

2009年7月5日日曜日

チャウダーフェスタ

ボストンの食べ物といえば、ロブスターとクラムチャウダーが名物らしい。ロブスターは、まだ本当に美味しいものに当たったことがないが、クラムチャウダーはウェスティンホテルが断然美味しかった。クラムの味が濃厚で、チャウダーも野菜の甘みとクラムのダシがよく効いていた。お値段もそこそこだが。
さて、クラムチャウダーフェスタという、年に1度、ボストン中のレストランがクラムチャウダーの味を競うイベントがあって、行って来た。10店舗くらい出店していて、アドミッション$10だけで、ティスティング風に小さいカップで全てのお店を何度でもトライできる。カップは小さいが、全部回るとおなかは十分。最後に自分の好きなお店に投票して帰る。期待のティスティングについては、クラム自体の味は普通だったものの、チーズ風味、コショウ風味とお店によって味が違うし、セロリがやたらと多い店もあって、レシピに各店独自の工夫がある。チャウダー味に飽きてきたころに、タバスコを少し入れると、味にコクが出て変化を楽しめた。飲みながらなら、このアクセントもいい。人気コンテストの結果は下のURLで。
http://www.bostonharborfest.com/chowderfest.html

2009年7月4日土曜日

Independent Day

アメリカの独立記念日。ボストンは、アメリカ独立の舞台の中心ということもあり、盛大な花火で記念日を祝う。数日前からチャールズリバーの真ん中に花火台とおぼしきプラットフォームが浮かび、家からよく見えそうと期待していた。花火は夜からなので、朝はゴルフ練習場にレキシントンへ。超初心者でスポーツ苦手のため、未だに球がまっすぐ飛ぶことは稀。日本人の方に教わりながら、軽く100球くらい振る。100球10ドルだから、なんと安いことか。パー3のショートコースもあるので、次に行くとき、そこがコースデビューになりそう。前回の駐米時は米国南部に3年もいたのに、とうとう最後までコースに行かなかった。ボストンは秋までの短い期間だが、かなり高いプライオリティで、ゴルフを覚えたいと思う。
午後は、ロングフェローブリッジ~対岸~ハーバードブリッジのいつもの散歩コースへ。対岸にはTV中継もされる屋外コンサート場が設置され、歩くも大変なほどの人だかり。この時期はボストンの人口が2倍になるというのも納得。十分疲れたところで、スローンのコミュニティパーティへ。家族連れのパーティで、奥様友達が増えてお互いの家を行き来していることもあり、だいぶ皆と馴染んできた。
いよいよ花火の時間は、家のリビングでゆっくり鑑賞することに。打上げ台を見下ろす高層階で見晴らしがよく絶好の鑑賞ポイントだった。

2009年7月3日金曜日

Fenway - Redsox vs. Mariners

3連休の初日。ブラジル人のG一家をお招きしてランチ。彼には、オリエンのときからブラジルのメディア業界や国のことを色々と教えてもらっていて、じっくり話したいと思っていた。彼を含めて、MBAやMiFを一度取っているメンバには、コアの授業はやや退屈のようだ。業種は私と違うが、大企業からの社費派遣で課題も共感するところも多い。彼が住んでいたブラジル南部のポルトアレグレも全く地域のイメージが分からなかったが、アルゼンチンに近く、逆にサンパウロやブラジル北部とは同級生の顔を思い浮かべてみると、少し文化的にも違うのが分かり始めてきた。ちょうど選択科目のBidding中で、色々情報交換できたがFinance系を幾つか一緒にとることになりそう。
夕方から日本人メンバでFenwayパークへ。Redsoxの対戦相手のシアトルマリナーズのイチローと岡島がお目当て。イチローは、全米の色々な球場で見るチャンスがあった。ちょうど昨年の夏、1泊3日のシアトル出張中に仕事の縁でSafeco FieldのBox席で観戦できた時は、調子もよくてたしか5打数3安打。今回は5-1でいまいちだったけど、試合は延長まで行って面白い展開だった。岡島は投げなかったが、ブルペンで球の走りを見れた。隠れYankeesファンとしては、次は松井の応援に行きたい。

2009年6月27日土曜日

選択科目

夏学期前半(H1)も中間点に。来週から秋学期の選択科目のBidが始まるので、今週末は、Thesis準備のための論文読みと選択科目の調査を行う。選択科目の検討では、MBA2年生の日本人の方に、Bidのコツやお勧め教授を解説いただいた(Cさん、有難うございました)。スローンの看板であるFinance, System Design, Operation Mgmtあたりは、しっかりとしたカリキュラムといい先生が揃っているようだった。もう一つの看板であるE-Lab, G-Labも、最近気になり始めている。プロジェクトやメンバに依存するリスクがあるが、コアの授業を受け始めると、ハンズオン型に比重を置いた方が良く思えた。Labを取るとThesisが書けなくなる。マーケティングの授業中に、教授のDuncanは、Thesisは勧めないと言っていて、理由の一つはよく言われる、他の選択科目が取れなくなる点だが、もう一つ彼がきつく言っていたのは、過去の論文の出来が必ずしも良くない点だった。Ph.D保持者など過去に研究実績がある方でも、数ヶ月の短い期間と忙しい授業の合間に価値のある論文を書くのは難しいとのこと。これは私も研究の仕事を離れて早7年になり、自信がない点である。ここ一週間で考えてみたい。

2009年6月26日金曜日

Sailing再挑戦

今週は、スタディグループが少なく早く帰れる日が多かったがあいにくの雨続き。金曜の授業と宿題が終わった所で、セーリングへ。家から川を眺めると、ヨットの数も多くwindyで良さそう。2回目だったが、ロープワークをすっかり忘れている。結局、ショップの人に準備を助けてもらって、いざ出帆。Webで風向きにあわせた進み方のコツを読んでいたので、風と45度~90度になる感じでスイスイ進む。最初は走っていたが、途中から凪いでしまい失速。進まないヨットで呆然とする自分を横目に、カヌーやモータボード、遊覧船が駆け抜けていく。やはり風上を向くターンは練習してもうまくできなかったが、まぁいいリフレッシュになった。ふわふわ浮かぶ感触が、シュノーケルでボーっと浮かぶのに似ていて、嫌いではない。帰りにMuddy Charlesに寄ると、まだ同級生達が飲んでいた。台湾人のSがちょうど帰るところで妻を紹介。Sは、銀行家で大学院でも経済を専攻しており、スタディグループは違うが最も頼れる勉強仲間。授業のあとで分からなかった点を質問すると、ポイントをついて教えてくれるし、仕事をすぐ片付けようとする性格が似ているせいか、宿題が出た翌日には答え合わせを確認できる。彼女に限らず、銀行出身の同級生とは、自分の職業柄の真面目さとタスクオリエンテッドな点がウマが合う気がする。

2009年6月24日水曜日

15.809 Marketing Management

夏学期前半のコア4科目の最後は、マーケティングの基礎。Duncan Simester教授が、レクチャーとケースを交互に進める。レクチャーで教えるフレームワークは、いわゆる5 fourcesとか4Pとかではなく、教授独自のもので、きわめてオーソドックスなもの。豊富な実例を元に学生自身に考えさせながら身につかせようという趣旨が感じられる。3週目までの感想としては、フレームワークがシンプル過ぎる印象があったが、Vertical competition(販売チャネルとの競合)といった初めて学ぶものはシンプルな分、理解しやすく、応用も効きそうだった。
今日は、Product Designをテーマにしたゲームを行い、顧客からの商品へのフィードバックの重要性を学ぶ。3人一組のゲームだったので、シンガポール出身のSと組み、前日に夕食に招いて作戦を練る。大人数で集まるパーティも楽しいのだが、突っ込んだ話をするには少人数をお招きした方がいい。彼は国から派遣されているだけあり、将来の頭脳資本に集中投資するシンガポールと、高齢化に備えて社会資本の充実を図る日本の基本的な政策の考え方の違いについての話は、頷けるものだった。さて、当日のゲーム自体は、予想が当たり、Utilityデータを元に商品の仕様を選んで利益を最大化するものだった。予想がはずれたのは統計手法が有効でなかったこと。相関を取って、嗜好が重ならない仕様の組合せを求めようとするも、データ間の相関は一部を除きほぼ完全にランダム化されていることが判明。ここで、彼と私はギブアップ。もう一人のメンバが、データを色々と変えて出した答えを提出した。授業の解説でも、ランダムにシミュレーションする方法が正解で、フィードバックの重要性を経験させるものだった。シミュレーション自体は立派なエンジニアリング手法だが、そのコストや最適解すら推測できないといったダウンサイドの解説が無い上に、教育目的とはいえやや不自然な問題設定が残念で、Sとも顔を見合わせることに。どうも先週のブランドの授業然りリーダシップの授業も同様に、ソフトスキルの授業はメッセージが単純化して善悪を決めるアメリカ型教育は、性に合わない気もする。

2009年6月20日土曜日

Sushi Party

スシパーティを日本人数名で企画。家のリビングに何人はいるか心配もあったが、立食で20~25名くらい来ても大丈夫だった。ここのアパートは、テキサス駐在時より一部屋少ないが、オープンカウンタとでっぱりのないリビングルームは、パーティに重宝したので、同じような間取りにしておいて良かった。同じアパートの同級生や、スタディグループの仲間とスシをつまみながら話をする。スシパーティにわざわざ来るくらいなので、日本食はみんな好きらしい。Genki Sushiのケータリングは、結構いけた。こんど、少人数のお客さんを呼ぶときは、巻物の巻き方とかを実演すれば楽しそう。
家を片付けた後は、夜に日本人のお仲間でチャイナタウンへ。Hei La Moonというお店で、中国人の結婚式をやっててちょっと覗けた。中華は人数が多い方がやっぱり楽しい。飲茶がおいしいらしいので、また週末に行ってみようと思う。

2009年6月18日木曜日

15.024 Applied Econ for Managers

ミクロ経済学の基礎を、Thomas M Stoker教授が教える。大学の教養レベルで、需要・供給曲線から、独占市場・価格形成、ゲーム理論まで幅広くカバーする。経済専攻の同級生も多いので、このクラスも前提知識にかなり幅のある授業だ。渡米前に、クルーグマンの分厚いミクロ経済学の教科書を日本語でざっと読んでいたのがかなり役に立っている。授業は王道とも言える進行だが、既習者と話すと、価格形成をきちんと説明せずにMC=Pでずっと進行していたのが違和感があったようだ。規模の経済性を追求する業界の私には、MCが数量で逓増するのが全くしっくり来ないのだが。3週目でようやく独占市場や価格差別の話に入っている。
最初のグループワークは、アルミの工場建設のケースで、需要・生産曲線を元に中期的な価格動向を推測するもの。だいたいのグラフとプレゼン資料をドラフトしてあげて、あとはグループのメンバに適当に議論させる。限界コスト(MC)の概念がピンとこないメンバが多く、石油採掘や色々な例で何度も説明するも理解が怪しそうだ。ところで、他のグループの発表を聞くのが面白かったし、発見があった。現在の需要・供給曲線と需要予測から、中期的な価格の傾向をどういったロジックで導くか、実は結構難しいのだ。6グループのうち4グループは供給・需要曲線を統計予測と整合を取るようにシフトさせた。そのロジックがグループによっても少しづつ違う。教授の解説でも同様だったが、価格弾力性が小さい場合は需要予測の統計値がうまく当たるが、そうでない場合、需要予測に価格予測が織り込まれていると考えるかでその使い方が変わってくると思う。

2009年6月14日日曜日

チャールズリバー・セーリング

ケンブリッジからビーコンヒル方面にチャールズリバーを望む景色は、早朝から日没まで刻々と川面と丘の緑のコントラストが変化して美しい。夕方や週末には、カヌー、ヨット、モータボードの動きのある景色も見飽きない。MITの関係者なら無料で乗れるセーリングクラブがあると聞いていたので、日曜の朝から行ってみた。コースを受講すると、次からはいつでも(夏だけだが)乗れるとのことで、時折、小雨もぱらつく中、日曜の集中コースに参加した。昨日、バーからタクシーに同乗して帰った同級生2人も眠そうだが、一緒に参加。ロープワークに始まりヨットの走らせ方を講義で聞いて、いざセーリング開始。なかなか難しく、思いどおりの方向に進んでくれない。風上を向いて失速すると、悲しいかな、自分ではどうしようもなくなる。そんなヨットを見つけて、モータボードでインストラクターが近くに来てくれて、あれこれ指示してくれるとおりに直すと、スイスイ風を受けて進むから不思議。途中から何とかスムーズなターンはできるようになったが、また今度やってうまく出来るかは微妙。また何度かトライしてみたい。下の写真は、スローンの現在の校舎と、建設中の新校舎を手前に、プレデンシャル・ハンコックタワーを臨む。

2009年6月13日土曜日

コンコード

週末は雨の予報だったはずだが、快晴。暑すぎず半そでがちょうど心地よいいい季節だ。午前中に、来週のケースの宿題を済ませ、コンコードへ。地球の歩き方を見ると、ちょっとした観光地らしいので、スローンのコミュニティイベントに行く前に、Walden Pondという湖に立ち寄る。「ウォルデン-森の生活」という本は、ソローがこの湖のほとりで生活していた時に書いたそうで、家の跡地に碑が残っていた。狭いビーチは、家族連れで賑わっていて、他にも好きな所で泳いだり釣りをしたり思い思いに楽しんでいるようだった。八ヶ岳を思い出させる美しい湖で、ちょっと寄ったつもりが湖を一周歩いてしまい、コミュニティイベントには随分遅れて到着。これは、主にパートナ向けのイベントで、仲のいい同級生と家族を紹介し合って、お互いの家に遊びに行く約束をするいい機会になった。シンガポール人のNがバレーボールをやりたそうだったので、付き合って2人で始めていたら、すぐ人が集まってゲーム開始。バレーボールは、サッカーやバスケと違って体力いらずで男女混合でも出来るのが家族イベント向き。延々と2時間くらいプレーしてしまい、かなり疲れた。Wholefoodsで食料品を買出しして、Takeoutの寿司を家で食べると少し復活したので、またスローンの同級生とダウンタウンのバーへ。バーが何軒か点在するエリアだが、12時にはラストオーダでナイトライフはつつましいのがボストン。六本木や、オースティンの6st streetのようなエリアは無いらしい。明日は雨の予報だけどSailing講習に行けるだろか。

2009年6月12日金曜日

15.063 Communicating With Data

MBA授業の基礎となる統計を、Arnold Barnett教授が教える。黒板を使って丁寧に確率の原則を解説した上で、応用例をパワーポイントで紹介するオーソドックスな進め方。教科書がない代わりに、教授が執筆中の教科書ドラフトが配られ、宿題もここから出している。事例に対する教授のメッセージとしては、直感的な判断は、計算して得られる確率と違うことがあるので、確率を勉強した方がいいよというのが毎回の締め方。
金曜の授業は、ポーカーのセブンスタッカードの確率の例が出た。Hold'em全盛のこのご時世に7card studのレトロ感はさておき、計算方法は汎用的で参考になった。
自分の持ち札: KKK66xy (King high full house)
相手の持ち札: AAA8??? (7card studは4枚オープン、3枚face down)
ここで、自分の勝率は何%か?という問題。プレー中に、瞬時に暗算できる解法は?。
相手が自分のフルハウスを上回るのは、Aの4カードかA high full house。見えない3枚の?カードのうち、Aか8を1枚引くか、同じ数字の2枚を引くか。教授の計算方法は、1枚ずつ自分の手を上回る可能性を計算していく手法。カード?の1枚目(A888の4枚)、2枚目(A888XXXの7枚), 3枚目(A888XXXYYYの10枚)の独立した組合せ。(ちなみに、プレーヤ単位のSingle deckが暗黙の前提になっている。この教授は他の問題事例でも、幾つか前提条件をすっとばしているのだが)。約50枚から上記の枚数を引くので、4/50+7/50+10/50=8%+14%+20%=42%がだいたいの確率。2桁の簡単な足し算2回で済むことがポイント。
私がHold'emで使っていた計算方法は、2カード、3カードなどの出現率を覚えておいて、事象の数だけ数字を足し合わせるもので、暗算の計算式だけ書くと、6%*6+2%*3=42%。役ごとに確率を計算する分、教授の方法より複雑だ。ただ、Hold'emは、1枚ずつめくるたびにベットするので、手札の役の強さによる相手のベッドパターンが重要な情報になるため、役ごとの計算が必要な場合もある。
このゲームの教授の落ちは、プレーヤが確率に反して負けて、しかもAの4カードというレアな負け方(6%)だったよ、というものだった。ただ、Aの4カードの負けた時の条件付き確率は、6%/42%=15%くらいあるので、そんなにレアではない。

Indivisual Thesisの準備

スローンフェローの一つの特徴は、Thesisを書く機会があること。MBA学位取得の必須要件ではないが、例年結構な割合が執筆している。ただ、SF08は20人近くいたはずなのだが、SF09は7人くらいとオリエンで聞いて、急に人数が減ったようだ。執筆の準備は、プログラムオフィスによるとSummerの中間くらいから始めて、Fallの前半までにテーマを決めて教授の了解を得る必要がある。Thesisは、負荷も相当な上に、IAP期間の選択授業を実質的に諦める分の機会コストも大きい。本当に書くか決めてないけど、準備は早くから始めたいと思っていた。幸運と言うべきか、Summer Termは忙しいと聞いていたが、意外に時間が取れる。うちはケースのグループディスカッションが最小限だし、宿題も簡単でRecitationと呼ばれるTAの復習セッションの合間で片付く程度と判明。飲み会やスポーツに顔を出す時間を差し引いても、仕事のプレッシャーから解放されたせいか、睡眠時間は過去10年にないほどずっと長く取れる。そこで、暇なうちにと、図書館で論文読みから始めることにした。スローンの図書館は、日本の新聞(なぜか日経ではない)とFTが読める上に、夏は学生が少なく空いてて静か。ただ、夏の間は閉まる時間が異常に早く、追い立てられるように、1昨年のThesisから駆け足で読み始めた。卒業したはずのSF09のThesisも早く製本して欲しいものだ。
Thesisのテーマについては、日本にいる頃から大別して2つの方針を考えていた。一つは、金融経済をテーマに、ある工学的な手法を入れたモデルを、統計的に検証するもの。ミーハーな私には、スローンにこの教授にもし学べたら最高だなと思える先生が何人かいるが、人気教授ほど多忙なので指導を引き受けてもらえるかどうか。一昨年にこの教授の下でThesisを書いた人がいることを発見し、Thesisを読むと、工学系のPh.Dホルダらしく、理論と検証をかなり突っ込んでいだ。自分の得意分野に引き込む意味で参考になった。学会の査読論文を書いた手法が活用できそうで取組み易い点と、来年に向けたステップに繋がる点で、これが一案。
もう一つは、定番の業界研究。派遣元の会社と業界について、組織論やイノベーション論の視点でまとめるもの。このアプローチのThesisは何本かあり、指導教授も様々のようだ。内容も概念的なものから突っ込んだものまでレベルも様々。業界研究でも数理的な視点でやれば面白そうだし、会社に戻った後のステップを考えると望ましい。ただ、自分が本当にやりたいことと言えるかは微妙。色々と考えておこうと思う。

15.511 Financial & Mgmt Accounting

Summer H1のコア科目4つのうちAccounting (会計)の授業。まだ始まったばかりだが、英文会計をゼロからScott Keating教授が教える。クラスは相変わらず質問が多くでるが、CPAホルダーや銀行出身の専門家がいる一方で、Debit/Creditって何?という全くの初心者まで、ここまでアンバランスなクラスも珍しい。スローンフェローは、コアのスキップ(アクセラレート)を認めてないので仕方がない。教授の教え方は、約束事の羅列ではなく、マネジメント視点でダイナミックに教えようと工夫に富んでいる。ただ、Assetや勘定項目の定義をすっとばして、T-accountの問題を先に解かせたりするのは無理があると思うのだが。電子ホワイトボードの活用がQ&Aや復習ではうまく活用されているが、レクチャ本体はパワーポイントの方が分かりやすい印象だ。
さて、Q&Aの中で、私がここまで一番、Contributionが有り難いと思うのは、元米国投資銀行のL。彼女は、経済危機絡みの話が出るたびに、Informativeなコメントをしてくれる。米国政府が時価評価会計の見直しを検討している件で、クラス全体の風潮は否定的な一方で、彼女は、業界擁護的ながら、証券化商品などは市場流動性が乏しく時価の推定自体が本質的に難しいと逃げずにちゃんと反論していた。あと、GMの倒産時に債権者がリスクの高い株式に持ち替えを余儀なくされた件が議論になった時は、彼女いわく、倒産に4つのパターンがあるとのことで、事前合意のChapter 11適用の特殊性を考慮すると、債権者の譲歩もやむを得ないなどを話してくれた。倒産の4パターンは知らなかったので、調べてみると、Chapter 7(清算)に加えて、Chapter 11(再生)には、今回のGMの事前合意型(pre-packed)以外にも、事前交渉型、事後合意型など、色々な形態があることが勉強になった。この授業のTakeawayは、英文会計のイロハを学ぶよりも、時事ネタの議論で米国の法制度を理解する点にありそうだと思った。

2009年6月10日水曜日

Media Lab見学

ひょんなことから、授業の復習セッションをさぼり、Media Labの中を初めて見学させていただけることになった。ご案内いただいたTさんに感謝致します。研究の面白さに触れて、ボストンに来て最もアドレナリンで活性化した1時間だった。ラボの会議室に入ると、さっそく、Cognitive研究室にあるリビングルームの魚眼レンズ撮影装置の実物が目に入る。装置のスペックや、映像の解析手法など、丁寧に解説いただき、これを活用した言語の学習過程も、実際の研究サンプルの音声ファイルを聞けた。他の研究全般にも言えるのだが、メディアラボはユーザインタフェースのコンセプトを革新するところなので、説明を読んで聞くだけでは直感的に理解できないものが多い。実際に見学させていただき、研究室のデモに手を触れてみると、こんな発想があったのかと感動できる。Tangible Bitも、醤油ビンを開ける仕草で音楽をかけるデモは、無機質なビットのスイッチを、人間の生活の中のごく自然な動作に置き換えるものだと分かる。小型カメラとプロジェクタを組み合わせたシックスセンスも、未来感があってかっこいいし楽しい。下の写真は、地下にあるモジュール化の研究室で、バイクの車輪側にバッテリとモータがついていて、車輪自体が自律的なモジュールとして機能できるもの。モジュールを必要に応じて自在に組み合わせることで、都市の移動システムを効率化できるコンセプトらしい。

2009年6月7日日曜日

ipod Touch

ボストンに来てちょうど2週間。この間、色々なモールに買い物に出かけて散財したが、デジタル物で特に変化を実感したのは2つ。一つめは、ipod Touch. MITで結構多くの人がiPhoneを持ち歩いているのを見た。試しに見せてもらうとGoogleマップがタッチパネルですいすい動くのが気持ち良く、出かけるにも便利そうだった。ただ、iPhoneの難点は、通常2年契約で1年後に帰国するとPenalty feeを払うのが気になったし、何よりデータサービス込みで通信料月$50は下らないので、ちょっと高いかなと思っていた。そんな時、勧められたのがipod Touch。Wifiが標準装備されているので、自宅やMIT構内などどこでも通信料フリーでアクセスできる。Exchangeメールの設定も教えてもらい、授業の移動の合間に手軽にメールチェックできて楽チン。モバイル端末向けのMIT Mobile Webサイトもあり、キャンパスマップ、イベント情報、シャトルの時刻表などにアクセスできる。ipod Touch自体は日本でも売り出されているが、大学や企業でもここまで使い勝手の良い環境は手に入らない。値段にうるさいアメリカの学生にここまで普及しているのは、ソフトの充実が鍵。8GBのipod Touch を$229で購入したが、Apple StoreではMacbookを買うとipod Touchが無料でついて来る(後日リベート)キャンペーンを実施中。PC本体も買おうかと思ったが、スローンの同級生によると、Macmallで64GB SSDのMacbook Airが特売中($1099)で、そちらで別に買った方がお得だった。2008年のMac Expo売出し当時は40万円くらいしたはずで、64GB SSDの価格が劇的に安くなった故だろう。
もう一つのデジタル物は、PND. ポータブルのカーナビ。ボストン、ケンブリッジ周辺は、左折禁止や突然一通に変わる道まであり、迷うことが多く、BestbuyでTOMTOM Go 630 GPSを$249で購入した。4.5インチに音声案内・認識と米国・カナダのドライブマップが全部入ってて, 4,5年前には$500は下らなかったはず。TOMTOMはオランダのメーカで、欧州市場で強みがあるが北米でも既にGARMINと肩を並べるまでに成長した。色々なお店の場所を早速登録している。

サッカー

先週の野球に続き、今日はサッカー。ボストンに来てから、バレーボールに駆り出されたりバトミントンしたりと、涼しい夏のスポーツを満喫している。サッカーは、SF09とSF10の対抗戦という位置づけだったが、ブラジル人はやっぱりうまい。ちょっと顔を出すつもりが、1時間半くらいぶっ通しで走って疲れた。その後、遅れて、日本人交流会の飲み会へ。スローンの1年生や、2年生で卒業してご帰国予定の方もいて、熱いRedsoxファンの話など、すっかりボストンっ子で満喫された様子。(Wさん、Kendall納豆のオーダ、ありがとうございました。最初の数個は冷凍せずに食べてみます。)

2009年6月6日土曜日

オリエンテーション

一週間に渡り、講義とグループワークを織り交ぜた、オリエンテーションが続く。
1日目は、グループワークの導入ということで、自己紹介セッションと簡単なゲームを行う。講義で、グループにおけるメンバーの役割の定義を聞いた後、実際のグループディスカッションを観察者が記録、評価してフィードバックするというもの。自身の役割を振り返って見ると、Task Orientedな貢献が多く、War GameにSimulationを繰り返してStrategyを練ろうという発想等が、エンジニアリング的なアプローチだと気づく。ゲームの問題設定がシンプルで答え自体は自明な気がするのだが、些細な問題でも議論すること自体に意義があると思うメンバが一人でもいると大変だ。
2日目は、Cross cultural learningセッション。うちのグループは、ジンバブエ出身のKが国のCultureについて語ってくれた。が、キリスト教国、農業国、内陸国、イギリス植民地下という特徴から想起されるCulture像に自分の理解が止まってしまい、家族の価値観とかは聞きそびれてしまった。独立まもなく社会体制が混乱が目立つ為か、チーム内のQ&Aもムガベ政権の動向などに集中した。彼いわく、政治も安定化しつつあり、教育レベルが南アフリカ周辺国よりも高いとのこと。また、産業は農業が主とのことだが、おそらく政情不安定な内陸国のため、埋蔵地下資源へのアクセスが難しい点が、経済発展の阻害要因なのだろう。後日、水の問題なども彼と話し、アフリカについて真剣に考えるきっかけになった。
3日目は、アウトドア授業。噂に聞く、いかだ作りを体験。
最終日は、Inevitableなmiscommunicationから学ぼうという視点から、シナリオビデオやロールプレイを通して、問題を見過ごさず積極的に解決に関わるActive bystandersの役割などを議論した。最後に、グループのnormやルールを決めることになった。うちのグループは、ruleとして週ごとにファシリテータ持ち回り、毎日授業のあとにグループミーティングをやることだけを決めて、あとは一般的なnormを共有するにとどまった。他のグループも、平日6:00pm以降や週末は集まらない等決めていて、だいたいそんな感じのルールだったようだ。

My own inner compass

スローンでの最初の1週間が過ぎ、スタディグループや同級生との濃い交流や授業の中で色々と思うことがあったが、突き詰めると、自分の過去、今、将来を見つめなおす時間がじっくり取れた。国連前事務総長のKofi Annanも、Sloan Fellowsに来てすぐ、チャールズリバーを歩きながら「自分は間違ったところに来てしまったか」と考えたそうだが、結局、“Follow your own inner compass ... know who you are, what you stand for, where you want to go, and why you want to get there.”に行き着いたそうだ。(http://mitsloan.mit.edu/fellows/meet.php)
自分の過去を振り返ると、コンパスは色々あったはずだが、やり遂げられなかった。野球選手、将棋のプロ棋士、数学者、等等。野球を除き、将棋と数学は、もし死ぬ気で続けていたら、今どうだったかと思うことがたまにある。ちょうど今日決勝が行われている将棋朝日アマ名人戦は、地元の同じ道場で切磋琢磨し、上京して全国大会を一緒に目指した仲間同士の対戦で、どちらも応援している。数学も、高校の授業が終わった後、地元の大学の研究室に通い詰めて没頭したが、東京に来て鼻をへし折られ、すっかり離れてしまった。MITのMathの建物にある掲示板を見ると、Goodwill Huntingの映像と打ち込んでいた時の高揚感が戻ってくる。夢が破れた後は、エンジニア、企業人の立場で日本社会を変革したいというコンパスをずっと持ちながらも、転職したり外国で働くリスクを取ったり針がグルグル回りながら今に至っている。チャールズリバーを歩きながら考えれば、次の針の未来の行き先が見えるのだろうか。立ち止まって考える贅沢な時間を大切にしたい。

2009年6月1日月曜日

スタディグループ発表

いよいよ今日からオリエンが始まる。4月のオリエンであった同級生とまた再会する。自己紹介したり色々話していると、この100人というクラスの規模(他校のStream/Cohort 2個相当)は全員を把握できる規模で、かつDiversityを担保できる意味でちょうど良く思えてきた。さて、奇しくもGM倒産の日に入学する我々のクラスを、Alfred Sloanさんはどう思うだろうか。昼食でDeanの話は結構いい話で、スローンに来るまで直線的にキャリアを走った人でも、過去に囚われて同じ道を歩み続ける必要は必ずしも無い、というもの。明確な目標があってボストンまで来た訳だが、スローンの学びの中で想定外の方向チェンジがあっても、それはそれでいい。Q&Aで、Harvardとの比較が面白く、Deanいわく、HBSはCase収益のビジネスモデルの呪縛があるが、MIT SloanはSloan Fellowsのような最適にカスタマイズしたプログラムを提供できるメリットを上げていた。

お昼の後に、スタディグループが発表。みんな早速、写真やBio Cardでお互いのメンバをチェックしている。私のグループは4名。まだ全員と会ってないが、経歴を見る限り一波乱ありそう。政治情勢から普通は相容れないと思われるバックグラウンドのメンバ同士が同じグループに。地域によって国境紛争や宗教紛争を抱えていて、職場でも暗に避ける組合せがある。他校で同様なメンバの組合せに当たった方が、ひどく仲が悪くて苦労した話を聞いていて、杞憂に終わればよいのだが。グループは絶対に変えてもらえないそうだ。日本の全方位平和外交の有り難さをこの時は感謝。

2009年5月31日日曜日

Columbus Park & Wrentham Outlet mall

日本人の野球チームにお誘いがあり、Columbus Parkへ。試合の数合わせに誘われる、よくあるパターン。日本人だけでも10チームあって、秋には対抗戦もあるそう。日本にもこんなに野球好きがいたっけ?と思うほど盛況な競技人口だ。試合の方は人が足りたようで、軽くキャッチボールした後は、ご家族で来ている方とピクニックを決め込むことに。穏やかな天気で、ボストンの今は最高にピクニック日よりだ。ランチなんか芝生に広げて食べて、そのままずっと昼寝したいほど。
コロンバスパーク:


昼寝を我慢して、Wrentham のPrime Outlet Mallへ。93 South, 95 South, 495 "North"でボストンからは1時間かからない。お目当てはルクルーゼの鍋だった。モールにルクルーゼの専門店が入ってるのは、CAやTXでは無かったと思う。聞くところによると、ダウンタウンのTJMAXの方がセール品で安い物もあるそうだ。実際、モールの中でも、専門店よりWilliam Sonomaの方が安くてそちらで買った。時間が短い割りには、靴やかばん等、アメリカブランドを何箱か買いこんでしまった。日本の軽井沢や幕張のアウトレットと比べても、かなり安いものもある。

夜は、日本人の同級生とともに、一つ上の年次のクラスの方々の送別会。先輩方は、同じ1年間でもそれぞれ全く違う取り組みで充実して過ごされたようだった。(本当にお疲れ様でした、ご卒業おめでとうございます。) パーティの後は、Wholefoodsで来週分の食材の買い込み。家族がパン焼きに挑戦する材料や、コーヒー用のフレンチプレスなど、ボストン生活も少しづつ潤いが出てきた。

2009年5月30日土曜日

ボストン日本人研究者交流会

ボストンでの初めての週末。色々とイベントにお誘い頂き、日本人コミュニティの交流会に幾つか参加した。Edgertonで行われたお昼のBBQパーティでは、MITの学生や企業派遣のVisiting Scholorの方々と知り合いになれた。Media Labの最近の興味ある研究内容について話したら、偶然にもその研究を進められた方だったので、統計値の考察をお聞きできた。日本企業からMITへの研究費・研究者の受入は不況の影響で減りつつあるようだが、お会いしただけでも相当の日本人研究者がMITに滞在している。企業派遣の研究者は、1年間で来ている方が多く、成果を出すのは大変だろうなと思う。共同研究成果のパテントの扱いも学部によって違うようで、こういった企業間の情報交流の場は貴重だと思った。ご夫婦で来られている方もいて、鮮度のいい魚が仕入れられる時間帯から、おからをタダでもらえる穴場情報(&1ヶ月飽きずに食べる方法)まで、ボストン生活をenjoyされているようだった。

BBQの後は、日本人研究者交流会を聴講した。この研究会では、ボストンに滞在する日本人の方が持ち回りで発表している。1つ目の講演は、政府派遣のHKSの方より、最近のエネルギー情勢をテーマに、主に資源安保・外交の視点から日本のエネルギー政策の基本的な考え方をお話された。原油一極集中からバランス化、資源外交の戦略的運用、高速増殖炉の実用化などは、10年前に大学の授業で受けた講義と、ポリシの根本は不変だ。しかし、資源権益者としての中国の台頭や、資源国としての中央アジアの重要性など、舞台とプレーヤが変わっている。Q&Aでは、権益獲得における政府の役割の必要性について質問があったが、多くの資源国では資源権益を一部の関係者が握っており、見返りに経済支援や産業協力をパッケージに交渉されるため、商社やメーカが私企業の立場で交渉するのは骨が折れるとの回答で、納得できた。資源獲得の膨大なコストを考慮すると、代替エネルギーさらには夢の高速増殖炉という戦略オプションは、実用性は未確立でも大事な手札だろう。今後、米国での原発解禁に向けて、日本の重電メーカの海外進出が急速に進んでおり、優秀な人材がこの分野に集まって何か新しいトレンドが生み出されるかもしれない。

2つ目の講演は、Harvard Education Dept.とTuck MBAの方による、Teach for Americaの日本への展開について。Teach for Americaは私は初めて聞いた。全米の公立学校の地域格差の解消の為、ハーバード卒等の優秀な学生を学校に送り込むNPOである。教育NPOとしては先日、日本で講演を聴いたRoom-to-readがあるが、やっている中身は違うものの、予算構成やfund raisingのマーケティング手法は近いものがあった。日本への導入手法については、質疑応答では喧々諤々といった感じだった。教育の話はどこで聞いても、個人の実体験をベースに、皆が思い入れを語り出す傾向が強い。ところで、このNPOが解決したい問題の本質は、公立校の地域間格差の解消のようで、まずは英語の夏合宿から始めるという入り口は悪くなさそう。ただ、肝心の公立学校側に危機感が無いのに、受け入れ態勢を整備させるステップは厳しそうだ。私が寄付集めに関わるNPOでは、地方の埋もれた異才を集めて数学の夏合宿をするもので、同じく学生ボランティアを動員して運営まで携わる。本来、小回りが得意なはずのNPO自身が運営までコミットすると非効率だし、スケールアウトが難しい。Room-to-readとTeach for Americaのやり方がうまいのは、運営の困難さは受け入れ側の学校なり政府に負担させて、本や先生を送るアレンジだけに特化している点だろう。戦略コンサルの多いMBA出身者が立ち上げたモデルという共通点も頷ける。

講演の後は、近くのホテルで懇親会。これがまた多士済々で面白かった。ハーバードメディカルやMGHのお医者様もいて、こんなに医学が進歩してるんだと驚くような話もあり、また、よく聞くと起業からExitに成功した凄いキャリアの人とも飲みかわし、さすがにハーバード、MITの人の集まる会だった。また参加しようと思う。

2009年5月29日金曜日

日用品の買い物

ボストンでの買い物が続く。全米チェーンのBestbuy, Wholefoods, Targetは、Everywhere USAの代名詞。どの店も同じ品揃えの分だけ、探し物が効率的というメリットは大きい。
一方、ローカル店はどこも個性的。まずはボストン日本人コミュニティでは定番のReliable Marketから。韓国食材・日用品のお店で、日本の食材も少し高めだが結構ある。MA-28からSomerville Rdの先に、国際的なお店が並ぶUnion Sq.に出ると、Reliable Marketは、韓国系のお店が入るビルにある。噂のにおいは強烈だったが、品揃えは野菜、肉、海鮮からお菓子、インスタントまで豊富だった。前の駐米は単身だったので、忙しい時はカップ麺が連日続いた。先日のKoreana飲みでも食べた、調理済みのブルコギ、チャプチュェを買ったが、ブルコギはすき焼き風、チャプチュェはあっさり味のごま油控えめで、結構いけた。
次は、超級88。93 SouthからExit15 (JFK L)の先のSouthCenterの奥にある。花山椒を探しに行って、店員さんに聞いたが没有との返事だった。ゴールデンウィークの中国語の特訓のおかげか、花山椒とは何か?を片言で説明したら何とか通じた。後で中国の方によると、超級88は内装を変える前は品揃えも豊富だったらしいが、今は半分くらいになってしまったらしい。China Townの中国超市なら、調味料が揃うらしいので、今度行ってみたい。

2009年5月28日木曜日

講演: Mr. Ghosh - Making the most out of your MIT experience

はじめてのGuest Speaker招待にトライすることになり、段取りなど色々とよい経験になった。スポンサーのアーバン不動産様には、講演者との調整から当日のOrganizerまでお引き受け頂き、感謝いたします。

さて、Ghosh氏は、Sloan MBA'77の大先輩にあたり、マッキンゼー含め16年の日本でのキャリアの中で、SONYの盛田氏や多くのカリスマ経営者と直に接した経験から、リーダシップの講座を多くの大学で持つ。今回、Sloan Fellowsに入学する日本人向けということで講演をお願いしたところ、期待以上の濃い内容をお話いただいたのは、もうさすがというしかない。現代の経営環境のBig PictureからSloanでの学びを最大化する具体的な7 rulesまで掘り下げてお話いただいた。特に、ご自身がJapan as No.1の時代を日本で過ごした経験から、90年代以降の方向感を失った今の日本を憂慮され、我々が目指すべき新たなリーダ像をInspireしてくれた。

Q&Aでは、2つの点で特に議論が掘り下げられたと思う。1つ目は、90年代以降、日本人は、世界経済での相対的地位低下にともなう自信の喪失と、過去の成長体験に安住する傲慢さの両面から、世界から積極的に学ぼうとしなくなったという論点である。私が思うには、海外でないと学べないことが減った分、学部レベルの留学生の減少は自然なことだと思う。今は逆に日本について異国で情報発信することで信頼関係を築く時期に来ている。大前研一氏のように日本人が日本を語って、世界中が自然と耳を傾けた時代ではもはやないが、ボストンにいる間にJapan Conferenceのようなイベントを開催して、世界の人が日本の経営・ビジネスの何に興味があるか直接感じたいと思う。

2つ目は、新しいリーダ像として不確実な経営環境の中で複雑なDecision Makingをするために必要なスキルは、主にSoft Skillという論点である。ここでいうSoft Skillは、Leadership, communicationといった人間的なものである。直感的には、事業が不確実になるほど、現場で臨機応変にできるよう広く権限委譲された組織になるため、リーダには複雑な人間関係に配慮して力を及ぼす能力が重要になるということか。ソフトスキルの選択クラスは、即効性のある達成感が期待できなさそうだが、MBAの多くの人が勧めておりIAPなどで何コマか取るつもり。

当日の様子はこちら(アーバン不動産様のブログ5/29)
http://www.bostonfudosan.com/usr_rental/index_j.php

2009年5月27日水曜日

セットアップ&Koreana

日曜にボストン入り。JAL派の私はまたシカゴから。到着前にしきりに何か食べますか?と聞きに来るので変だなと思っていたら、ビジネスは朝食サービスを止めて、アラカルトだけになったとのこと。不動産屋さんが手配してくれたリモでホテルに入って寝るだけの一日。

翌日から、アパートに入り生活の立上げを始める。諸々の買い出しは車の機動性が一番。Harvard SQのハーツで、レンタカーを長期レンタルする。マツダ6とFord Mercuryのどちらがいい?と聞かれたので、迷わず後者をチョイス。大型セダンは、家具の調達に好都合だ。家具はレンタルでなく大型店で纏めて新品で買うことにして、MA-24 SouthからIKEAへ。ベッドだけは寝心地に拘ると近場で適当なのが無く、専門店から取り寄せに少し待つことになり、当座の寝床にAir Bed (Colemanの電動空気入れ付)を確保した。テレビなどの家電は、Cambridge GalleriaのBestbuyに。中国ブランドのプラズマ42インチがなんと$547 (1300円/inch)。部材費の限界があるはずだが、インチ1000円が見えてきたという日経エレの記事が頭によぎる。日本ブランドのLCD 40インチ($699, 1700円/inch)をお買い上げ。食卓でCNNを見ながら食事を取ると、だいぶ家らしくなった。

水曜の夜は、同級生となるSF10の日本人と韓国人の飲み会へ。Central SqにあるKoreanaというBBQレストランへ。韓国人のお任せで、ユッケ、チャプチェ、チジミ、ブルコギという王道メニューを、ビールとともに腹いっぱい食べ美味かった。今度、近くのWholefoodsの買い物ついでに、ビビンバを食べに行こうと内心思う。アメリカ国籍のJに、Pre-cource readingやった?と聞くと、Financeは4章読んだけど、ケースは今読んでも忘れちゃうからやらないとのこと。私は、readingが遅い分だけ、分厚い読み物の類は少しでも貯金を作っておきたいんだけど。

2009年5月23日土曜日

ヒルズライブラリ

明日、ボストン出発。会社の壮行会では、お一人お一人から温かい激励の言葉をもらう。浮沈の激しいPJで、日向も日陰も味わい激論も少なくなかった分、絆も強かったようだ。思いがけずも、前に一緒に仕事をした仲間とも再会し、彼らが去る時に言いそびれた送別の言葉を言えて、心残りが解消されたのが有り難かった。

家の引越し準備はほとんど家族任せになってしまったが、荷物を満載したトラックを見送り、六本木ヒルズ内のホテルに移って一日オフを入れた。六本木ヒルズを一番気に入っているのは、ヒルズライブラリーという図書館があることだ。MBA受験中は毎晩のようにここで過ごし、My書斎と化していた。経営書は、特に戦略論の蔵書が充実していて、JバーニーからポーターまでMBAで定番のテキストが綺麗に並べられていた。読み切れた本は少ないものの、頭の中にも本棚が出来たように整理され知識の構造化に役立った。新しい話題の本も比較的早く入り、さらに、コーヒーにソファ、そして都心の眺望が同時に満喫できる、本好きには最高の場所である。マイライブラリと呼ばれる自習室では、GMATのofficial guide等や司法試験の本を机に開いている利用者も何人かいて、同じように打ち込む人の姿もいい励みになった。大きな会議室もあり、Stanford GSBの説明会やムハマドユヌスの講演会もあった他、政治・経済・科学・文化の色々なトピックで一線の専門家が一般向け講演が催され、月1,2回は話を聞きに行った。

ヒルズのオープン時に、森ビルの社員と住民向けのレセプションがあり、オーナ社長の森氏がここに"街"を造るというコンセプトを語っていた。ライブラリーのような文化施設は、収益性は低いだろうが、精神的な住み心地を豊かにする恩恵は私には非常に大きかった。街のコンセプト自体が革新的だったと思う。森社長いわく、そのきっかけは、長い通勤に疲れている日本人のために家と職場を一体化した街を造りたいと思い至ったこと。唯一の想定外だったのは、再開発中に金融の外資開放が進み、レジデントの多くが外国人になってしまったことかな。

2009年5月16日土曜日

講演: John wood - 社会を変えるリーダーに必要なこと 5/16@麹町

John Woodの講演を聴いてきた。彼が創始したRoom to Readは、著名な慈善団体である。ネパールをはじめアジア・アフリカの途上国に、学校や図書館を立て本を配り、教育から貧困を解決することを目指している。Johnは、小さい頃から読書好きで、ネパールにトレッキング中に訪れた学校に本がないことに衝撃を受け、たくさんの本をヤクに載せて学校を再訪する。その活動に人生をかける意義を見つけ、Microsoftでの将来あるポジションを捨てて、Room to Readを設立した。私は、3年ほど前だろうか、"Leaving Microsoft to Change the World."(洋書)を読んで、心を動かされた。それは、自分の体験や夢と重なる部分もあったからだと思う。私もネパールのポカラの先にある山奥で訪れた村の学校の記憶はたしかに残っている。子供達はいきいきと外を駆け回っていたが、学校の建物は簡素だった。同じように訪問しても、Johnが凄いのは、すぐに行動して本を集めてまた訪れたことだ。アジアに役立つことを何かしたいという漠然とした自分の渇望を、Johnは見事に実現している。彼の父親が入会していたロータリクラブの組織が本の輸送を手伝ってくれたという逸話も、私がロータリに応募するきっかけになった。

昨年末に六本木アカデミーヒルズで講演した時は、出張中で話を聞けなかったので、今回、また日本で講演すると知ってすぐに申し込んだ。Johnは日本にちょくちょく来ているらしい。目的は、fund raisingである。昨日のイベントだけで、6500万円も寄付を集め、東京支部は設立2年間で2億円を集めている。米国のように個人の資産家がポンと何億も出す文化がない日本で、この集金力は凄いと言える。私が個人的に手伝ったNPOでは、何人もが相当に汗をかいて大企業を回って毎年百万程度であるから、比べてもその集金力は群を抜いている。まるで、富裕層向けに金融商品を売り込むがごとく、BrandとMarketing戦略を徹底しているところは、Kellogg卒業生らしい。CNN等の各種メディアで露出しつつ、驚異的なスピードでscale outしている。そのために、Johnは世界各国を回り、地域支部の集金活動を支援しているようだ。

Johnの考えるリーダシップについて、今日の講演で語ってくれた。彼の定義によると、本当のリーダシップは、お金を払わずに人を動かすことにある。お金を払って人を雇うと、雇い主の意向にただ従うだけになり、創造性が無くなる(米国人の起業家らしい発想だ)。使命感を感じさせれば、本人の意思で活動に参加させることができる。途上国教育では、このような使命感のある参加者は、比較的容易に得られるらしい。地域支部は、米国人ではなく、ローカルの人によって運営される。一種のフランチャイズか。このリーダシップの成功のポイントは3つある。まず、"Bold goal inspires bold people." これは、MS CEOのSteve Ballmerの請売りらしい。"Go bold. Or go home."も積極的な彼らしい。Steve Ballmerがオフィスに安住せず、各国の重要顧客を常に回り続けるリーダシップスタイルを、Johnも踏襲しているとのこと。次に、Winning teamにすること。勝ち続けるチーム、成功しそうな案件には、人が自然と集まる。最後に、結果を出し続けることで、恒久的なサイクルを築くこと。結果の指標は明確で、学校や本の数であり、普通のビジネス同様に、如何にそれを加速度的に増やすか、自然と皆が知恵を絞るようになる。これらの3つのKSFに加えて、彼の行動的な"Get stuff done."という性格が、ビジネス手法を企業以上に活用した慈善団体としての性格に色濃く反映されている。

ボストンにもRoom to Readの支部があるそうなので、MITに講演に呼べたらいいな。Boston Careという団体に登録中で、空いた週末などに、ちょっとボランティアできればと思う。

2009年5月14日木曜日

MIT Media Lab

ボストンへの渡航が近づき、仕事の引継ぎや壮行会なんかが日々続く。会社のいろいろな場で、留学で何しに行くのか話してくれと頼まれる機会もある。スローンの紹介に、パンフレットや現地の写真を使うのだが、どうしてもビジュアルが弱い地味なプレゼンになってしまう。同じ時期にMedia Labに行く同僚のプレゼンは、ずっと惹かれる。Media Labは、聞くたびに新しいコンセプトや驚きがある。人をテーマにする研究も多く、Handycapのある人がそれを単に克服するだけでなく、積極的に新しく出来る事を創造している。健常者より速く走れる義足(非動力)や、わずかな筋肉の動きで楽器を演奏する伝達系システムなどが、理論と実践の両面で研究されている。生活すべての映像を録画するというコンセプトも、一見すると冗談のようなMad Scientist的な構想でも、実際にその録画システムを開発したり、その膨大な録画記録からある興味深い統計を抽出している。日本の研究室紹介だと、Webに何年も同じテーマの絵が載っているが、Media Labは、企業からFundを集められる教授だけが生き残れるシビアな競争世界でもあり、いつも革新的だ。

スローンよりメディアラボに行きたかったと思うこともあるが、芸術家肌の天才が多いメディアラボで生き残るのはスローンより大変だ。

2009年5月9日土曜日

異業種交流会(5/9@御茶ノ水)

GWの最中、都内で行われた異業種交流会に参加した。代表者の方が、昨今の金融危機の原因とグローバル経済への波及メカニズムを、バランスのとれた視点で素人にも分かりやすく解説してくれて、勉強になった。講演の後のディスカッションや懇親会でも、官公庁や金融の方と色々と新しい視点をお伺いできた。特に、帰国後の目標として考えていたアイデアに共感いただける方がいて、具体的な形態とビジョンを既にお持ちだったのが、とても嬉しく勇気づけられた。ボストンでも、同様な交流会や、MIT, Harvard等で大学主催の各種フォーラムが結構な頻度が開催されている。渡米した後は、色々な機会を見つけて参加したいと思う。

2009年5月8日金曜日

書評: まっとうな経済学

MITのオリエンテーションで、タイトルの本の原書"The Undercover Economist"をもらった。
Summer TermのコアのApplied EconomicsのPre-course宿題としてタダで配られた。移動中の飛行機などで少しページを繰ってみたが、数ページ長々と導入がありテンポが悪く瞼が重くなる。帰国後もそのまま放置していた。

宿題だし読んでおくかと思い、図書館で読み始めると、中々面白く引き込まれた。著者は、FTのエコノミストで、コーヒーの価格の裏事情等の経済事象を、ミクロ経済学の法則を当てはめてシャーロックホームズばりに推理していく。具体例が、Londonっ子らしさと世界中の国々での実体験を元にしているのと、イギリス人の独特の皮肉っぽさが出ている点が私の好みに合った。

他の人はどう読んでいるんだろう?と、ふとAmazonでこの本の評判を検索してみると、意外にも翻訳本が出ていることを発見。和書タイトルは、「まっとうな経済学」ランダムハウス講談社から。運よく、ライブラリに置いてあったので、原書を潔く諦め、和書で一気に読んだ。原書とタイトルが全然違うのは、ベストセラーになった「やばい経済学」の2匹目のどじょうを狙ったらしい。が、この本は、実用書や娯楽書の類でなく、まじめなミクロ経済の副読本である。

前半の1~5章は、基本概念の導入部分。需給価格均衡と、税やレント等による均衡移動、市場の失敗を解説する。需要・供給曲線を一切使わずに説明されているが、頭の中で曲線をイメージしないと分かりにくいのではないかな、と理系の私なんかは思う。まぁ、経済紙のコラムにそんなものは出せないか。キーワードだけでも、資源の希少性、限界選択、資源レント、効率性と公平性、外部性、情報の非対称性が登場する。後半の6~10章は、独立したトピックとして、ランダムウォーク、ゲーム理論、政府盗賊説、比較優位、グローバル化の罪、中国の市場原理の導入が取り上げられる。

私が一番面白く感じたのは、買い手個人の価格感度に合わせて、最も高く買わせる方法論だ。Whole foodsの食料品の陳列では、著者の観察によると実に色々な工夫があったらしい。値段に無頓着で目につくままにカゴに放り込んでいた私は、見事に高値に誘導されていたようだ。価格選択性の高い賢い顧客向けに、Whole foodsは、ばら売りの方が安い場合が在るとか、見えにくい棚に安売り品を用意しているなんて知らなかった。その場合、Safewayで買うのと大差ないらしく、「高級店で安い物を選んで買う」のが一番賢い買い方らしい。この他にも、買い手の支払い意欲価格に対するシグナルやそれを告白させる手法が、本全体に渡って色々な角度から紹介されている。今の仕事で活用できないかヒントになった。

また、7章のゲーム理論を用いた各国の周波数競売の実践例は、参加者の心理戦を事前に予測して入札ルールを決める点が、なかなか読み答えがあった。イギリスの成功事例では、真剣な参加者を増やすこと、参加者の入札価格を共有して入札対象の価値の信頼を上げる点がポイントと触れられた。ポーカーテーブルも似た傾向があって、直感的に理解できる。賭金のポットが大きくなるのは、まず勝ちたいという意欲が強いメンバが多く、集団心理で誰も下りない時だと思う。

2009年5月1日金曜日

GW集中・中国語講座

アメリカ出張から戻って1週間。時差ぼけのせいか、朝早く目が覚める日がまだ続いている。今朝のNHKニュースによると、今年のゴールデンウィークは資格取得などの短期集中講習が人気らしい。不景気に強い不動産登記に必要な資格などが特に希望が殺到しているそうだ。私は語学を。Googleで”中国語 GW集中”で検索すると、色々な語学学校が短期コースを提供している。中国への短期留学も北京、上海を中心に様々。早くから計画していれば行っても良かった。豚インフルエンザが怖かったわけではないが、結局、明日開始の都内の少人数制の教室に申込み。電話でテキストは何か聞いたら、オリジナルの教科書とレッドクリフの林志玲の台詞を使います、との返事。レッドクリフ2をつい数日前見たばかり。台詞は結構、字幕と一致してたので結構ヒアリングできた。これから4日間は朝から中国語漬けになる予定。中国語を趣味のレベルで終わらせず、仕事で多少使えるレベルまで長い目で続けたい。

Vacation Plan (2009-2010)

4/17のオリエンテーションで休日が発表された。4連休が何回かあるのが思案のしどころ。一度しかない夏休みが一番バリエーションがあるので、そろそろ考えておこう。

2009
July 16-19 Thurs-Sun Mid-term break – Student Holiday
忙しい夏学期の合間で、遠出の元気があるかどうか。。様子を見て近場のワシントンDCあたりの小旅行くらいを検討(普通の週末2日間でも行けそうだ)。

August 21 – 6 September Student Holiday
夏学期終わってベストシーズンに16日間休み。ヨセミテを検討。ヨセミテのTuolumne Meadows方面から1週間くらいキャンプ&ロッジでゆっくりトレッキングする計画。連続でのサイト予約は至難なので、ガイドツアーもいいかも。オレゴン、アラスカも候補。

November 26-29 Thurs-Sun Thanksgiving Vacation
秋学期の後半途中で、次年に向けた準備計画もあり色々忙しいはず。家で過ごしてターキーを食べるくらいか。

December 18-3 January Fri-Sun Winter Vacation
冬学期終了後の16連休。NY Tripに続いて、ヨーロッパ旅行にそのまま出発!?。

2010
January IAP
休みではないが、IAP期間どうするか思案中。Innovation論でThesisが出来るか、米国内で一緒にGreen TechでS-Labに参加するSloan Fellowsの仲間に恵まれるか、どちらか出来ればいいけれど。

March 19-28 Fri-Sun Spring Vacation
CA Tripに続く10連休。結構、長い。この時期なら、グランドサークルの未踏の右半分(アーチーズ、モニュメントバレー、他)くらいかな。南米も検討できる時期。

April 19-20 Mon-Tues Patriots Day – Student Holiday
この頃がプログラムもほぼ終わる来春が一番余裕ありそう。