2009年6月27日土曜日

選択科目

夏学期前半(H1)も中間点に。来週から秋学期の選択科目のBidが始まるので、今週末は、Thesis準備のための論文読みと選択科目の調査を行う。選択科目の検討では、MBA2年生の日本人の方に、Bidのコツやお勧め教授を解説いただいた(Cさん、有難うございました)。スローンの看板であるFinance, System Design, Operation Mgmtあたりは、しっかりとしたカリキュラムといい先生が揃っているようだった。もう一つの看板であるE-Lab, G-Labも、最近気になり始めている。プロジェクトやメンバに依存するリスクがあるが、コアの授業を受け始めると、ハンズオン型に比重を置いた方が良く思えた。Labを取るとThesisが書けなくなる。マーケティングの授業中に、教授のDuncanは、Thesisは勧めないと言っていて、理由の一つはよく言われる、他の選択科目が取れなくなる点だが、もう一つ彼がきつく言っていたのは、過去の論文の出来が必ずしも良くない点だった。Ph.D保持者など過去に研究実績がある方でも、数ヶ月の短い期間と忙しい授業の合間に価値のある論文を書くのは難しいとのこと。これは私も研究の仕事を離れて早7年になり、自信がない点である。ここ一週間で考えてみたい。

2009年6月26日金曜日

Sailing再挑戦

今週は、スタディグループが少なく早く帰れる日が多かったがあいにくの雨続き。金曜の授業と宿題が終わった所で、セーリングへ。家から川を眺めると、ヨットの数も多くwindyで良さそう。2回目だったが、ロープワークをすっかり忘れている。結局、ショップの人に準備を助けてもらって、いざ出帆。Webで風向きにあわせた進み方のコツを読んでいたので、風と45度~90度になる感じでスイスイ進む。最初は走っていたが、途中から凪いでしまい失速。進まないヨットで呆然とする自分を横目に、カヌーやモータボード、遊覧船が駆け抜けていく。やはり風上を向くターンは練習してもうまくできなかったが、まぁいいリフレッシュになった。ふわふわ浮かぶ感触が、シュノーケルでボーっと浮かぶのに似ていて、嫌いではない。帰りにMuddy Charlesに寄ると、まだ同級生達が飲んでいた。台湾人のSがちょうど帰るところで妻を紹介。Sは、銀行家で大学院でも経済を専攻しており、スタディグループは違うが最も頼れる勉強仲間。授業のあとで分からなかった点を質問すると、ポイントをついて教えてくれるし、仕事をすぐ片付けようとする性格が似ているせいか、宿題が出た翌日には答え合わせを確認できる。彼女に限らず、銀行出身の同級生とは、自分の職業柄の真面目さとタスクオリエンテッドな点がウマが合う気がする。

2009年6月24日水曜日

15.809 Marketing Management

夏学期前半のコア4科目の最後は、マーケティングの基礎。Duncan Simester教授が、レクチャーとケースを交互に進める。レクチャーで教えるフレームワークは、いわゆる5 fourcesとか4Pとかではなく、教授独自のもので、きわめてオーソドックスなもの。豊富な実例を元に学生自身に考えさせながら身につかせようという趣旨が感じられる。3週目までの感想としては、フレームワークがシンプル過ぎる印象があったが、Vertical competition(販売チャネルとの競合)といった初めて学ぶものはシンプルな分、理解しやすく、応用も効きそうだった。
今日は、Product Designをテーマにしたゲームを行い、顧客からの商品へのフィードバックの重要性を学ぶ。3人一組のゲームだったので、シンガポール出身のSと組み、前日に夕食に招いて作戦を練る。大人数で集まるパーティも楽しいのだが、突っ込んだ話をするには少人数をお招きした方がいい。彼は国から派遣されているだけあり、将来の頭脳資本に集中投資するシンガポールと、高齢化に備えて社会資本の充実を図る日本の基本的な政策の考え方の違いについての話は、頷けるものだった。さて、当日のゲーム自体は、予想が当たり、Utilityデータを元に商品の仕様を選んで利益を最大化するものだった。予想がはずれたのは統計手法が有効でなかったこと。相関を取って、嗜好が重ならない仕様の組合せを求めようとするも、データ間の相関は一部を除きほぼ完全にランダム化されていることが判明。ここで、彼と私はギブアップ。もう一人のメンバが、データを色々と変えて出した答えを提出した。授業の解説でも、ランダムにシミュレーションする方法が正解で、フィードバックの重要性を経験させるものだった。シミュレーション自体は立派なエンジニアリング手法だが、そのコストや最適解すら推測できないといったダウンサイドの解説が無い上に、教育目的とはいえやや不自然な問題設定が残念で、Sとも顔を見合わせることに。どうも先週のブランドの授業然りリーダシップの授業も同様に、ソフトスキルの授業はメッセージが単純化して善悪を決めるアメリカ型教育は、性に合わない気もする。

2009年6月20日土曜日

Sushi Party

スシパーティを日本人数名で企画。家のリビングに何人はいるか心配もあったが、立食で20~25名くらい来ても大丈夫だった。ここのアパートは、テキサス駐在時より一部屋少ないが、オープンカウンタとでっぱりのないリビングルームは、パーティに重宝したので、同じような間取りにしておいて良かった。同じアパートの同級生や、スタディグループの仲間とスシをつまみながら話をする。スシパーティにわざわざ来るくらいなので、日本食はみんな好きらしい。Genki Sushiのケータリングは、結構いけた。こんど、少人数のお客さんを呼ぶときは、巻物の巻き方とかを実演すれば楽しそう。
家を片付けた後は、夜に日本人のお仲間でチャイナタウンへ。Hei La Moonというお店で、中国人の結婚式をやっててちょっと覗けた。中華は人数が多い方がやっぱり楽しい。飲茶がおいしいらしいので、また週末に行ってみようと思う。

2009年6月18日木曜日

15.024 Applied Econ for Managers

ミクロ経済学の基礎を、Thomas M Stoker教授が教える。大学の教養レベルで、需要・供給曲線から、独占市場・価格形成、ゲーム理論まで幅広くカバーする。経済専攻の同級生も多いので、このクラスも前提知識にかなり幅のある授業だ。渡米前に、クルーグマンの分厚いミクロ経済学の教科書を日本語でざっと読んでいたのがかなり役に立っている。授業は王道とも言える進行だが、既習者と話すと、価格形成をきちんと説明せずにMC=Pでずっと進行していたのが違和感があったようだ。規模の経済性を追求する業界の私には、MCが数量で逓増するのが全くしっくり来ないのだが。3週目でようやく独占市場や価格差別の話に入っている。
最初のグループワークは、アルミの工場建設のケースで、需要・生産曲線を元に中期的な価格動向を推測するもの。だいたいのグラフとプレゼン資料をドラフトしてあげて、あとはグループのメンバに適当に議論させる。限界コスト(MC)の概念がピンとこないメンバが多く、石油採掘や色々な例で何度も説明するも理解が怪しそうだ。ところで、他のグループの発表を聞くのが面白かったし、発見があった。現在の需要・供給曲線と需要予測から、中期的な価格の傾向をどういったロジックで導くか、実は結構難しいのだ。6グループのうち4グループは供給・需要曲線を統計予測と整合を取るようにシフトさせた。そのロジックがグループによっても少しづつ違う。教授の解説でも同様だったが、価格弾力性が小さい場合は需要予測の統計値がうまく当たるが、そうでない場合、需要予測に価格予測が織り込まれていると考えるかでその使い方が変わってくると思う。

2009年6月14日日曜日

チャールズリバー・セーリング

ケンブリッジからビーコンヒル方面にチャールズリバーを望む景色は、早朝から日没まで刻々と川面と丘の緑のコントラストが変化して美しい。夕方や週末には、カヌー、ヨット、モータボードの動きのある景色も見飽きない。MITの関係者なら無料で乗れるセーリングクラブがあると聞いていたので、日曜の朝から行ってみた。コースを受講すると、次からはいつでも(夏だけだが)乗れるとのことで、時折、小雨もぱらつく中、日曜の集中コースに参加した。昨日、バーからタクシーに同乗して帰った同級生2人も眠そうだが、一緒に参加。ロープワークに始まりヨットの走らせ方を講義で聞いて、いざセーリング開始。なかなか難しく、思いどおりの方向に進んでくれない。風上を向いて失速すると、悲しいかな、自分ではどうしようもなくなる。そんなヨットを見つけて、モータボードでインストラクターが近くに来てくれて、あれこれ指示してくれるとおりに直すと、スイスイ風を受けて進むから不思議。途中から何とかスムーズなターンはできるようになったが、また今度やってうまく出来るかは微妙。また何度かトライしてみたい。下の写真は、スローンの現在の校舎と、建設中の新校舎を手前に、プレデンシャル・ハンコックタワーを臨む。

2009年6月13日土曜日

コンコード

週末は雨の予報だったはずだが、快晴。暑すぎず半そでがちょうど心地よいいい季節だ。午前中に、来週のケースの宿題を済ませ、コンコードへ。地球の歩き方を見ると、ちょっとした観光地らしいので、スローンのコミュニティイベントに行く前に、Walden Pondという湖に立ち寄る。「ウォルデン-森の生活」という本は、ソローがこの湖のほとりで生活していた時に書いたそうで、家の跡地に碑が残っていた。狭いビーチは、家族連れで賑わっていて、他にも好きな所で泳いだり釣りをしたり思い思いに楽しんでいるようだった。八ヶ岳を思い出させる美しい湖で、ちょっと寄ったつもりが湖を一周歩いてしまい、コミュニティイベントには随分遅れて到着。これは、主にパートナ向けのイベントで、仲のいい同級生と家族を紹介し合って、お互いの家に遊びに行く約束をするいい機会になった。シンガポール人のNがバレーボールをやりたそうだったので、付き合って2人で始めていたら、すぐ人が集まってゲーム開始。バレーボールは、サッカーやバスケと違って体力いらずで男女混合でも出来るのが家族イベント向き。延々と2時間くらいプレーしてしまい、かなり疲れた。Wholefoodsで食料品を買出しして、Takeoutの寿司を家で食べると少し復活したので、またスローンの同級生とダウンタウンのバーへ。バーが何軒か点在するエリアだが、12時にはラストオーダでナイトライフはつつましいのがボストン。六本木や、オースティンの6st streetのようなエリアは無いらしい。明日は雨の予報だけどSailing講習に行けるだろか。

2009年6月12日金曜日

15.063 Communicating With Data

MBA授業の基礎となる統計を、Arnold Barnett教授が教える。黒板を使って丁寧に確率の原則を解説した上で、応用例をパワーポイントで紹介するオーソドックスな進め方。教科書がない代わりに、教授が執筆中の教科書ドラフトが配られ、宿題もここから出している。事例に対する教授のメッセージとしては、直感的な判断は、計算して得られる確率と違うことがあるので、確率を勉強した方がいいよというのが毎回の締め方。
金曜の授業は、ポーカーのセブンスタッカードの確率の例が出た。Hold'em全盛のこのご時世に7card studのレトロ感はさておき、計算方法は汎用的で参考になった。
自分の持ち札: KKK66xy (King high full house)
相手の持ち札: AAA8??? (7card studは4枚オープン、3枚face down)
ここで、自分の勝率は何%か?という問題。プレー中に、瞬時に暗算できる解法は?。
相手が自分のフルハウスを上回るのは、Aの4カードかA high full house。見えない3枚の?カードのうち、Aか8を1枚引くか、同じ数字の2枚を引くか。教授の計算方法は、1枚ずつ自分の手を上回る可能性を計算していく手法。カード?の1枚目(A888の4枚)、2枚目(A888XXXの7枚), 3枚目(A888XXXYYYの10枚)の独立した組合せ。(ちなみに、プレーヤ単位のSingle deckが暗黙の前提になっている。この教授は他の問題事例でも、幾つか前提条件をすっとばしているのだが)。約50枚から上記の枚数を引くので、4/50+7/50+10/50=8%+14%+20%=42%がだいたいの確率。2桁の簡単な足し算2回で済むことがポイント。
私がHold'emで使っていた計算方法は、2カード、3カードなどの出現率を覚えておいて、事象の数だけ数字を足し合わせるもので、暗算の計算式だけ書くと、6%*6+2%*3=42%。役ごとに確率を計算する分、教授の方法より複雑だ。ただ、Hold'emは、1枚ずつめくるたびにベットするので、手札の役の強さによる相手のベッドパターンが重要な情報になるため、役ごとの計算が必要な場合もある。
このゲームの教授の落ちは、プレーヤが確率に反して負けて、しかもAの4カードというレアな負け方(6%)だったよ、というものだった。ただ、Aの4カードの負けた時の条件付き確率は、6%/42%=15%くらいあるので、そんなにレアではない。

Indivisual Thesisの準備

スローンフェローの一つの特徴は、Thesisを書く機会があること。MBA学位取得の必須要件ではないが、例年結構な割合が執筆している。ただ、SF08は20人近くいたはずなのだが、SF09は7人くらいとオリエンで聞いて、急に人数が減ったようだ。執筆の準備は、プログラムオフィスによるとSummerの中間くらいから始めて、Fallの前半までにテーマを決めて教授の了解を得る必要がある。Thesisは、負荷も相当な上に、IAP期間の選択授業を実質的に諦める分の機会コストも大きい。本当に書くか決めてないけど、準備は早くから始めたいと思っていた。幸運と言うべきか、Summer Termは忙しいと聞いていたが、意外に時間が取れる。うちはケースのグループディスカッションが最小限だし、宿題も簡単でRecitationと呼ばれるTAの復習セッションの合間で片付く程度と判明。飲み会やスポーツに顔を出す時間を差し引いても、仕事のプレッシャーから解放されたせいか、睡眠時間は過去10年にないほどずっと長く取れる。そこで、暇なうちにと、図書館で論文読みから始めることにした。スローンの図書館は、日本の新聞(なぜか日経ではない)とFTが読める上に、夏は学生が少なく空いてて静か。ただ、夏の間は閉まる時間が異常に早く、追い立てられるように、1昨年のThesisから駆け足で読み始めた。卒業したはずのSF09のThesisも早く製本して欲しいものだ。
Thesisのテーマについては、日本にいる頃から大別して2つの方針を考えていた。一つは、金融経済をテーマに、ある工学的な手法を入れたモデルを、統計的に検証するもの。ミーハーな私には、スローンにこの教授にもし学べたら最高だなと思える先生が何人かいるが、人気教授ほど多忙なので指導を引き受けてもらえるかどうか。一昨年にこの教授の下でThesisを書いた人がいることを発見し、Thesisを読むと、工学系のPh.Dホルダらしく、理論と検証をかなり突っ込んでいだ。自分の得意分野に引き込む意味で参考になった。学会の査読論文を書いた手法が活用できそうで取組み易い点と、来年に向けたステップに繋がる点で、これが一案。
もう一つは、定番の業界研究。派遣元の会社と業界について、組織論やイノベーション論の視点でまとめるもの。このアプローチのThesisは何本かあり、指導教授も様々のようだ。内容も概念的なものから突っ込んだものまでレベルも様々。業界研究でも数理的な視点でやれば面白そうだし、会社に戻った後のステップを考えると望ましい。ただ、自分が本当にやりたいことと言えるかは微妙。色々と考えておこうと思う。

15.511 Financial & Mgmt Accounting

Summer H1のコア科目4つのうちAccounting (会計)の授業。まだ始まったばかりだが、英文会計をゼロからScott Keating教授が教える。クラスは相変わらず質問が多くでるが、CPAホルダーや銀行出身の専門家がいる一方で、Debit/Creditって何?という全くの初心者まで、ここまでアンバランスなクラスも珍しい。スローンフェローは、コアのスキップ(アクセラレート)を認めてないので仕方がない。教授の教え方は、約束事の羅列ではなく、マネジメント視点でダイナミックに教えようと工夫に富んでいる。ただ、Assetや勘定項目の定義をすっとばして、T-accountの問題を先に解かせたりするのは無理があると思うのだが。電子ホワイトボードの活用がQ&Aや復習ではうまく活用されているが、レクチャ本体はパワーポイントの方が分かりやすい印象だ。
さて、Q&Aの中で、私がここまで一番、Contributionが有り難いと思うのは、元米国投資銀行のL。彼女は、経済危機絡みの話が出るたびに、Informativeなコメントをしてくれる。米国政府が時価評価会計の見直しを検討している件で、クラス全体の風潮は否定的な一方で、彼女は、業界擁護的ながら、証券化商品などは市場流動性が乏しく時価の推定自体が本質的に難しいと逃げずにちゃんと反論していた。あと、GMの倒産時に債権者がリスクの高い株式に持ち替えを余儀なくされた件が議論になった時は、彼女いわく、倒産に4つのパターンがあるとのことで、事前合意のChapter 11適用の特殊性を考慮すると、債権者の譲歩もやむを得ないなどを話してくれた。倒産の4パターンは知らなかったので、調べてみると、Chapter 7(清算)に加えて、Chapter 11(再生)には、今回のGMの事前合意型(pre-packed)以外にも、事前交渉型、事後合意型など、色々な形態があることが勉強になった。この授業のTakeawayは、英文会計のイロハを学ぶよりも、時事ネタの議論で米国の法制度を理解する点にありそうだと思った。

2009年6月10日水曜日

Media Lab見学

ひょんなことから、授業の復習セッションをさぼり、Media Labの中を初めて見学させていただけることになった。ご案内いただいたTさんに感謝致します。研究の面白さに触れて、ボストンに来て最もアドレナリンで活性化した1時間だった。ラボの会議室に入ると、さっそく、Cognitive研究室にあるリビングルームの魚眼レンズ撮影装置の実物が目に入る。装置のスペックや、映像の解析手法など、丁寧に解説いただき、これを活用した言語の学習過程も、実際の研究サンプルの音声ファイルを聞けた。他の研究全般にも言えるのだが、メディアラボはユーザインタフェースのコンセプトを革新するところなので、説明を読んで聞くだけでは直感的に理解できないものが多い。実際に見学させていただき、研究室のデモに手を触れてみると、こんな発想があったのかと感動できる。Tangible Bitも、醤油ビンを開ける仕草で音楽をかけるデモは、無機質なビットのスイッチを、人間の生活の中のごく自然な動作に置き換えるものだと分かる。小型カメラとプロジェクタを組み合わせたシックスセンスも、未来感があってかっこいいし楽しい。下の写真は、地下にあるモジュール化の研究室で、バイクの車輪側にバッテリとモータがついていて、車輪自体が自律的なモジュールとして機能できるもの。モジュールを必要に応じて自在に組み合わせることで、都市の移動システムを効率化できるコンセプトらしい。

2009年6月7日日曜日

ipod Touch

ボストンに来てちょうど2週間。この間、色々なモールに買い物に出かけて散財したが、デジタル物で特に変化を実感したのは2つ。一つめは、ipod Touch. MITで結構多くの人がiPhoneを持ち歩いているのを見た。試しに見せてもらうとGoogleマップがタッチパネルですいすい動くのが気持ち良く、出かけるにも便利そうだった。ただ、iPhoneの難点は、通常2年契約で1年後に帰国するとPenalty feeを払うのが気になったし、何よりデータサービス込みで通信料月$50は下らないので、ちょっと高いかなと思っていた。そんな時、勧められたのがipod Touch。Wifiが標準装備されているので、自宅やMIT構内などどこでも通信料フリーでアクセスできる。Exchangeメールの設定も教えてもらい、授業の移動の合間に手軽にメールチェックできて楽チン。モバイル端末向けのMIT Mobile Webサイトもあり、キャンパスマップ、イベント情報、シャトルの時刻表などにアクセスできる。ipod Touch自体は日本でも売り出されているが、大学や企業でもここまで使い勝手の良い環境は手に入らない。値段にうるさいアメリカの学生にここまで普及しているのは、ソフトの充実が鍵。8GBのipod Touch を$229で購入したが、Apple StoreではMacbookを買うとipod Touchが無料でついて来る(後日リベート)キャンペーンを実施中。PC本体も買おうかと思ったが、スローンの同級生によると、Macmallで64GB SSDのMacbook Airが特売中($1099)で、そちらで別に買った方がお得だった。2008年のMac Expo売出し当時は40万円くらいしたはずで、64GB SSDの価格が劇的に安くなった故だろう。
もう一つのデジタル物は、PND. ポータブルのカーナビ。ボストン、ケンブリッジ周辺は、左折禁止や突然一通に変わる道まであり、迷うことが多く、BestbuyでTOMTOM Go 630 GPSを$249で購入した。4.5インチに音声案内・認識と米国・カナダのドライブマップが全部入ってて, 4,5年前には$500は下らなかったはず。TOMTOMはオランダのメーカで、欧州市場で強みがあるが北米でも既にGARMINと肩を並べるまでに成長した。色々なお店の場所を早速登録している。

サッカー

先週の野球に続き、今日はサッカー。ボストンに来てから、バレーボールに駆り出されたりバトミントンしたりと、涼しい夏のスポーツを満喫している。サッカーは、SF09とSF10の対抗戦という位置づけだったが、ブラジル人はやっぱりうまい。ちょっと顔を出すつもりが、1時間半くらいぶっ通しで走って疲れた。その後、遅れて、日本人交流会の飲み会へ。スローンの1年生や、2年生で卒業してご帰国予定の方もいて、熱いRedsoxファンの話など、すっかりボストンっ子で満喫された様子。(Wさん、Kendall納豆のオーダ、ありがとうございました。最初の数個は冷凍せずに食べてみます。)

2009年6月6日土曜日

オリエンテーション

一週間に渡り、講義とグループワークを織り交ぜた、オリエンテーションが続く。
1日目は、グループワークの導入ということで、自己紹介セッションと簡単なゲームを行う。講義で、グループにおけるメンバーの役割の定義を聞いた後、実際のグループディスカッションを観察者が記録、評価してフィードバックするというもの。自身の役割を振り返って見ると、Task Orientedな貢献が多く、War GameにSimulationを繰り返してStrategyを練ろうという発想等が、エンジニアリング的なアプローチだと気づく。ゲームの問題設定がシンプルで答え自体は自明な気がするのだが、些細な問題でも議論すること自体に意義があると思うメンバが一人でもいると大変だ。
2日目は、Cross cultural learningセッション。うちのグループは、ジンバブエ出身のKが国のCultureについて語ってくれた。が、キリスト教国、農業国、内陸国、イギリス植民地下という特徴から想起されるCulture像に自分の理解が止まってしまい、家族の価値観とかは聞きそびれてしまった。独立まもなく社会体制が混乱が目立つ為か、チーム内のQ&Aもムガベ政権の動向などに集中した。彼いわく、政治も安定化しつつあり、教育レベルが南アフリカ周辺国よりも高いとのこと。また、産業は農業が主とのことだが、おそらく政情不安定な内陸国のため、埋蔵地下資源へのアクセスが難しい点が、経済発展の阻害要因なのだろう。後日、水の問題なども彼と話し、アフリカについて真剣に考えるきっかけになった。
3日目は、アウトドア授業。噂に聞く、いかだ作りを体験。
最終日は、Inevitableなmiscommunicationから学ぼうという視点から、シナリオビデオやロールプレイを通して、問題を見過ごさず積極的に解決に関わるActive bystandersの役割などを議論した。最後に、グループのnormやルールを決めることになった。うちのグループは、ruleとして週ごとにファシリテータ持ち回り、毎日授業のあとにグループミーティングをやることだけを決めて、あとは一般的なnormを共有するにとどまった。他のグループも、平日6:00pm以降や週末は集まらない等決めていて、だいたいそんな感じのルールだったようだ。

My own inner compass

スローンでの最初の1週間が過ぎ、スタディグループや同級生との濃い交流や授業の中で色々と思うことがあったが、突き詰めると、自分の過去、今、将来を見つめなおす時間がじっくり取れた。国連前事務総長のKofi Annanも、Sloan Fellowsに来てすぐ、チャールズリバーを歩きながら「自分は間違ったところに来てしまったか」と考えたそうだが、結局、“Follow your own inner compass ... know who you are, what you stand for, where you want to go, and why you want to get there.”に行き着いたそうだ。(http://mitsloan.mit.edu/fellows/meet.php)
自分の過去を振り返ると、コンパスは色々あったはずだが、やり遂げられなかった。野球選手、将棋のプロ棋士、数学者、等等。野球を除き、将棋と数学は、もし死ぬ気で続けていたら、今どうだったかと思うことがたまにある。ちょうど今日決勝が行われている将棋朝日アマ名人戦は、地元の同じ道場で切磋琢磨し、上京して全国大会を一緒に目指した仲間同士の対戦で、どちらも応援している。数学も、高校の授業が終わった後、地元の大学の研究室に通い詰めて没頭したが、東京に来て鼻をへし折られ、すっかり離れてしまった。MITのMathの建物にある掲示板を見ると、Goodwill Huntingの映像と打ち込んでいた時の高揚感が戻ってくる。夢が破れた後は、エンジニア、企業人の立場で日本社会を変革したいというコンパスをずっと持ちながらも、転職したり外国で働くリスクを取ったり針がグルグル回りながら今に至っている。チャールズリバーを歩きながら考えれば、次の針の未来の行き先が見えるのだろうか。立ち止まって考える贅沢な時間を大切にしたい。

2009年6月1日月曜日

スタディグループ発表

いよいよ今日からオリエンが始まる。4月のオリエンであった同級生とまた再会する。自己紹介したり色々話していると、この100人というクラスの規模(他校のStream/Cohort 2個相当)は全員を把握できる規模で、かつDiversityを担保できる意味でちょうど良く思えてきた。さて、奇しくもGM倒産の日に入学する我々のクラスを、Alfred Sloanさんはどう思うだろうか。昼食でDeanの話は結構いい話で、スローンに来るまで直線的にキャリアを走った人でも、過去に囚われて同じ道を歩み続ける必要は必ずしも無い、というもの。明確な目標があってボストンまで来た訳だが、スローンの学びの中で想定外の方向チェンジがあっても、それはそれでいい。Q&Aで、Harvardとの比較が面白く、Deanいわく、HBSはCase収益のビジネスモデルの呪縛があるが、MIT SloanはSloan Fellowsのような最適にカスタマイズしたプログラムを提供できるメリットを上げていた。

お昼の後に、スタディグループが発表。みんな早速、写真やBio Cardでお互いのメンバをチェックしている。私のグループは4名。まだ全員と会ってないが、経歴を見る限り一波乱ありそう。政治情勢から普通は相容れないと思われるバックグラウンドのメンバ同士が同じグループに。地域によって国境紛争や宗教紛争を抱えていて、職場でも暗に避ける組合せがある。他校で同様なメンバの組合せに当たった方が、ひどく仲が悪くて苦労した話を聞いていて、杞憂に終わればよいのだが。グループは絶対に変えてもらえないそうだ。日本の全方位平和外交の有り難さをこの時は感謝。