2009年11月4日水曜日

Google CEO Eric Schmidt講演

Google CEOのエリックシュミットがMITで講演をするというので、聞いてきた。先月には、オバマ大統領が同じホールで、Clean Energyへの積極投資を謳う講演をしたばかりで、著名人の来訪が続く。エリックシュミットは、エンジニアから経営者となった一つの目標像。言語解析を専門とする生粋のソフトウェアエンジニアで、Bell LabやXerox PARCを経て、SunのJava開発をリードした。NovelのCEOだったところを、Googleの創業者であるLarry PageとSergey Brinの2人とともに、経営を担うことになった。他の2人が表に出てこない一方で、エリックシュミットは対外的なGoogleの顔である。
講演の内容は、Honorの教授を偲ぶ冒頭から、GoogleがInternetをどうRe-engineeringしようとしているか?から始まった。どこでも同じことを答えているが、世界中のバラバラで大量の情報を統合するというビジョンに始まり、オバマ大統領にかけて風力発電などでCarbon Offsetに早くから取り組んできたことを語る。インタビュワーは、Microsoftなどとの競合に話を振ろうとするが、エリックシュミットは軽くかわす。会社としては、ストリートビューや著作物のデジタル化で世界中で訴訟を抱え、OSや企業向けサービスで競合の既存ビジネスを激しく侵食しているが、エリックシュミットだけは柔らかい笑顔と語り口でGoogle脅威論を和らげるのが、まさに彼の仕事のようである。同じ西海岸のエンジニア出身のビルゲイツやラリーエリソンがだいぶ攻撃的な経営者なのと比較して、彼のスタイルは独特だ。世界中がGoogleの動向に関心や懸念を寄せる中で、メディアのインタビューを数多くこなしている。いつもソフトかつシャープな語り口で、壮大なビジョンを語る彼のスタンスは、以前からFT.comのView From the Topなどで感嘆とともに見ていた。インタビューでは事前に質問リストが渡されているだろうとはいえ、簡潔かつ明快な応対は、エンジニアらしく頭が非常にクリアに整理されているんだろうなと思う。Sloan FellowsのLeadership Seminarでは、東海岸の大企業や軍人などが多くて、大仰な言い回しに最近ようやく慣れてきたものの、久しぶりにエリックシュミットの話を聞くと、余計に差が際立って良く聞こえる。

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