2009年10月31日土曜日

Electives (Fall H2)

今週から秋学期後半のH2が始まった。H2のElectivesについて幾つか出席してみて、継続的に聴講、またはCreditをとろうと思うものを整理しておく。

- 15.970 SSM on Financial Crises
Andy Loがセミナー形式でFinancial Crisesを扱う、現在起きている世界金融危機を扱う今年できた新しいクラス。Crisesと複数形であるとおり、過去の金融危機や航空機事故などの様々な危機管理から経験的に学び、将来の同様な金融危機を起こさないためのシステムづくりを議論するのが主な学びの予定だ。7回のセミナーで、ゲストスピーカもLTCMを含む破綻した金融機関などから大物が講演予定。人気のある授業だが座席数に制限なくクレジット取るかも。

- 15.386 Managing in Adversity
先学期まではタイトルにCEO視点の意思決定というWordが含まれ、毎回、現役のトップマネジメントが講演に来て、ケースベースで過去の意思決定の背景を学ぶ人気授業。メディアのインタビューにどう対応するか、危機に面して部下に何を指示するか具体的なシーンでの経験を聞けるので面白い。自分のキャリアにとってCEOはずっと先にあるか無いか分からないので役立つかは不明だが。クレジットを取ると毎回の宿題が大変らしいが、聴講はリラックスして聞けそうだ。

- 15.387 Tech Sales and Management
セールストークの練習をするクラス。B2BでTech pushのハイテク商品をいかに顧客ニーズに結びつけたストーリで売るかを学ぶ。毎回アサイメントがあり、簡単なプレゼンを作って持っていき、授業では先生がお手本を実践して見せるクラス。Videoで自分のセールスピッチを録画して提出するアサイメントもある。Sloan Fellowsの同級生は、Showmanshipはアジアでは不要だからとDropしていたが、私は米国でのセールスが仕事だったので、直感的にこのクラスは一番実用性があると思った。中途採用ながら社費でMBAに行けたのも、中国やアメリカでDealを取れた実績が大きかったが、本場のセールスのプロには全く及ばないと実感していたので。2yr MBAの米国人とチーム。これかAndy Loのどちらかでクレジットを取る予定。

- 15.391 Early Stage Capital
これも相当な人気クラスで、VCから開業資金をもらうまでの交渉をシミュレーションする授業。ファイナンスとしては独特の分野で新鮮で面白い。とりあえず数回のレクチャーもVC 101といった感じで、業界用語の解説に始まりVCとの交渉ポイントなどを学び、今後もLawyerや起業家を招いての授業もあるようで、聴講だけでも負担なく学びがありそうなので継続的に聞きに行く予定。

- 15.833 Business-to-Business Marketing
B2Bのマーケティング手法を学ぶ授業。初回から20人に満たないクラスで、内容も微妙だったので見送り。MBAで普通マーケティングというとB2Cのブランドとかセグメントの分析をやる専門的な仕事として確立しているが、B2Bは形のない(専門性がない)現場的な仕事と見られている。このクラスは、B2Bの定量化を目指して、販売目標管理や、顧客ValueをTCOで数値化したり、なかなか目新しい内容はあるのだが。

2009年10月29日木曜日

15.389B Global Entrepreneurship Lab (G-Lab) Asia Pacific

MITスローンのフラグシップ授業であるG-Lab。G-LabがあるからMITを選ぶ理由になるくらい有名で、受験中にMIT Sloan Podcastを聞くと、皆が口を揃えるかのようにG-Lab, G-Labと言っている。G-Labは、途上国のアントレプレナーをホスト企業として、マーケティング戦略などのコンサルティングをチームで行う、Action Learning型のクラスだ。地域別にクラスが分かれ、Latin, Asia, Africaがあり、AfricaがHealthcare deliveryにフォーカスしている。秋学期中は電話などのリモートで、1月のIAP期間の3週間は現地に滞在してプロジェクトを行う。私は家族の事情もあり、家を長く離れるのは心配だった。が、アジアでのビジネス開発への貢献は、会社に入る前から私の職業観で一番の目標であり、既に経験者ではあったが地域の幅やネットワークを広げたくて、G-Labを取ることにした。当初は、これまで全く縁が無かったラテン(ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイ、メキシコなど)や、アフリカ(Kenya, Uganda, Tanzania, Ghana, Zambia, Rwanda, Malawi)を検討していたが、日本人の同級生から仕事を考えるとアジアがやはり一番役に立つよと言われて、アドバイスに従いアジアを選んだ。その期待どおりか、Sloan Fellowsの5月のInternational Tripは、南アフリカとブラジルになり、幸運にも未踏の2大陸を経験できる予定。実際、昨年と同じインドとトルコなどのアジアだったら、International Tripは行かなかっただろう。
さて、私のG-Labプロジェクトは、欧米バイクメーカのアジア進出。Sloan FellowsのOBが、現地子会社のCEOで、ベトナムで現地生産を始めASEANから中国に拡販するマーケティング戦略が、今回のコンサルプロジェクト。中国国境近いベトナム北部には、政府が工業団地を建設して海外メーカの誘致を進め、日系メーカも効率的な労働力を求めて中国から工場をどんどん移転し始めている。ベトナムは、製造業にとって重要拠点として注目を集めているが、他のASEAN国に比べると進出はまだ始まったばかりで興味があった。チームは、私の他はFellows, LGO, MBAから1人づつで、男女、国籍、バックグラウンドも多様。ホスト企業と定例のテレコンを通じて、少しづつビジネス感覚を掴みつつある。

2009年10月28日水曜日

15.433 Investments (mid-term paper, CFA)

Full-termの授業のうち幾つかは、Mid-term exam(中間テスト)がある。Investmentsも中間テストがあったがイマイチの感触だった。グループのAも同様な感想で、成績を悪くしたくないのでDropするかもと言う。彼は医者(Medical Doctor)なのだがなぜか投資に強い興味があり、今年はSloan FellowsでMBA、来年はHarvard-MIT Bio Medical Enterprise ProgramでSMを取る珍しいDual Degreeのカリキュラムだ。 一緒にCFA level1受験予定だったが、彼は12月、私は6月に延期してしまい、私から見て彼の方がずっと出来るのだが。

2009年10月25日日曜日

15.902 Strategic Management

デルタモデルで有名なArnold Hax (ハックス)教授の15.902 Strategic Management. ハックス教授は戦略論の重鎮として、ハーバード、MITで30年以上に渡り教鞭をとっている。秋学期コア科目の一つで週3回、レクチャーとケースで進む。デルタモデルは、Michael Porter以来の競争戦略から、ハックス教授が重視する顧客やパートナとの友愛戦略を統合しており、その戦略の企画から実行プロセスのツールまで体系化している点が特徴。著書"The Delta Project"は、日本語訳もされている。授業も、愛嬌のある教授のリードで、なごやかな雰囲気で進む。
私のTake awayとしては、脱コモディティ・顧客重視を徹底して教えられた点だと思う。他の人には当たり前のことのように思われるが、私がいた業種はコモディティ化こそが利益の源泉で、なかなか信じるのは難しかった。いわゆる10兆円産業と呼ばれる通信、自動車、半導体は、成長期にシェアと規模を追求し、低価格化・高品質化の競争に勝ち抜き、業界で1,2位を占めた段階で残存者利益を長期に享受できるというモデルだった。コモディティ化は、利益率は低くなるが、利益の絶対規模は大きく、資本コストの論理が働かない日本の金融システムに良くも悪くもマッチしているというのが一般的な見方だと思う。というわけで、最初は授業を懐疑的に聞いていたが、ハックス教授は顧客重視の重要性を繰り返し毎回のクラスで力説され、授業中に学生からどんな反論が出ても、全くぶれることなく原則論を押し出してくる。これを見て、タームの半ばくらいから、こんな戦略論の大家が一途に信じることだから真剣に聞いてみようと思い直した。授業後に、何度か質問に行って自分の業種について話すと、それは顧客の選び方自体が間違ってるとか、明確にフィードバックをくれた。Final Paperを自分の会社についてデルタモデルで分析すると良いCap stoneになった。

2009年10月24日土曜日

15.991 Managing Technologial Innovation

HBSからMITに移ったAlan MacCormackが教えるInnovationの授業。Fall Term前半(H1)のコアクラス。Sloan Fellows Programの正式名称には、Innovation, Leadership, Globalの3つの名前が入っており、秋からコアクラスでInnovationを学ぶ。この授業は、毎回ケースディスカッションで、個々の商品・サービスの仕様検討に始まり、実証実験、実行段階に続き、最後に組織学習まで進む。クラス名にTechnological Innovationとあるのは、技術的なチャレンジがある商品やプロジェクトにおける、教授がラムズフェルトから引用した"unknown unknown"と呼ぶ、将来が不確実な状況での意思決定をテーマとするため。フレームワークとして、プロジェクトポートフォリオやリアルオプションを部分的に扱うが、基本的にはプロジェクトマネージャやトップマネジメントの視点で実践的にソフトスキルを磨くのが主眼だった。ケースは、IDEOなどの有名ものを除き、教授がHBSで製作したものでイリジウム計画や火星探査船からVirginまで最近の面白いケースが多かった。
Take awayとしては、日頃の仕事と非常に近く、授業と過去の経験をマッピングさせながら実感を持って学べることが多かった。例えば、アメリカで開発の仕事をしていた時に、プロジェクトNPVを使えばもっと論理的に主張できたんじゃないかとか、また、不確実性の高いプロジェクトは予算のバッファ的な位置づけで、昨今の不景気でどんどん削減されているが、逆にポートフォリオを歪めて企業価値を損ねているんじゃないかとか考えさせられた。

2009年10月23日金曜日

SIP: Kindling Your Creativity

SIPの最終日に、SF-onlyのKindling Your Creativityを受講。火曜日のManaging Conflictと同じ先生で、自己分析に始まりグループワークとそのリフレクションで一話完結型。両方の授業とも、コアのリーダシップの授業と比べて、手を動かすのでいいリフレッシュになるしTake awayが明確な点が良かった。Creativityの方は、各人の発想スタイルをClarify, Ideate, Develop, Implementに分類された上で3人のチームを組む。そして、簡単な図工の作業を通じて、グループ内のCreativityスタイルの多様性を活用しようと試みる。例えば、私のチームは皆、Ideate(斬新なアイデア出し)が苦手な人が集まったので、皆で色々なアイデアを出そうと試みながら作品を仕上げ、自分達ではうまく弱点を克服出来たと思った。が、リフレクションで、先生に色々指摘をされてみると、最初のデザインに固執してアイデアが発展しなかった点や、まず手を動かして作りながらデザインを後から決めるという発想法自体が、メンバのスタイルそのものだった。面白いもので、別のチームはアイデア出しが好きなメンバが集まっていて、時間内に完成しなかったが、皆で延々と凝ったデザインを議論したようで、独創的なものが出来つつあった。

2009年10月22日木曜日

SIP: Leadership as Acting

SIPらしいユニークな、シェークスピアの演劇をやってしまう授業。4日かけて発声法トレーニングや、セリフを覚えたり、各シーンについて皆で議論しながら準備して、最終日に聴衆を集めて本番を演じる。シェークスピア劇は、レトリックが豊富で政治家の演説や映画のモチーフになることも多いらしく、たしかにオバマ大統領の演説やスターウォーズのシーンに似ている部分に気づかされることがあった。自分で好きなシーンを選んで演じるのだが、意外にもその登場人物と過去に似た経験があったり(仕えたボスが急に追放される等)してそれぞれ思い入れがあるのが意外だった。日本語でも反語的な言い回しの声の調子なんか難しいのに、英語でストーリに合わせた細かい感情表現や立ち振る舞いを要求されて、Public Speakingの良い練習になった。特に、私は出来が悪かったので、授業の後に少し残されて発音や話すスピードを個人指導された。皆で音楽や照明、衣装などを相談して、手作り感のある楽しい授業だった。

2009年10月21日水曜日

SIP: Decision Making (Michael Armstrong)

AT&T元会長のMichael Armstrong氏の講演を聞いた。Amrstrong氏が歩んできた企業の歴史(ヒューズ、AT&T)を聞けると期待してきたが、実際は氏が実際に決断したDecision Makingのクイズを授業内で行い、ちゃんとしたレクチャーだった。Priority, Downside Risk, Team Capability, Separate ME, No assumptionという5つのフレームワークでトップは決断すべきと教えられる。どのエピソードもなかなか面白かったが、特にSperate MEという、トップは自分の立場を政治的に守る欲求を捨て、会社にとっての最善を尽くすべしという点が、Armstrong氏らしく一番参考になった。

2009年10月20日火曜日

SIP: Managing Conflict

今週はSIP期間での授業を取っている。顔見知ったSloan Fellows限定の少人数クラスも気楽でいいかと思い、"Managing Conflict"を受講。交渉術のクラスではあるが、相手を説き伏せるテクニックを学ぶというよりも、自分の交渉スタイルの得意不得意を知り、普段とは違うスタイルが与えられロールプレイした。Competing, Accomodatingという常にドミナントで対極的なものから, Collaborating, Comprimising, Avoidingという相手次第で中間的なものまで様々。人のプレイを観察するのが面白くて、見事に普段と違う自分を演じる人もいれば、普段のスタイルが滲みでてしまう人もいて面白かった。ちょうど午後の"Leadership as Acting"も皆で演じるわけだが、ANTONYのCaesar追悼演説シーンで巧みに民衆をカエサルの死の悲しみからBrutusへの怒りに煽る部分を、最初から怒りの一本調子で演じてしまった人がいて、容赦なく注意されていた。授業の場で、意図的に演じようとしても難しいのだから、実際のビジネスで自在にスタイルを変えるなんてもっと大変だ。

2009年10月19日月曜日

HKS Open House

今日から学校はSIP期間。Harvard Kennedy SchoolのOpen Houseに朝から行く。9月から月一回くらいのペースで開催しているようで、MPP/MPA全プログラム合わせて50人くらいは来ていたかな。午前中はアドミッション説明会、ランチはStudent Ambassadorと一緒にとって、午後は授業見学という流れだった。Program Directorの話を聞くと、HKSに来る学生の90%はPublic Sectorに何らかの形で以前に関わった職業経験があるそうだ。実際、対応してくれた学生の話でもPrivate SectorからNPOへ転進するために来たという人もいた。ランチの間、HBSとのCross Registrationをどう活用してるかとかAcademicの話に加えて、Familiy Communityについて雰囲気を聞けたのが収穫だった。MITの授業に一度戻った後、夕方のクラスを聴講した。HKSはビジネス向けの講義があまり多くないのだが、HBSから来た教授がReal Estates Financingを教えているクラスをチョイスした。ケースだったが、SloanやHBSと比べても少人数(20人くらい)だったので発言の機会が多そうだった。春学期はHKSの選択授業を履修するかも。

2009年10月18日日曜日

SIP: Sloan Innovation Period

秋学期のH1とH2の合間の一週間は、Sloan Innovation Period (SIP)と呼ばれる。通常の授業がお休みになる代わりに、主にリーダシップ関係の半日~数日クラスが提供されている。SIPは、Regular MBAは単位を取るのが必須になっているが、Sloan Fellowsは、単位にカウントされず自由参加なので、休暇としてリフレッシュするのも可能だ。秋学期の選択科目と同様、Biddingがあり、Sloan-Fellows onlyの少人数クラスとRegularと共通のクラスがある。SIPの本来の目的は、普段の授業と違うことに挑戦しようというもの。私も、秋学期はファイナンスに集中するあまり、ソフトスキルに目を向けていなかったので、SIPだけは苦手なリーダシップ関係を取ることにした。夏学期の360 Degree Evaluation InterviewのカウンセラーがLeadershipの教授で、私自身の内面を掘り下げて的確なアドバイスをくれたので、その際に推奨された彼女が教える授業(Leadership as Acting)を取ることにした。

- Leadership as Acting (Chris Kelly)
ロールプレイをやるクラスと思ってBidしたが、アサイメントでシェイクスピアの「ジュリアスシーザー」の台本が送られてきて、実は本当にActing(演劇)するクラスだと気づいた。4日かけて全身で表現することで、リーダシップが発揮されるそうでSIPらしい変わった授業。想定外だがDropはもう出来ないし、英語で劇など一生やらないと思うので出席するつもり。

- Managing Conflict (Pat Bentley)
交渉術をやるSF-onlyの半日クラス。アサイメントで自分の交渉パターンを分析したが頷けるものだった。

- Kindling Your Creativity (Pat Bentley)
プレゼン術を磨くSF-onlyの半日クラス。最近久しぶりにパワーポイント資料を作ってみて、改めてセンスの無さを自覚したので取ることに。

- Decision-Making: The Key to Leadership (Michael Armstrong)
AT&T元会長のMichael Armstrongがゲストスピーカとして講演する。学生時代に法学部ゼミで日米テレコム規制を議論したのが懐かしくなって取ることに。SIP随一の大物スピーカで期待。

- Conversation with a CFO (Paul Asquith)
ファイナンスで有名なAsquith教授が持つSIP授業。他と時間が重なっているが出てみる。

この他にSIP期間中は、H1のコアクラスのFinal Paper2本と、Harvard Kennedy SchoolのOpen Houseに行く予定。

2009年10月17日土曜日

Mohawk Trail

先週に続き紅葉ドライブへ。ローカルの同級生のお勧めで、モホークトレイル(Mohawk Trail)に。聞いたことのない地名だったが、地球の歩き方、ボストン・イングランド編にも写真つきで特集されていた。CambridgeからRoute 2沿いにずっと西へ、道沿いの紅葉ドライブを楽しみつつ2時間ほど向かう。紅葉は見ごろを少し過ぎていたが、田舎の山道の雰囲気を存分に楽しむいいドライブだった。途中のRest Areaでリンゴを無料でもらいつつ、パンケーキが美味しいと有名なお目当てのお店にまず到着。Gould's Suger Houseというお店で、2号沿いにShelburneに入って数km先の右手側の赤い屋根が目印。駐車場に車がいっぱいだったので、すぐに分かった。時間によってはかなり並ぶと聞いていたが、運よくテーブルが一つ空いてた。パンケーキの方は、全米から人が集まると聞く期待ほどではなかったが、自家製メープルシロップは香りもよくほんのりした甘みが美味しかった。25セントのメープルシロップ味のソフトクリームが美味しく、家族が喜んでいたので良かった。IKEAの50セントのホットドックを超えるコストパフォーマンス。
帰りの途中、チャールズリバー沿いはレガッタ大会で人がいっぱいだった。家に着いて風呂に入ると、夕方から寝てしまった。秋学期に入って以降、ひさしぶりに家族と過ごせるオフ日で、疲れが貯まっていたようだ。

2009年10月16日金曜日

15.402 Finance II

15.402 Finance IIを、Nittai Bergman教授が教えるFull Termコース。秋学期の中間まで進んだところだが、内容はCFOの視点で資金調達をDebtかEquityかが毎回問われるコーポレートファイナンス。Sloan Fellowsでは、夏学期コア科目15.414でNPVに始まりCAPMまで幅広くファイナンスの基礎を講義中心に学ぶのに対して、選択科目15.402 Finance IIは講義とケースで財務戦略に特化して実践的に学ぶ。これまで、成長企業の長期資金をどう調達するか?、季節変動の短期資金をどう調達するか?、資金ショートしたら貸し手とどんな救済策を交渉すべきか?、自社株買いは誰に何のメリットがあるか?などをテーマにしたアサイメントが毎週あり、実際に手を動かして財務分析を行う。午前に同じコースを別の教授が教えているのを一度聞いたが、Bergman教授の方が教科書の"Analysis for Financial Management" (Robert C. Higgins)に沿って良く構成とストーリが練られている。H2以降は、バリュエーションを学ぶ予定。ListnerとしてRegisterするまで、何度か頼み結局サインをもらえた。

2009年10月15日木曜日

15.545 Mergers and Acquisitions (H1)

15.545 M&AをSerdar Dinc教授が教える。秋学期はファイナンス系の選択授業を広範囲に取っているが、単位数の制約からH1でクレジットを取るのはM&Aだけで、他は全て聴講になる。バリュエーション(DCF/WACC, APV)の基本スキルがケースの前提になるため、Finance IIがPre-requirementになっているが、教授に交渉すれば免除してもらえた。Serdar Dinc教授は、KelloggからのVisiting Professorで、Kelloggでは学生の人気投票でBest Professorに選ばれたこともあるらしく、たしかに講義、ケース、アサイメントが10回しかない授業にコンパクトによく纏まっており、初めてM&Aを学ぶ私には非常に分かりやすかった。来年春学期でMITを離れるようで残念。講義は、友好的・敵対的買収、買収防衛策が中心で、主にファイナンスの側面でシナジー効果のバリュエーションからBidding戦略までを学んだ。授業数の制約から、M&Aの教科書によくあるターゲット選定や合併後オペレーションなどはなく、あくまでファイナンスの授業としての位置づけだった。ケースは、食品と鉄道のBillion $以上の大型案件だった。Takeawayも明確で、食品ケースでは、たばこ会社が食品へ業態を移すため買収先マネジメントを巧みに味方に引き込んだ点や、鉄道ケースでは、買収防衛策それぞれの活用方法とProxy Fightの展開について学ぶことが出来た。

2009年10月14日水曜日

15.433 Investments (GMO Foundar)

秋学期H1も今週で最終週になり、クラスメートとどの選択授業が一番良かったか?と話す機会が多いが、私が聞かれる度に毎回、断然一押ししているのが、Cohen教授が教える15.433 Investments。今日は、授業のケースでも扱ったGMOのFoundar, Jeremy Granthamがゲストスピーカ。先日のBaupostのSeth Klarmanに続き、Value投資に基づくファンドの創業者が、彼ら自身の目線で投資戦略を語る。GMOのケースの授業でも書いたが、Grantham氏は1970年代にボストンでファンドを創業して以来、クオンツの先駆けでもあり、市場の趨勢を見極めメディアでも発言し続けている。今日の講演も座ったまま静かな姿勢から、一言一言が恐ろしくロジカルで力強かった。講演者の名前を書いてしまうと、講演内容について具体的に紹介できないのだが、感想だけ一言で書けば、30年以上に渡るファンドの成功は、Grantham氏の強さ、投資姿勢の継続性にあると思った。先日ボーゲル塾でお会いした日系の信託銀行の方と、バリュー投資について会話する機会があり、結論として理解できたのが、バリュー投資は理論的には極めて簡単だが、セル・バイサイド両面から実践は難しく、その理由が10年以上の長期に渡り一人の人間がその人自身の責任で続けることが難しいということ。日系、外資によらず、機関投資家も担当者から運用責任者までサラリーマンであり年単位の成果で報酬や昇進が決まるし、トップマネジメントも10年同じという状況はまずない。逆に、バリュー投資で成功できるのは、ファミリービジネスの社長や創業家が強い会社などに限られる。

Media Lab - Open House

今週、メディアラボはスポンサー企業向けのオープンハウスをやっており、ラボでのデモ見学や各種ワークショップなど盛りだくさんの企画がある。会社から幹部が来訪しており、授業の合間に、私も一緒に附いて回ることに。オープンハウスのイベントに合わせた最新の研究成果のデモもあり、この機に初めて見学できたラボも多かった。来年から建物が移動するそうだが、今の居室とラボが渾然一体とした雰囲気も慣れると活気があって良さが分かってくる。あるプロジェクトで教授とのミーティングがあり、まだ要素技術の域を越えていないが応用次第で大きく化けそうな案件についてブレーンストーミング。皆乗り気で面白い技術ではあるのだが、進めるとしたら会社とメディアラボのクローズなプロジェクトになりそう。Sloanと共同授業のDevelopment Venturesとかのオープンなプロジェクトなら人集めも出来るが、自分がどこまでコミットできるか躊躇してしまう。教授が他に持っている授業もあり、秋の途中からでも来ればと言われて検討中。

2009年10月12日月曜日

15.015 Macro & International Economics (H1)

15.015 マクロ経済学をRoberto Rigobon教授が教える。Rigobon教授の独特のTeaching Styleに好みの分かれる授業だ。夏学期のミクロ経済学がほぼ教科書に忠実に競争・独占市場のDS曲線を用いて定量的なフレームワークを詰め込んで学んだのに対して、秋学期のマクロ経済学は全く数式を使わずにISLMとBBNNのシンプルなモデルだけで多くの国のケースを説明していく。Rigobon教授が中南米出身ということもあり、アルゼンチンやスペインなどラテン系の小国が多くてアジアが少ない分、私には新鮮だった。経済政策の失敗学とも言うべく、政治が不安定で中央銀行もまともに機能せずに、通貨危機やハイパーインフレーションに追い込まれる状況を扱う。固定相場制下での為替政策を説明しやすくするため、BBNNという縦軸に為替(横軸は普通に需要)をおき、失業率、国際収支、生活水準の"不均衡"を表現するモデルを用いる点も独特。分かりやすいさが追求される余り、ケースが消化不要で一般論に終始した点だけは残念。日本経済の90年代来の状況も、日銀がStop-and-Goのタイミングを見誤った金融引締めを繰り返しているという一言で片付けられてしまった。後日、Vogel塾の勉強会で官僚の方が日本経済の政策議論を整理された話を聞いて、日本のことは日本人から深く学ぼうと思った。
シラバスはこちら。
http://web.mit.edu/rigobon/www/Robertos_Web_Page/15.015.html

2009年10月11日日曜日

White Mountains, NH (紅葉)

紅葉のホワイトマウンテンズへ。Cambridge周辺もすでに紅葉が始まっていて、100マイルも北のニューハンプシャーは既に終わっているかと思っていたが、紅葉前線をWebで見るとホワイトマウンテンはちょうど今、Peak。ピークといっても、ホワイトマウンテンは山域が広く幾つかの谷を挟み高低差もあるので、数週間に渡って楽しめそうだ。New Englandの紅葉は、もう本当に美しかった。山が平坦で広い分、見渡す限り赤と黄色と緑の鮮やかなコントラストが視界いっぱいに広がっている。妻の家族がちょうど滞在しており、ドライブしながらちょっと展望台に立つ気軽さで、谷一面が絵画的に染まる感動を味わえた。日本では、上高地から歩く涸沢カールの紅葉が一番ダイナミックだと思っていたが、New Englandの紅葉は壮大さに本当に驚いた。近場では、家から見渡すBlue Hills方面や、Wacchusettsもこれから見ごろだと思うので、週末に足を運びたい。ホワイトマウンテンでのドライブルートは、I93, R112, Bear Notch, R302で2つの谷を越えて一周でき、特に峠道のBear Notch沿いが良かった。