2009年11月3日火曜日

15.387 Tech Sales and Management

H2から始まったTech Sales。毎回、商品と顧客が設定されたミニケースを元にロールプレイを続けるスタイルは変わらないが、これまで授業ごとに明確なTake awayがある。商品の仕様ではなく顧客のベネフィットに置き換えてアピールすること、特にプレゼン相手の上司が関心を持つバリューに留意することなど。Steve Jobsのプレゼンの秘密と題したBusiness Weekの記事がポイントをよく纏めている。
http://images.businessweek.com/ss/09/09/0929_jobs_presentations/
これらは当然の話であり、プレゼン資料に盛り込むことは簡単だ。しかし、これを顧客に質問を繰り返しながら、顧客自身に商品が満たすニーズを告白させるのは難しい。宿題のビデオを撮りながらパートナと練習して初めて実感した。例えば、ネットワーク監視装置を売り込みたい時、いきなり「この装置はXX秒前に問題を検知できます」と仕様の説明を始めても、顧客は興味がない。代わりに、売り手「御社のネットワークが急速に大きくなってますね、次世代のネットワークは誰が設計してますか?」→買い手"弊社のエンジニアです"→「ではエンジニアの皆様はお忙しいですね、日常的な問題対応の負担は減らしたいですね?」→"ええ"→「もし、問題を未然に検知できたとしたら、どう対応しますか?」→"発生前にメンテします"→「とすると、例えばXX秒前に問題が検知できれば、どれくらいメリットがありますか?」→"問題対応に忙殺されていたエンジニアを半分くらい、設計の仕事に振り分けられます"と顧客自身にニーズを語らせる。こう聞くと、セールスのスキルは、人に行動を促す非常に汎用的なもので、部下への指示から、起業家のVCピッチまで活用できそうだ。
この授業の教授の一人であるProf. Auletは、コールドコールの多い授業で緊張感もある。Sloan Fellows卒業生でもあって、ちょうど授業の夜にあったAlumniパネルでは、Fellows内の気安さもあってか、彼自身の起業を決めた経緯や日頃のストレス解決法までフランクに語ってくれた。IBMを長年勤めて起業のスタートは遅かったものの、その分、大企業ならではのトレーニングのメリットを活かして、色々なスキルを身につけたことが、起業家へ進むのに大変役に立ったとのこと。MBAの選択科目は、初めて学ぶ人向けによく練られているので、できるだけ幅広く取ろうと思っていて、Tech Salesはその一つでもある。

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