2009年2月28日土曜日

書評: なぜGMは転落したのか―アメリカ年金制度の罠

MBAのテキストには、古くは偉大なるGM、そして近年の停滞についても多くの事例が紹介されており、GMは米国製造業の代表的な存在だ。私が米国に駐在した時もせっかくなのでアメ車をと思い、中古のChevroletを買ったが相次ぐ故障に参って手放し、結局、VWに乗り換えた。GMは今や倒産か救済か、いずれにしても縮小して崩壊寸前である。昨日は、傘下のドイツのOpelも切り離しが決まった。既に、スウェーデンのSaabが破綻した。GMC, Buick, Cadillac, Pontiac, Saturnと残るグループの解体が今後も進むだろう。GMを卓越した企業に育てたアルフレッドスローンは、1931年にMIT Sloan Fellowsの創設を支援している。名著"GMとともに"は、経営の立場から労働組合(UAW)と交渉しながらGMをエクセレントカンパニーへ成長させた歴史である。一方、この本は、ルターが率いるUAWが、企業年金と健康保険を勝ち取ってきた歴史である。会社が雇ったギャングに撃たれて負傷した話など、驚くような話もあった。市場成長期にストライキも辞さない強硬なUAWに対して、デトロイト協定として、会社側が年金という形で将来の莫大な負債を負うことになる。GMは、以後、配当金の4倍もの年金を払っているというデータもあり、この負担がGM凋落の根本原因になった、とある。日本やドイツは国の公的社会保障が充実している分、民間企業の負担が軽いと、この本では指摘されている。しかし、日本と米国は、社会保障の考え方も制度も全く違うので、比較は難しいのではないか。当然、公的負担は、法人税率や巨額の減税措置も考慮する必要があるだろう。
この本は、他にもサンディエゴ州や公共セクターでの現状が書かれている。

2009年2月27日金曜日

Stanford Sloan Master's Program Ding

Stanford SFは、Dingの結果がメールで来た。ここだけは、説明会にも参加せず卒業生の知り合いもいなかったので、選考プロセスが謎のプログラムだった。Webには、キャンパスビジットは特にプラスにならないと明記されたいたが、書類選考だけで合格させるのは学校にとって危険だろうし、Interviewは電話でやっていたのかもしれない。Invitationが無かったので、分かっていない。敗因は、ビジットしなかったことか。昨年の合格体験記で、キャンパスビジットした人が、インタビュー無しで合格したという報告を見た。ここも多数の日本人がビジットしており、事前Interviewで日本人枠が埋まってしまったのかもしれない。また、TOEFL/GMATのOfficial Scoreを送るのがだいぶ遅くなり、Completeしたら連絡すると言われたきり、何も連絡が来なかった。早い段階で、フォローの連絡をいれるべきだった。55人の少人数プログラムなので、早くレビューされた順でいい人から枠を埋めていき、最後は足りないIndustryや国から拾って補充すると思われるので、レビューの前倒しを要求すべきだったようだ。一時金の支払いが早いMIT SFが決まった1月後半時点で、おそらく併願していた多くの合格者が一斉に前倒し要求をした結果、乗り遅れた可能性がある。

2009年2月26日木曜日

Chicago Round 2 Complete

Chicagoは、Interview Invitationが来てから、GMAT, TOEFLのOfficial Scoresを送るように推奨されている。Interviewの感触が良かったのを確認して、スコアを送った。数日前にチェックしたときは、We are missing your official TOEFL score.というメッセージが表示されていたが、ようやくTest Score Verified: YesにStatusが変わった。これで書類はCompleteのはずなので、後は結果待ち。TOEFLがMinimum Requirementの104点に1点足りないので、特記事項にMinimum Score Waiverをリクエストしたが、Admissionから何も指摘の連絡はなく、静かに待つのみ。発表は一斉で3/25。

2009年2月25日水曜日

書評: ニッポン、ほんとに格差社会?

数年前に出た一般向け経済モノだが、格差社会を統計的に検証したと紹介されていたので、買ってみた。日本の常識30個それぞれについて、正しいか正しくないか結論を出している。統計のハードデータを集めているだけでなく、コンパクトに世相を反映したニュースや論点を纏めてくれている。期待していた格差社会の検証について。2005年までの世論調査で情報が古いが、自分の所得階層を5段階で回答させると、下2段階の割合はここ10年で変わっていないことから、階層感は広がっていないように見える。同じ調査の2008年版でもしこの割合が増えるかどうか。下流意識が広がる要素として、お金持ちの姿がテレビ等で表に見やすくなってきたという点はなるほどと思った。また、所得水準については、お決まりのジニ係数の比較にとどまる。ジニ係数上のみかけの格差が広がっている点の理由について、高齢化以外に、核家族化による世帯収入の分割は初めて認識した。これ以外にハードデータはなく、結局、実質的な格差社会の定義と、その統計的な傾向については、情報がないようだった。
この本は、他にも色々な常識を検証しており、議員の数は本当に多いか、日本人の貯蓄性向は本当に高いか、について、どんなデータを元に議論すべきかが整理されている点が平易によい。

2009年2月22日日曜日

書評: 資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言

書評を書くかどうか迷った。色々な意味で私はあまり読まない傾向の本だ。会社の方が週末に読んでみては?と勧められて、敢えて読んでみた。ヒルズライブラリに入る経済書は少し偏っていると思うが、この本はそこに置かれない側の本なので、人に勧められなければ手を出すことは無かったと思う。人に本を勧めてもらえることは大変に感謝すべきことで、最優先で読むようにしている。自分の偏向に気づく機会になるし、自分と違う集団に属する人がどんなことを考え共感するのか学ぶ絶好の機会になる。この本を貸してくれた方も父親と同世代の方だった。
この本から一つ学びがあったのは、信頼を重視する国民性と、階級意識が少ない均質性は、経済発展のインフラとなる社会資本として見なせることだ。
最初の現状認識として、新自由主義が格差を生んだと書いてある。この論調は、今のマスコミの主流であり、うっかり反論すれば非常識と言われかねない。しかし、本書でも一応触れているが、低所得者層の増加について、高齢化の影響を差し引いたデータが見つけられない。世代別の所得変化を役所は公表しておらず、非正規雇用の拡大と所得格差の増加の因果関係に、統計的な裏づけが実は難しい。そもそも、製造業の雇用の柔軟化は、海外への工場移転による産業の空洞化とそれによる雇用環境の悪化を防ぐ為の規制緩和だった。仮説として、もし緩和していなかった場合、日本の製造業はグローバル競争で今よりずっと厳しい環境だったと思うが、現状と比較して、所得格差が小さい形で国民全体の平均所得を押し上げることが可能だったか、10-20年スパンで検証している分析を探している。
次に、将来の政策について、大胆な福祉国家化を目指し、その財源を目的税化した消費税20%と書いてある。所得税については、現状より少し下げて見直すとは書いているが、所得再配分をどうするか具体的には書いていない。40万円の税還付で低所得者の実質無税化を謳っているあたり、年金世代には受けるかもしれないが、さすがにその世代の方にも自分達はそこまで無知で強欲でないとお叱りを受けそうだ。その他の提言については、経済学の本なのか社会文化論の本なのか、途中で分からなくなってしまったので、特に学ぶことは出来なかった。

Why UCB (UC Berkeley Haas) ?

2校目は、UC Berkeley Haasについて。
春にキャンパスビジットして、Information Sessionに参加して以来、MOT/Culture/Locationの面でHaasの希望度は高かった。仮定の話として、27歳までにMBA受験に挑戦したらHBS/Stanford, 28歳以上ならUCB Haasを第一希望校に選んだと思う。Top2校は学生層の知的レベルは抜群に高いが年齢層若く、General Management志向がややもするとビジネス経験の少なさから基礎的な学びになりがちだ。しかし、若い時期には基礎こそが将来の成長に一番価値がある。一方で、会社経験を5年ほど積んだ後に自分の方向性としてハイテクが見えてきた後は、HaasのMOTが最も実践的な学びが得られると感じた。そして、職歴10年目となった今では、MIT Sloan Fellowsという、よりビジネス視点のMOTに強みのあるミッドマネジメントプログラムがベストチョイスになった。社費の場合、会社によってMBA留学の対象者が年齢や勤務年数で変わるため、自分でMBA受験のタイミングを選ぶことはできないが、その時々のタイミングでベストな志望校も変わると思う。
Why Haas?に話を戻すと、Haasは日本では今年度はおそらく説明会を開催していないと思う。しかし、Round 1の合格者数を見る限り、少人数校の割に、日本人合格者が少ないわけでも軽視されているわけでもない。Public Schoolの予算の限界で、説明ツアーを世界中で行うAdmissionの人数が足りなかったのでは。在校生から聞いたところでは、日本から秋ごろに50人近い人数がキャンパスビジットしたとのこと。多くの方がRound 2かRound 3に出願すると言っており、競争率の低いRound 1で合格したのは正解だと言われた。UCBのAdmission Ratioは10%前半と言われており、学費メリットが大きく出願者が多いカリフォルニア出身者にとっては10%近い相当な狭き門だが、日本人アプリカントには、比較的合格しやすい学校と言える。

(1) 本格的MOT

UCBの総合大学としての強みが最大限に活かされているのが、Management of Technology (MOT)コース。UCBは、工学系だけでなく、総合大学として東のHarvardに並ぶ歴史と実績を誇る。UCBのMOTは、Haasと工学部で共同運営されており、学生もそれぞれ半々で占めるのが特徴。他校のMOTはあくまでもBusiness-schoolの一部として運営されているのに対して、本職のエンジニアと学べる。実際、シリコンバレーのお家芸である、工学系のPh.Dの学生が持つ技術を元に、HaasのMBA学生が起業プランを練るクラスもある。在校生の方から聞いたのは、授業の先生がやっている会社の幾つかの案件にグループで取り組むもので、シミュレーションではなく、リアルなビジネスをやっていること。このようなプロジェクト型の授業は他校でも多いが、たいていはコンサル(助言)して終わりか、体験型シミュレーションのラボワーク。また、ケースもシリコンバレーのスタートアップからAppleまで、地の利を活かして実際の会社の方が来てケースを語ることも多い。UCBは、Webにシラバスが公開されているので、MOTに興味がある方には是非お読みいただくことをお勧めしたい。ハイテクを中心に学びたい方には、HaasはStanfordより実践的な経験の面で優れているし、リクルータ側もそう見ているようだ。MOTと重なる部分もあるが、アントレ系での強み、シリコンバレーやサンフランシスコのIT関係とのネットワーキングの機会の多さも具体例につきない。
エッセイでは、Nano TechのMOTの授業に一番興味があり、自社を題材にケーススタディを書きたいと思っていることを書いた。

(2) 協調的かつ成熟したカルチャー

HaasはTop10の中でも少人数校。どの学校も協調的(Collaborative)なカルチャーを謳っているが、その中でもHaasの在校生は、一番話しやすい印象を持った。西海岸のオープンな雰囲気と、Internationalの比率が比較的高くアジア系が多い点も、日本人には馴染みやすいカルチャーだと思う。Confident without Attitudeというポリシーは、在校生との短い会話でもMaturityの高さとしてよく実感できた。
エッセイでは、Short Questionに学校をどのようにリサーチしたか?というQuestionがあったので、在校生をリサーチしたと答えて、会ってFit感を感じたことを具体的に書いた。

(3) Location

バークレーのLocationは、私には世界中で最高の場所。Napa/Sonomaエリアに1.5時間、Yosemiteも4時間。ワインもキャンプも2年間で何度行っても楽しめそうだ。TOEFL/GMATの合間だった昨年のゴールデンウィークには、まだ肌寒い春のヨセミテとNapaを満喫したが、北カリフォルニアはやっぱり住みやすいなと実感した。サンフランシスコまで日本からの直行便もあり8-10時間あれば行き帰りできてしまう。直行便がないBostonや東海岸とは実際の時間にして片道で半日の差があるのは大きい。国内線もSFO/SJC/OAKが使えアクセスも抜群だ。
エッセイのイントロに、ヨセミテのキャンプでの話を、ユーモアと人柄をアピールする話として入れた。

2009年2月21日土曜日

Why LBS?

合格校の志望理由について纏めておきたい。まずは、LBSから。学校の特徴はパンフレットでよく言われている内容と重複すると思うが、エッセイでの取上げ方や実感を書きたい。

(1) EU専門家の希少性

ヨーロッパを基点に、ロシア、中東、アフリカの新興国の市場は、自社を含む日本企業の長期的発展にとって戦略的重要性が高まる。実際、北欧の通信機メーカやトルコの家電メーカの案件で仕事をしてみると、名前も知らなかった会社が成長著しいことに驚かされることがしばしばあった。一方で、米国や中国と比較して、同地域の専門家は自社には圧倒的に少ない。MBAホルダーも米国Top校は少なくないが、EU圏のMBAは自社に数人しかいない。希少性のあるEU MBAによるキャリア差別化が、Why LBS?の一番の理由だった。
エッセイには、単にLocationの希少性を理由に選んだと書くと、Admissionから見た納得感は小さいと思われるので、さらりと一言、「社費派遣の自社がEU圏でビジネスを拡大しており、人脈構築を期待している」と取り上げるにとどめた。

(2) 超一流の教授陣

LBSの教授陣は、経営書を読むのが好きな人には、まさにドリームチームだ。私はStrategyが好きなので、コアコンピタンスのGary Hamel、Markidasの授業はぜひ取ってみたかった。エッセイでも、具体的なStrategyのクラスと教授の名前を上げた。LBSと言えばFinanceが超有名だが、私はFinanceは興味が薄くRブリーリしか知らなかった。
LBSに限らず、Top校は著名な看板教授を抱えている。エッセイやインタビューのWhy this school?では、自分が学びたい専門分野で必ず具体的な教授の名前を上げた。これは学校へのアピールだけでなく、その学校で学べることを具体的にイメージするために必要な作業だと思う。特に、InnovationやStrategyといったソフトスキルでは、教授によって得意分野やアプローチがずいぶん違う。また、Top20の学校でも、**に強みがあるとパンフレットで言いながら、よく調べると、他校に看板教授が最近引き抜かれたままで目立った補充がなく実態が無い学校もあったので、確認することをお勧めする。

(3) 1st Year Study Groupが充実

LBSは1年目の半分近いコアカリキュラムを、学校がアサインした5-6人のスタディグループで行う。この強制的なグループワークによって、LBSの多様性の価値が十二分に活かせると思う。どこの学校もラーニンググループはあるが、科目ごとに変わったり、自主的なものだったりする。LBSのStudy Groupの充実度は、かなり特徴的であり、私にとっては非常に評価したポイントだ。強制されない限り、違うバックグラウンドの人と密な人間関係を築くことは難しいと、以前の駐米経験から感じていたので。
エッセイでは、1st Year Study Group, 2nd Year Projectをそれぞれ、卒業生の体験を引用する形で書き、インタビューでも、Study Groupでは、**のようなメンバの中で、私は**の役割を果たしたいといった話を具体的に述べた。

(4) 米国Top校の2年制カリキュラムを15ヶ月で

ヨーロッパTop校の大半は1年制。LBSだけは15/18/21ヶ月の選択が可能。カリキュラムの分量も、米国2年制にほぼ相当する。私の場合、短期間で学びを犠牲にしない密度が濃いカリキュラムを希望しており、エッセイにもそのメリットを言及した。

(5) ヨーロッパ旅行

ロンドンからなら、3日あればヨーロッパの主要都市や観光地を色々と訪れることができる。メジャーどころはほぼ行きつくしたアメリカ国内と比較して、ヨーロッパはプライベートでの旅行が無かったので、とても楽しみだ。日本から行くには遠く乗り換えが多いエリアへのアクセスも抜群である。

2009年2月19日木曜日

書評: 金融大崩壊

ここ1週間、日米の経済政策とその金融危機との関わりについて、何冊か軽めの本を読んだ。”金融大崩壊”というタイトルのこの本は、エコノミストの水野氏によって書かれ、金融危機の構造を一般向けに分かりやすくコンパクトに概説している。短いながら印象に残ったのは、日本が過去10数年どうすべきだったかを論じている部分。アメリカは、資本家中心の新自由主義の下で、投資銀行のレバレッジ投資による住宅ブームで豊かになった。ピークより減ったもの厚い資本はまだ手元に残っている。一方で日本は、同じ新自由主義を政治が採りいれながらも、投資が進まなかったので国民の貯蓄はほとんど増えず、絶好のチャンスを逃してしまった。既に同じ手法は使えないので、今後の日本では、製造業による新興国の中産階級向けの輸出を強化すべき、とのこと。
一見、現実的なシナリオで納得感もあるが、実物経済への回帰を謳っているだけで、金融経済の成長を諦めているだけけでもある。国内が成熟した先進国では、国民の大半は既に豊かである以上、伸ばすべきは資本家や企業である。経済のバランスの問題として、国内の労働者問題の完全解決を目指すより、資本家の活力を伸ばす方が、成長の余地が大きい。日本の資本市場・金融経済を、米国の投資銀行の失敗から学び、健全に発展させていくための建設的な議論が必要な時期だと思う。

2009年2月18日水曜日

ケース体験

今日は都内のあるビジネススクールをクラス見学した。米国MBA校と提携しており、教材や授業スタイルも同じものを使っているとのことで、テキストはたしかによく見慣れたタイプの、マーケティングのケース(HBSの3M, SAP, etc..)だった。元々の目的は、留学前に授業慣れする予行練習だったので、てっきり英語で授業されると思い込んでいたら、日本語で始まり一見すると会社の研修みたいだったので最初はガッカリした。しかし、途中からケースが始まると、まさに開眼の体験だった。如何に授業時間内の短時間でケースの要所を押さえて読み、戦略判断をし、発表プレゼンをイメージするか、期せずして実体験できた。グループ発表は明らかにケースの読み込み不足でだったが、戦略コンサル出身の講師の方は、クラスに結論を出すように促し、議論をリードする。その後の懇親会で講師と学校の経営者は、お二人ともUSのMBAホルダーで、ケースの読み方など色々アドバイスを頂いた。留学中は全然時間が足りないので、ケースをいかに短く読みこなせるかが大事で、とても全部は読めないから、ポイントだけ抑える読み方が必要とのこと。もちろん今まで何度も同じ話をMBAホルダーから聞いて知識として理解したつもりだったが、自分を実際に追い込んで体験するまでは、実は分かっていないことに気づいた。留学を成功させるために、予習に追われてネットワークに参加できないのも嫌だし、かといって、予習不足だと学びも小さいことも今回分かり授業での学びをいい加減にしたくない。ケースを如何に素早く読めるかを留学前によくシミュレーションしておく必要性を感じた。

2009年2月13日金曜日

聴講: 2/12 Capital Market

2/12 ヒルズライブラリーでシンポジウムを聴講。平日午後開催のためか、年始のシンポジウムより空席が目立った。
Capital Market Competitiveness: Burnishing Tokyo’s Image in the Face of Global, Asian Challengers
http://www.academyhills.com/school/detail/tqe2it000000x9mz.html
モデレータは、Harvard Law SchoolのProf. Scott, パネリストは、竹中先生、田中議員、金融庁、東大の伊藤先生、モルスタのRobert氏に、各国の証券取引所関係者の豪華メンバ。主催はJapan Societyだが、100周年の天皇陛下のご出席といい、凄いメンバをそろえられるものだ。
内容は、日本の資本市場が、米国、英国、上海、シンガポールに対して、どう優位性を築くべきかという話。日本は、国内産業、特に製造業が強い割には、資本市場(東京証券取引所)の競争力が低く、海外の資本家をもっと引きつけなくてはいけない。その課題として、高い法人税、高い個人貯蓄率、英語力が低い、金融教育の不足、政治のリーダシップが弱い、等々が議論された。
冒頭に、そもそも資本市場の競争力とは何か、それが強いメリットが議論された。Robertが空港ネットワークを例えに、ハブになると他国へのアクセスコストが下がる点を上げていた。これによると、東京が金融市場のハブになれば、日本を最終目的地とする海外投資家から見たコストと、日本の資本家がアジアを含む世界市場へ投資するコストを下げることが出来る。今回の議論は、世界の資本家を日本へ投資させるための方法論、すなわち資金のSupply sideに集中していた。一方で、国内産業やIPOを目指すベンチャー等を支援するような、資金のDemand Sideを刺激する方法論は一切議論されなかった。資金需要が無ければ、いくら東京の取引所がハブになっても、素通りしてアジアやどこかに流れるだけだ。金融サービス業だけで見れば、アメリカやイギリスと比較して成長の余地はあると言われる。しかし、日本の国民性や歴史から見て、金融がグローバル競争力のある産業になるとはなかなか思えない。最大の強みであるローカル市場のDemand側との結び付きを強化する点が必要と感じた。
公共政策学から見た経済学が最近面白く感じてきた。竹中先生の闘う経済学という書籍を読んだレポートを後日投稿したい。

出願戦略

(1) 学校選び

受験活動もRound 1の面接及び合否通知もほぼ終了し、Round 2の数校の面接を待つだけとなった。落ち着いた所で、出願戦略について少し一般化して纏めておこうと思い、先週から何回かに分けて投稿中。受験の心得全般にわたり、一番参考になった情報ソースは、以下の2つの英語の本。

- "How to get into the Top MBA Program"
- "Your MBA Game Plan: Proven Strategies for Getting into the Top Business Schools"

2冊ともおすすめの本。前者は、正統派の基本書で重版を重ねながら常に最新の情報にアップデートされ、海外では定番。後者は、学校のプログラムの概説やQuick Facts (受験対策ではGMAT range, Admitted Ratio, Avg. Ageに注目) がよく纏まっており、出願校の選択を練るのに参考になった。Tipsも俗っぽいが分かりやすい。出願校のポートフォリオは、第一希望、第2希望、安全校とバランス良く選ぶこと。そもそも偏差値があるわけでないMBA受験で、学校の難易度をどう把握するかは簡単ではない。FT/BW等の各種ランキングの全てが受験難易度を反映しているとはいえないが、US Newsのランキングは、ほぼ一般的な人気と難易度に相当すると思う。

http://grad-schools.usnews.rankingsandreviews.com/grad/mba/search

■2008年のランキング
Top2 HBS, Stanford: 不動の2強。General Management志向。 難易度も他の追随許さず。低年齢化著しい。
Top3 PENN Wharton: HBSと並ぶ伝統校Whartonを含んでTop3も不動。
Top10 MIT Sloan, NW Kellogg, Chicago, Tuck, UCB Haas, Columbia: Top10はここまでが定番。Finance/Marketing/Entrepreneurshipなど専門性や学校の場所によって好みも分かれる。
Top20の中では、Michigan Rossがここ数年ランキングを上げている他、Johnson Cornell, UCLA, NYU Sternは比較的、人気が高い。

行きたい学校のイメージづくりは、MBA受験を志した段階で既に始まっていると思う。TOEFL/GMATのスコアがまだ確定していない段階での学校選びは、受かるかどうかの目安が全く立たない時期でもある。学校の説明会が本格化する8月までには、Web, 本, 出来れば知り合いのツテで卒業生に会って、学校のイメージを掴んでおきたい。出張の機会でもあれば、1校でもVisitしておくとMBAのクラスや授業の雰囲気をつかめると思う。私の場合、西海岸の出張に合わせて、UCB HaasのInformation Sessionに潜り込んだ。

(2) 説明会(8月~)

夏からは、MBA Fairや学校別説明会が連日開催される。渋谷や五反田の予備校のホームページを週一で複数チェックして無料イベントの告知を確認する。また、各学校のWeb SiteのAdmissionに関するページに行けば、パンフレットの請求と合わせてメールを登録すると、説明会の案内が送られてくる。ただ、予備校や学生が自主的にやるものも多いので、予備校のホームページがよりupdatedだと思う。何個か見落として説明会に行きそびれたり、申し込みが遅く既に満席だったものもあった。

MBA Tour, MBA Fairは、US Top校はほとんど参加していないので注意。渋谷の予備校が主催するMBA夏祭りというイベントが一番活気もあり、Admissionは少ないがUS Top20ほぼ全校とEuropeのTop校の在校生・卒業生が勢ぞろいしていた。どこのイベントも凄い人だかりになるので、参加するのは結構しんどい。が、在校生や卒業生に直接質問できるし、若くやる気満々のアプリカントが頑張って質問するのを横で聞いていると、質問のコツやカリキュラムのポイントが分かるだけでなく、自分も頑張ろうと思えた。

学校が正式に主催する説明会も希望校は、東京で8-10月にかけて開催される。学校側は世界中を説明会で回っているわけだが、マーケティングとして強調するメッセージを打ち出してくる。エッセイを実際に読んで評価するAdmission Officeの人間が説明をするので、よく聞いておき、エッセイ出願時にはAdmissionが打ち出している方向性を引用しつつ、具体的に何を貢献できるかを強調したい。Webの情報よりアドミッションのプレゼン説明が一番最新かつ正確なので絶対行った方がよい。Admissionのポイントも必ず説明がある。

また、説明会以外に、親しい友人や自分の会社の中に、志望校のMBA卒業生がいる場合は、よく話を聞いておくべきだ。卒業生は、主観的な情報ではあるが本音で実際の良し悪しを教えてくれる。ばら色に見える学校でも、意外と満足していない点も多かったり、受験時のポイントや、表向きの情報だけでは分からないことも多い。

(3) 出願スケジュールを立てる

これまでのリサーチで希望校が見え、GMATスコアが80% rangeの下限をクリアしていれば、あとはどのタイミングで出願するかだけである。第一希望校は、ラウンド1(R1)で先手必勝で行くべきか、ラウンド2(R2)で慎重に行くべきか。多くのTop校は、正式見解として建前上は、R1, R2でどちらに出しても基準は同じだと言う。これに沿って、予備校はHBS/StanfordはR2出願を薦めている。私は、R1で第一志望から攻めた方が、合格率も高く効率的だと思う。R2が有利な理由は、場数を踏むほどエッセイの質も上がりインタビューの錬度も上がる点だけと言ってよいが、Admit Ratio(合格者/出願者)がR1>R2であり、かつ、R2内の他アプリカントとの競合では同じ経験アドバンテージを得るため、R1に対するR2のメリットとは言えない。また、学校側も優秀な学生の数を早く確保したいため、ラウンド1でやや基準を緩めにとりそのYield(進学者/合格者)を見てラウンド2で調整する。学校にとっては、合格者のレベルが下がるより合格者数が不足するのが一番困るものだ。実際、クラスを一つ増やしたかったけど、Yieldが期待より低くて失敗する学校もある。MIT Sloan regular MBAは、R1とR2で同じ数採り、アプリカントが少ないR1が有利であるとAdmissionが明言している珍しい例。さらに、アメリカ人の多くのアプリカントはR1で第一希望校を出して、R2は第2希望に出すパターンが多いので、Admissionから見るとR2は第一志望でないと思われる。R1で合格してしまえば、さっさと受験を切り上げて有意義な時間の使い方もできるし、R2で第一希望より難易度の高い学校にチャレンジするオプションも生まれる。また、R1の中でも微妙に時間差がある。特に年内に合格を出す学校(Wharton, Tuck, LBS)の結果を見て、年末年始にR2の出願校を再検討できる(IF R1合格→R2希望順位が高い学校へ、or IF 不合格→R2 安全校の割合を増やす)。 以下はケーススタディ。

Case1: US Top10のランキングと全く同じ希望順位の方

例えば以下のような出願スケジュールが立てられる。
R1: Wharton, Tuck, MIT, Stanford, UCB
R2: If W/T合格→HBSに絞る, or If W/T不合格→Chicago, Kellogg, Columbiaを追加
R1の中では、Stanford/UCBは遅めなので、Stanfordのインタビューを受ける頃には3,4回インタビューも終わり、十分に慣れている頃だと思う。HBSをR1で受けても良いが、R1の締切は比較的早めなので、1校目の出願校になるとさすがに大変か。

Case2: 1-year Mid-careerとの併願

私を含め多くの社費アプリカントは社費規定で1年あるいは18ヶ月の上限がある。Top校の大半は時間オーバである。私の場合、18ヶ月の縛りがあったが、人によって融通が利いた事例もありいざとなったら交渉するつもりで、1year のミッドキャリア向けを第一希望としつつ、2yearも出願することにした。学校選びは以下の基準を重視した。
- テクノロジマネジメントに強い学校(MIT, UCB, Stanford)
- ミッドキャリア向け(Sloan Fellows)と, 平均年齢が高い2year MBA(UCB, LBS, Chicago, Wharton)
- 18ヶ月で卒業可能(LBS, Cambridge, Oxford, Michigan GMBA)

以上から、希望順を以下とした。特に記載しない学校はR1出願。
第一志望:
- MIT SF RegularよりもMOTに強く年齢層もフィット。
第二志望群:
- LBS ヨーロッパ, 特にLondonに住みたかった。
- UCB 本格派MOTとシリコンバレーネットワーク強い。Yosemite, Napaも大好き。
- Stanford SF/Stanford SFは10monthでほぼMBAと同じ内容。Regularは年齢層が若く合格は難しいと思ったが、SF出願の予行練習と思い出願。
- MIT (Regular 2year) 本命のMIT SFの予行練習。
- Wharton (R2)
- Chicago (R2)
安全校:
- Cambridge UK, Oxford UK, Michgan GMBA
R2出願を見送った学校:
- Kellogg, CMU, INSEAD (R1合格のLBSの方が希望順位が高かったので)

社費派遣で私と同様な条件がある方が多いようで、MIT/Stanford/LBSのSloan Programと、Michigan GMBAを併願する方は多いようだ。出願スケジュール検討にあたり、MIT SFを受験された方々のブログや合格体験記が大変役に立った。というのも、MIT, Stanford SFの発表が1月下旬であるのに対して、Michigan GMBAが1月頭に授業料1/4納付の為、GMBAの合格を持ち越してMIT SFの発表を待てない。このため、MIT SFを諦めてGMBAに行くか、他校に前倒しをリクエストするかのいずれかが対応策だ。LBS Sloanは前倒しプッシュ合格可能なようだが、MIT SFは年始明けにHUB Interviewが例年あるため前倒し合格は難しい。そこで、私は第2希望群で年内に合格の出るLBS (SloanでなくRegular. 15ヶ月卒業可能)を併願して、MIT SFの発表までLBS合格を持ち越すことにした。また、R1がLBS含め全滅の感触だったら、その時点でTop10を諦めてGMBAに行くことを考えていた。LBSと同じ理由で、R1でTop10のWharton, Tuckを受けるべきだったが、両校ともLBSと比べてFitが感じられず、GMBAの方がいいかなと思っていた。
結果的には、安全校に多く出しすぎた。ただ、出願時点では合格できるか全く読めなかったので、作戦自体は良かったと思う。

2009年2月11日水曜日

Essay総括

(1) スケジュール

エッセイへの着手は、予備校だと早ければ早いほど良いと言われている。私の場合、第一希望校の最終出願締切が年内だったので、ラウンド1(出願期10~11月)で出来る限り多数出願する作戦だったので、10月からは出願ラッシュだった。エッセイに着手できたのは、夏まではTOEFL, GMATのスコアメイクを優先していたため、それがほぼ終わった8月上旬だった。最初に出願したLBS 10/14出願締切のほぼ2ヶ月前に開始したことになる。多くの日本人アプリカントがエッセイ作成に、予備校のカウンセラーを活用していると聞いて羨ましくもあったが、私は独力で進めることにした。今思えばリスクが高かったが、お金がもったいなかったし、自分の内面を他人に理解させて助言を求めるやり方に馴染めそうになかった。もし、私が今より5歳若くメンタリングを必要とし、HBS/Stanfordを狙う覚悟だったら、五反田の予備校にキャッシュを投じただろう。米国のMBAホルダーに聞くと、当然のごとく、自分を内省しながら書いて、家族や同僚に見せただけという人ばかりだった。私も同様に、妻に読んで面白いと思えるか聞き、カナダ人の同僚に変な英語表現を指摘してもらった以外は、自力で一語一語練っていった。エッセイ作業を3段階に分けて、まず学校の課題確認とサンプル集を読むリサーチ段階、次にネタ出しから1校目あるいは学校共通のコア課題のドラフト段階、最後に学校別に最適化するカスタマイズ段階に分けてTipsを纏めたい。LBS出願まで、それぞれ3週間づつ順番に進めた。

(2) リサーチ (8月)

出願校選びとスケジュール検討は別途書く予定だが、一通り出願予定校のエッセイ課題を最初に確認した方が良い。駿台の以下のURLに, US Top20とEU Top Programの締切とエッセイのお題の一覧があり、便利だった。
http://www.sundai.info/counseling/mba/2009DeadlineEssays.html
最初に、出願候補の約15校分を、自分で作ったエクセルシートに学校のエッセイ課題をコピーし、課題を大まかに分類した(Short/Long Goal, Why MBA, Why this school, Leadership, Team maganament, International, Innovation, etc.)。学校と課題のマトリクスを見通すと、どこの学校もほとんど同じことを聞いており、10校出すのも3校出すのもネタ作りという意味では大差ないと思った。一つのドラフトを書き始めるまでお盆休みを入れて3週間ほどじっくりとエッセイに必要な要素や書き方をリサーチした。
良質なサンプル集を大量に読んで、こんなこともアピールポイントになるのかと気付かされた。"How to get into the Top MBA Program"本と、HBS合格者エッセイ集の本の2冊がお薦め。前者は基本書でエッセイの書き方ガイドもあるが、サンプル集が字数制限が無いのではと思えるほど延々と長かったが、随所にAdmission視点での解説があり参考になった。ボリュームのある本だが、出張中の飛行機やキャンプで手持ちぶさたの時間に読み物としてじっくり読んだ。後者(HBSエッセイ集)は400-500wordでコンサイズに話のポイントを纏めるコツをつかむのに役立った。また、日本でよく薦められている、五反田の予備校の本で日本人向けのエッセイ対策本は、Amazonでずっと売切れだったので、結局買えなかった。
とにかく、サンプルエッセイを大量にInputしたおかげで、後のOutputで自然と構成や表現が思いついた点が大きな収穫だった。

(3) ドラフト (9月)

社費やロータリ奨学金の申請時に、Why MBA?に相当するエッセイを日本語と英語で書いたが、良質な英文エッセイサンプルを読んだ後では、自分のエッセイは抽象的過ぎて個性がない点で全然ダメで使い物にならないことが分かった。LBSのエッセイのお題に合わせて、とにかく書き始めた。LBSのお題は、質問が直接的かつ説明的(一つのEssayに対して答えるべき複数のQuestionが列記されている)なので、1校目のエッセイとして大変好都合だった。
まず、Why MBA?, Why Now?, Why this school?, Short/long-term Goal?等のGoal Essayは、日頃思っているとおりに、ひねらずにストレートに書いた。Why this school?は出願校選びで別途書きたい。

Long-term Goal: 今の会社のトップに就いて、A(具体例)のような問題を解決したい。(少々誇張気味かと最初は私も心配だったが、学校から見れば社費アプリカントの自然な目標と思い言い切る。)
Short-term Goal: B(具体例)のような新事業を立ち上げてスピンオフをやりたい。大企業の中の起業家。(ハイテクとMBAの陳腐かつ最高のマリアージュ。)
Why MBA?: 自分のキャリアを棚卸しして、上記のGoalを達成する為には、スキルCやDをMBAで得たい。
Why Now?: スキルE(具体例)のような十分な職務経験があるので、MBAで学ぶ準備ができている。

おそらく他のアプリカントも同じようなことを書いてくるだろうと思われたが、Admissionが見て信じられる程度の具体性に裏打ちされた、MBAの必要性とクラス貢献への期待度を納得させることが重要で、大きな差別化は難しいと感じた。(バックグラウンドが特殊な人はこの限りでない))

次に, Leadership/Teamwork/InnovationのRecent experiencesをElaborateせよ等のNon-goal Essayである。Non-goalは話の構成はありきたりでも、内容は人それぞれのアピールポイントが展開できるので、差別化が容易だと思う。自分のアピールポイントを最初に整理してから、エピソードを選ぶ必要がある。長所のアピールは、仕事の自慢話ではなく、自分の優れた側面や行動がどのような結果を生み出し何を学んだかを、よく客観的に分析して書くことが大事だと思う。日米中のチームマネジメント経験→コミュニケーションスタイルの違いの分析、米国駐在経験→マイノリティの苦境をどう克服したか、保守的な大企業での企画経験→どう行動したらイノベーションが実現できたかの分析を、それぞれ500word程度にCAR構成に沿ってContexts(100 words), Action(200w), Results(200w)程度でドラフトした。各エピソードの最初のドラフトは、1000 words程度あったのを、冗長な表現や話の流れと関係ない部分を削ぎ落として半分に短縮した。これらのエピソードは、全出願校のエッセイとインタビューで使用した。このため、違うストーリを新たに作る労力をかける代わりに、1語1語のレベルで徹底的に磨き上げることができたと思う。また、上で紹介した"How to get into.."の本に、バックグラウンド別にTypicalな長所と短所が纏まっている。特に、典型的な短所を、エッセイの中でリスクコントロールすることを意識した。

(4) カスタマイズ (10月~11月)

学校別に質問内容が微妙に違うのに合わせて、コアとなるエッセイをカスタマイズしていった。一見すると、エッセイの再利用は難しく思えるが、実際は可能である。例えば、FailureエッセイにTeamworkネタを転用するなら、最初はTeamマネジメントに失敗したけど、次はこうやったらうまく行って、こういうことを学んだ、とか。また、ネタは転用しても、学校別に微妙に違う質問にちゃんと答えることは必要。さらに、学校が好んで使う固有名詞(Study Group or Learning Team, Stream or Cohort)へ直すのは当然として、Goal Essayの具体例を調整すると、フィット感が出ると思う。また、Why this schoolだけでなく、Non-goal essayでも学校に特徴的なカリキュラムを必ず1つは挙げる。例えば、Leadership Essayだったら、最後の纏めに、「X schoolのYカリキュラムなら今回学んだZの経験を活かせる」等。最後の1行に盛り込むだけでも、読みきった時のフィット感がぐっとアップすると思う。ただ、カスタマイズするのはあくまでも具体例だけにしたほうがよい。1校目でアントレをやりたいと書いて、Financeに強い他校で部分的に直してFinanceをやりたいと書くと、Goalやエピソードがバラバラになって崩壊するだろう。あくまで自分が本当に思える範囲で学校別に最適化する。

特に学校別に配慮したのは以下。

LBS: Student Club contributionのお題は、LBS専用に作成。
Oxford: 2000 words (Discribe a recent world event or a book you read..)は、Innovationに関する本をテーマに、自分の経験ではこうだったという流れでエピソードを複数転用。
MIT: Cover Letterが独特の形式だが、内容はほぼGoal Essayで対応。
Stanford: 有名なWhat's the most ...?は、ほぼGoal Essayで対応。
UCB: Short Questions がいっぱいあり、専用に作成。
Michigan GMBA: 普通のエッセイお題。
Cambridge: 普通のエッセイお題だが、質問の構成がやや特殊。
MIT SF: 普通のエッセイお題。ただ、ミドルマネージャ向けのカリキュラムを意識して、マネジメント目線で書くことを留意。
Stanford SF: MIT SFとほぼ同じ。
Chicago: パワーポイント4ページが独自形式。
Wharton: 普通のエッセイお題。

また、スケジュールマネジメントも重要で、エッセイの調整は時間がかかりキリがない。特に多数出願する人は、適当なところで割り切ってどんどん出願を進めるべき。Wordのフォーマット指定がないところは、12point 行間 1.5 lineで書いた。米国はLetterサイズ。英国はA4サイズでイギリス英語(Programmme, Centre, etc..)でスペルチェックも忘れずに。

LBS Campus Visit (1/20)

LBSにRound 1合格後、1/20にキャンパスビジットした。ビジット時点で、合格校の中でLBSが希望順位が一番高く、説明会や卒業生と会った感覚も一番良かったので、入学する可能性が高いと思って訪問した。事前に日本人在校生の方を、合格後に電話をくれた学生アンバサダーから紹介してもらった。Marbel St.近くに宿泊して、Baker St.にはTubeで迷わず着けた。キャンパスビジットした人のブログで、LBSは正面玄関がしょぼくてガッカリしたと聞いていたが、私はRegent Park側から中庭を見ながらぐるっと回り込んで入ったので、パンフレットで見た白亜の建物に、意外と大きいしRegent Parkや周辺と調和して綺麗だなと好印象だった。在校生の方と待ちあわせして、朝9:00から3時間の講義をフルで聴講。在校生の方が事前に先生に聴講の許可をもらってくれた。講義は、Excelを使って投資機会の収益性を計算する内容で、前半はレクチャー、後半はケース兼ディスカッションだった。先生がExcelをデータやグラフを作成しながら進めるので、幾つかExcel Tipsも得られ、パソコン教室ではないが有用だった。肝心の講義の中身の方も、テンポ良く生徒とInteractionしながら進んだ。英語ネイティブでなく、たしかスペインから来た先生とのことだったが、British Englishよりもはるかに聞き取りやすかった。1 Stream 全体の授業だったので、教室を見渡してクラスのイメージが掴めたのが良かった。アメリカの学校と比較して、インド系の人が多く、西海岸の学校と比較するとアジア系が少ない印象だった。計数的な授業にもかかわらず、Class Discussionを盛り上げようという雰囲気が感じられ、相手の意見を尊重しながら議論を深める姿勢が見受けられた。戦略やソフトスキル関連の授業ならもっと面白い議論が見れたと思う。
授業の後、日本人在校生の方とランチをご一緒させていただいた。30歳前後の方で年齢も近く、Fit感が再確認できた。LBSを選ばれた理由や、LBSの良い所や改善すべき所も忌憚無くお話いただき、LBSで過ごす15カ月のイメージが非常にクリアになった。3月のJapan Trekで弊社に来訪されるとのことで、何かお手伝いできればと思っている。

2009年2月9日月曜日

Wharton Round 2 Interview Invitation

Wharton Round 2のInterview Invitationがメールで来た。BW掲示板によると、RollingでInterview D-dayの2月中旬までInvitationを出し続けているようだ。Webでインタビューのスケジュールを予約。Wharton Round 2 はHUB Interview。数日間にわたりかなり多数のタイムスロットがあるが、相当数が予約でCloseになっているように見える。インタビュワ側のブラックアウトなのか、既に先行組が予約したからか分からないが、残りのスロット数だけ見てもWhartonはInterview後の競争率はかなり高いと思われる。

2009年2月7日土曜日

GMAT総括

(1) スケジュールと目標スコア

ゴールデンウィークは合格迄の最後の休みと思って旅行を楽しみ、GW明けから本格的にGMAT対策を開始して8月初旬にGMAT 700 (V33 Q51), AWA 5.0で一発で終了した。GMATが短期集中で夏前に終了でき、お盆休みからエッセイのネタ出しに切り換えられたので、出願スケジュールが非常にラクになった。もし、スコアメイクが秋にずれ込んでいたら、Round 1で9校出願は出来なかっただろう。GMATは、TOEFLと比べて、頭を使うテストなので、試験勉強は面白味があって勉強がはかどった。
目標スコアは、US Top10狙いなら最低700/AWA5.0は欲しいと思っていた。結局、ちょうどその点数ぴったりになった。もちろん、650点程度でもUS Top校に受かる人はいると予備校の説明会でも言っているが、合格者の80% Score Rangeを見ると、Top校はだいたい680-740のレンジが多い。すなわち、合格者のうち680点以下は10%だけで、抜きん出た差別化要素(例: 珍しい国, スポーツ選手, 起業家)がある人にほぼ限られる。学校によって、Quantitative (Math)スコアを重視するUCBもあれば、V, Qそれぞれ75%を要求するINSEADもある。GMAT 700あるいは80% Rangeの下限を越えたら、それ以上の点数は差別化にならない。AWAは一般に4.5あれば良しとされるし、見ない学校も多い。4.5を切ってEssayが巧いと自分で書いたか疑われるらしい。

(2) スコア履歴

August 4, 2008 V 33 (66%), Q 51 (99%) Total 700 (90%), AWA 5.0 (55%)

(3) 勉強法

GW前にOfficial Guide 11th Edition, Manhattan GMAT RC, SC本をオーダーしておき、GW明けから勉強開始。TOEFL/Essayと同じく予備校は通わず、独学。GMATは質の高い対策本(洋書)が市販されているので、独学で不自由はなかった。OG対策用のGMAT Kingなるソフトは、私は買わなかったが、多くの人が薦めており、これから勉強を始める人にはお勧め。アメリカの予備校が出している対策本の中では、Kaplanが有名だが、本番と出題傾向が違う印象だったのですぐに使うのをやめた。日本人ではあまり使ってないようだが、Manhattan GMATが非常にお勧め。Section別の8冊のStrategy Guide(各$20くらい)を1冊買うと、Webの本番同様の6回分のOnline test, Question Banksもついてきて、大変お得。Strategy Guideシリーズはコンパクトで実戦向け。オンラインテストも本番に近く良質なので、特にお勧めしたい。結局、私はOG本1回とManhattan GMAT本とOnline Testだけやった。日本の予備校の対策コースの中身は知らないが、プライスリストだけ比較すると圧倒的なコストパフォーマンス。GMAT 750 overだったインド人の同僚も使ったと言っていたので、海外では定番と思われる。URLは以下。
http://www.manhattangmat.com/

Mathは、理系で得意だったので、幾何の単語を幾つか確認して、OG本とManhattan GMATオンラインをやったら、ほぼ間違えることがなくなった。私の場合は解法テクニックをイチから学ぶ必要は無かった。Math 51を安定して取れる目安は、Random guessに頼る問題が一問も無くなり、自分のケアレスミスのパターンを掴んだ段階。Math 51だと、Verbal 30前半でも600後半行くので、理系の人にはMathを固めるのが最速の攻略法ではないか。
GMATの練習は、時間を測りながら勉強すべきで、75分で37問なので1問ちょうど2分。30秒で解ける問題も多いので、文章題ややや複雑な組み合わせ・確率等の計算に時間がかかるものは3-4分かかってもよい。ただ、30秒で解ける問題の方がひっかけ選択肢に当たり安いので、ひっかけパターンを頭の中で確認する余裕が必要。CATは前半の問題の正答率で大きく点数が変わるのは事実だが、650点over (75%以上)が必要な人には、前半(50%/75%の2段階シフト迄)の高い正答率は当然で、高得点モードに入った後が勝負部どころ。OGに書いてあるとおり、最後の問題まで満遍なく時間を使うスタイルの方がスコアは安定すると思う。

Verbalは、特に日本人の得点源と言われるSC(文法)が、私の場合、得意でなかった。CRは、ロジックパターンが文法と比較して限られているので簡単だった。Mathと使った教材は一緒で、manhattan GMATのStrategy Guide (SC, RC)の解法をそっくりそのまま運用した(但し手元のメモ用紙は使わなかった)ところ、Online CATで30-36点が取れるようになった。RCだけは、知らない単語が出ると全問落とすことがあり、バラツキが最後まで大きかった。実際、本番でも、後半に出たRCの本文が全く大意が掴めない文章が出て点数が伸びなかった。もし、前半に出ていたら点数が崩れた可能性もある。75分で41問解くので、SC 1分-1分30秒, CR 2分, RC 5-7分 (3問毎, Short/Long)をキープして、難しいと思ったら選択肢を絞ってGuessして、スピードをキープした。

AWAは、Issue/Argumentともに、出題問題が限られており、サンプル回答集を覚えれば良い。ARCO GMAT Answers to the REAL Essay Questionsに目を通した。各100問くらいトピックがあるので、全部はとても覚えられないが、数日あれば流し読みして論法パターンと内容がだいたい頭に入ると思う。私の場合、受験1週間前にこの本を入手し、休みの日に一気に目を通してテンプレートを真似して5,6題、練習で書いてみた。本番は幸運にも練習で書いたお題が的中した。

(4) 予約のコツ

都内の麹町のピアソンテストセンターで受験したが、TOEFLと違い少人数で快適なテスト環境だった。途中、外が雷雨で雹が窓に当たる騒音があったが、気にならなかった。耳栓をくれたが使わなかった。メモ用紙がツルツルの紙にサインペンだったのでちょっと使いにくかった。予約はmba.comのWebサイトからだが、たぶん空きがあれば前日でも予約可能。7月末の時点では、お盆に集中的に勉強して、8月後半の受験を予定していたが、同じことを考える人が多いのか、麹町はずっと満席だった。そこで、8月上旬に試しで一度受け、9月上旬に2回目を受ける(GMATは1ヶ月に1回)作戦に変更し、5日前くらいに8/4の午後開始を予約した。午前と午後どちらで受けるか迷った。一般に午前の方が体温の上がり始めで集中力が高く、夕方にかけて能率が落ちるそうだ。火曜日の受験だったので、月火と仕事を休み(メールも読まず)、週末からGMAT対策に全て集中したのが良かった。幸いにも700点を一発でクリアでき、もっと時間をかければ点数はまだ伸びたと思うが、エッセイに時間のアドバンテージを取る方が合格率は高いと判断し、3日後にAWAの5.0を見てGMATは終了した。

中国語の通学再開

今日から中国語会話教室への通学を再開。中国語はライフワークとして続けて、できればビジネスで使えるレベルまで到達したい。昨年3月まで入門コースに通い、中国・台湾に何度か出張があったものの、1年近いブランクだ。少しの会話力でも、現地のタクシーやレストランで困らないだけでなく、仕事の打ち合わせでも、ちょっと中国語を話して驚かせるのが嬉しかったりするし、値段やスケジュールの厳しい交渉の場を変な中国語の一言で和ませたり、夜の酒席で円滑な人間関係を築くのに大いに役立っている。MBAの面接でも、中国語を少し話せる点は、ちょっとしたアピールになった。

2009年2月6日金曜日

Stanford Sloan Master's Program Decision Delay

Stanford Sloan Fellows (1 year)より、"Update"なるメールが来た。見てみると、まだレビュー中なので、遅くても2月末までに合否通知するから待ってくれ、との連絡。他校の合格を引き合いにプッシュして先に見てもらうことは可能だが、待ってみることを選択して、特に学校へプッシュはしない。そういえば、GMAT/TOEFLを送ってCompleteしたら連絡するとのことだったが、何も連絡が来ていないな。rolling processsとのことだが、Completeしていないのは後回しにされるとして、出願順で見ているだろうし、かなりの割合がEarly Decisionをプッシュしていると思われる。キャンパスビジットをしていないが、面接はなさそうなので、書類審査のみだろうか。電話でも掛かってくるのかなぁ。

日本人の合格体験記を見ると、Stanford SFとMIT SFを併願する人が多いようだ。両方に受かった人も、どちらを選ぶかは人それぞれのようだ。
簡単に比較すると、以下のような感じ。

MIT Sloan Fellows / Stanford Sloan Master's Program
Full/Part-time, 12/24 month program / Full-time, 10.5 month program
105 students / 56 students (mid-career managers/execs対象の点は共通)
50% international / 60% international
WE 10-year minimum / 8-year minimum
MBA degree / MS in Management degree

カリキュラムとプログラムの方向性は非常に似通っている。Sloanさんが作った理念に基づくので。どちらがいいか聞かれたら、ロケーションで選べばよいと思う。Stanford SFで私がいいなと思ったのは、ベイエリアという最高のロケーションもさておき、キャンパス内に住めるということ。Fellowsは学内家族寮が保証されているらしく、多くの割合がそこに住むのではないか。そうすると自然とお付き合いも増えて、10ヶ月でよい連帯感が築けそうな気がする。Stanford Sloanとロケーションが近いUSC IBEARの1年MBAプログラムを併願する人も多いようだ。MBA学位に拘らない人は、学校のネームバリューからStanford Sloanを選びそう。Stanfordのキャンパスは、荘厳と言ってよい威容。あの大学への一本道を25mile制限くらいで走ると、遺跡かお城にでも相対しているかのような緊張感がある。5年前の夏、観光がてら教会とクロックタワーを上った時、「ここは観光に来るところではない、勉強に来るところだ」と、自分の小ささやお気楽さが恥ずかしく感じた。StanfordにMBAを取りに来ようと思ったものだ。あの時(26才)にもし受験を決意していたら、StanfordのRegularを本命に、もっとハードな受験生活を送っただろう。

2009年2月4日水曜日

Chicago Round 2 Interview

今週は仕事が忙しい。中国の正月が終わり、それを待っていたかのように幾つかの案件が動き出した。先日見た統計では、世界の年間の消費サイクルが変わり、以前はアメリカのBack to school, Thanks Giving~Chistmasにピークがあったのが、新たに中国カレンダーの影響も顕著になってきたとか。年末休みから中国の正月までのんびり温めていたネタが、一斉に噴出した感じで大変だ。

仕事の終わりに、Chicago Round 2 Interview。Interviewerの方のオフィスで少し遅めの時間に開始。インタビュー前に近くの喫茶店でリフレッシュして、疲れた仕事脳からMBA脳にスイッチを切り換える。シカゴは、Blind Interview. Standard Questionsだったので特に問題はなかった。インタビュワーの方とは、シカゴで学びたいことが共通だったので、カリキュラムでの体験をお話いただき、率直にいい学校だなぁと思えた。卒業生インタビューに当たる方は、皆、話していて面白いし、人柄もいい方ばかりであるのが少し驚きだ。

これでRound 1から通算7回目のインタビュー。最初のLBSの時に比べると、何度も同じことを話したおかげで話の構造とポイントがよりクリアに伝えられた点と、アピールポイントの引出しを漏れ・ダブリなく活用できた点が主な進歩。インタビューを呼ばれた所はここまで6戦6勝だが、シカゴはおそらくHaasと同程度の難易度で、かつ、バックグラウンドも学びたいことも全くFinanceと縁がないため、結果がどうなるか読めない。あと、インタビューの感触(自己評価)と合否結果は、別物なので予想はできない。TOEFLのMinimum waiverのリクエストはまだ回答が来ていない。と思ったら、Official ScoreとTranscrpit送るの忘れてたことに気づいたので、週末に忘れずにやるつもり。

2009年2月3日火曜日

TOEFL総括

(1) スケジュールと目標スコア

MBA受験で日本人が最初に取組むのがTOEFL. 春 TOEFL, 夏 GMAT, 秋 Essay & R1, 冬 Interview & R2がだいたいの準備スケジュールで、US Top校なら100点以上が目標と言われている。
Minimum Score Requirementは学校によって異なるが、HBSの109点を例外として、US Top20やEU Top校は、だいたい100点がMinimumで、INSEAD 105, Chicago 104。あくまでもこれはMinimumであって、合格者の平均点は110点を越えている学校はザラにある。日本人だと、帰国子女とそれ以外でスコアは大きく違うので、在校生の学校紹介Webの日本人平均というのもアテにならない。点は高いに越したことはないが、私の実績だと、Top3以外は100の大台を越えれば、不利だったことはなく、インタビューで実践的な英語力を見られると思ってよいと思う。Round 1出願だと9月末までに目標スコア到達が必要。
TOEFLの勉強に必要な時間は、開始時点と目標スコアによって人それぞれかと思う。私の場合、社費派遣が3月に決まった直後からTOEFLを毎月受け始めたので、スタートは遅い方ではなかったが、最後の最後まで勉強に本腰は入らなかった。端的に言えば、TOEFLの勉強はつまらなかった。当初はHBS足きり最低点109点を目標にしようと思っていた。しかし、7月頭の時点で6/22の97点の結果を見て、100点を越えれば終了にしようと目標を下げた。結局、103点到達まで計7回受験した。8/3の結果が99でガッカリし、100を越えた感触のあった8/17のスコアがマシントラブルによるキャンセルが5週間後になって判明した。この時には、Round 1に100点未達で出願に間に合わないと慌てた。9/28, 10/12と連続で受けて、結局、事なきを得たが本当にギリギリだった。あと、LBSやMichiganは、駐米経験2年以上の条件があり、TOEFL免除だったのも幸いした。

(2) スコア履歴

Date R L S W Total
October 12, 2008 29 27 20 27 103
September 28, 2008 27 29 20 25 101
August 17, 2008 Canceled
August 3, 2008 29 24 22 24 99
June 22, 2008 25 24 20 28 97
April 26, 2008 27 25 20 21 93
March 29, 2008 24 25 22 24 95

(3) 勉強法

何も対策せずに受けた3/29のスコアが95。GW前の時点で勉強しなくても何回か受ければ100は行くだろうと安易に考えてしまったのが良くなかった。TOEFL iBTは漫然と受け続けても点数が伸びなかったのは、上の履歴で分かるとおり。R/L/S/Wのベストスコアが運よく揃うかは運もある。100点到達を狙う早道は、勉強量に応じて伸びるR/L/Wで27-29が安定して取れると、S20でも100をクリアできる。予備校等には通わず、市販本で対策した。試験1週間前に、TOEFLゼミナールシリーズ, Official Guide, ETSの有料のサンプルテストで本番慣れすることを心がけた。一番効果を実感したのは単語。社会人にはなじみがない、キャンパスやアカデミック特有の単語は、単語集を集中的にやるのが有効だろう。3800, 5000語と覚える本が人気があるようだが、私は時間をかけれなかったので、TOEFL頻出1700という本が時間対効果の面でお勧め。
Reading: 時間勝負。特に、1個目は朝一の20分でウォーミングアップ無しでいきなり始まり、出だしで焦ると後の調子が狂う。GMATのRCの速読で全体の文意を掴む練習をしてから、ラクになった。火山や地質学の似たようなトピックが多いのに慣れると、後半は安定して27-29が出るようになった。
Listening: 会話タイプと講義タイプがある。会話タイプは、ワンパターン(生徒が何か問題があって先生に相談に行く)で、問題になりそうなところも予想ができた。講義タイプは、ほぼ聞き取れていても、質問パターンが読めず苦労した。特に社会学、美術トピックは、話が抽象的で大意が把握できないことまであった。後半は科学ネタが集中して助かった。
Speaking: 20-22どまりで全く伸びなかった。前半はやみくもに早口で話していたが、何回目からはテンプレートを活用する作戦に変更。Listeningの後の休憩時間に、紙にテンプレートを書き込んでおいたが、不自然になったせいか点数はむしろ悪くなった。
Writing: Independent, Integratedともに、テンプレートを活用して、とにかくWord数を増やすのと、難し目の表現と単語をちりばめることを配慮すると、点数が取れるようになった。

(4) 予約のコツ

テスト会場によって良し悪しの環境の差は大きい。一般の学校より、テストセンターが断然良い。神奈川県のある高校で受けたときは、夏にはエアコンの無い廊下で汗だくで待たされて、いい年をしてしんどかった。ある会場では、試験監督がおしゃべりしていて気になった。テストセンターはエアコンだけでなく、横に仕切りもあり、集中して受けられる。MBA受験を決意した時点で、3ヶ月先くらいまで纏めて毎月分を予約しておくことをお勧め。変更・キャンセル代はかかるがその方が、ベストな環境で受験できる。私の場合は、月に1,2回の海外出張が入り、直前にならないとスケジュールが分からなかったので、1,2週間前にマメにWebでチェックして運よく空いた会場を予約する作戦だったが、これが良くなかった。6-9月は都内は予約でいっぱいで、テストセンターが取れたのは2回だけ。竹橋、横浜のテストセンターはお勧め。

2009年2月2日月曜日

TOEIC受験結果

1/11に受けたTOEICの受験結果が返ってきた。L 460, R 485の 945点。
MBA受験と一般に関係がないTOEICを受けた理由は、INSEADのAdmission Criteriaをパスするため。TOEFL 105点, TOEIC 950点の他, 私は受けたことないがIELTSでもOK。Speakingが苦手な人には、TOEICの方がハードルがだいぶ低いだろう。私もそのうちの1人。しかし、あと5点足りなかった。
MBA受験生の中でも30代か近い方は、学生の時や社会人になって最初の数年はTOEICを何度か受けさせられ、その後しばらく受けてない人も多いと思う。私も7年ぶりくらい。7年前が800点台だったと記憶している。TOEIC対策本で模擬テストを一回やっただけでほとんど対策はなし。受けた印象は、TOEFL iBTと比べればリスニングのスピードも遅いし、リーディングの話題もビジネスや経済でよりなじみやすい。あと昔はもっと難しかった気がするんだけど、回によっても違うのかもしれない。

1月初頭の時点では、LBSとMichigan GMBAしか合格していなかったので、INSEAD 3rd Round (2009 Fall)の出願を検討していたが、US 希望校に合格した現時点では出願しないつもり。