2009年7月31日金曜日

イタリア聖人祭

ボストンには、ニューヨーク同様に中華街とイタリア街がある。中華街は何度か行っていたが、金曜の夜に、初めてノースエンドのイタリア街へ。Saint Agrippinaという聖人のお祭りで、Hanover st.沿いに出店が並んでた。Saint Agrippinaは、Webによるとブロンド美人で皇帝に殺されて、シチリアに渡って聖人になったそう。たしかに、通りを練り歩く神輿の中のご神体は、若い女性の感じだったかな。
http://www.saintagrippinaboston.com/
夕食は地球の歩き方にも出てるDaily Catchで、Homemade Black Pasta (イカ墨パスタ)と、ムール貝の蒸し物(シシリア風で、レモンの酸味がバターと合って美味しい)などを頂く。これまた定番らしいMike's Pastryでケーキ3点を買って帰った。地下鉄で街中に出かけたのは久しぶりでたまにはいいかな。来週末は、タングルウッドにYoYo-Maのショスタコービッチを聴きに行く予定。YoYo-Maは小さい頃から好きだったので、生演奏を聴けるなんて一生ものの楽しみだ。

Brazilのエタノール

15.778 Operation Managementでは、多数のVisitor Speakerセッションがある。一人目は、ブラジルのエタノール製造会社で、サプライチェーンを統括するマネージャ。前日深夜にブラジルから到着し、午後には帰国するという超短期滞在での講演。同社は、エタノールの製造から物流まで一環して担い、ブラジル北西部を主産地とするSugar Cane, Corn等の原料の調達から、サンパウロ等の国内消費地への陸上物流、さらには米国への海路での輸出まで、その現在の課題を語ってくれた。エタノールと言えば、アジアや欧州では馴染みが薄いが、南米・北米では環境にやさしい自動車燃料としてガソリンの代替(混合)が期待されている。自動車側とガソリンスタンドのインフラの対応が必要で、アメリカで私の知る限り、E10(10%混合)は中西部からテキサスでも散見される程度で、混合物と気づかずに入れてしまうことが多いことを差し引いても、普及度は今ひとつの印象だった。ハイブリッド等のEV、燃料自動車と競合しながら、需要を増やすには、やはりコストが重要になりそうで、そのために、効率的なサプライチェーン構築が急務とのこと。ブラジルでは既に相当な割合で普及しているようで、国内の生産地から需要地へパイプラインを建設する計画もあるそうだ。エタノールにパイプラインとは大げさな印象だったが、ブラジル国内の道路インフラ不足は深刻なようで、複数の生産者と共同であればペイするレベルらしい。輸出に伴う海外輸送でも同様で、ブラジル側の港湾インフラが不十分なのと、石油とタンカーを相乗りできない分、経済的でないらしい。日本では、エタノールの輸入を、別のブラジル企業と、双日が手がけている。
http://www.business-i.jp/news/special-page/jidai/200907290002o.nwc

2009年7月25日土曜日

Golf Brookline Course

SFの日本人同級生の方が主催されたゴルフコンペに初参加。ブルックリンにあるPutterham Meadowsというpublic courseを回った。場所もケンブリッジから30分かからない便利さで、市が運営しているためか、週末でも$40で電動カート付と格安。18ホールを、1打目は3番アイアン、それ以降は7番でひたすら刻んでいき、進行の足を少しでも引っ張らないように走るが、同グループの方に配慮いただき十分に楽しめた。これから夏の間は、月1,2回のペースで行けたらなと思う。待望のマイクラブは、Nikeのアイアンセットと諸々一式を、Amazon.comとtgw.comでオーダ。

2009年7月23日木曜日

15.414 Financial Management

Financeの基礎を、Andrew Lo教授が教える。Andrew Lo教授といえば、Finance Engineeringのスーパースターであり、第一人者からFinanceの基礎を学べるのは、Sloan Fellowsの特典の一つでもある。有名教授でも教え方がうまいとは限らないが、教授の授業はコンセプトにフォーカスしながらも、背景となる統計や数式の考え方をしっかり解説している。教授いわく、Sloan FellowsのクラスはRegular MBAと比較して、質問が多いのが特徴で、教える側も一緒に学べるから好きだ、とリップサービスも忘れず、Fellowsでの人気も高い。このクラスは、債権の金利構造に始まり株式から派生証券の価格付け、ポートフォリオ理論までFinanceの基礎をカバーする。時折、教授自身が作ったヘッジファンドでの運用について、さらりと触れるあたり、奥ゆかしさもある。宿題のワークロードも、Summer H2コア科目の中では比較的高い。
今日は、トレーディングルームで、株式取引シミュレーションゲームを行う。後半のMarket Efficiencyの講義に対する伏線とも言えるシナリオで、市場にリークされたプライベート情報が株価にどれくらい速く織り込まれるかを実験するものだった。実際に参加してみると、自身の情報と市場の値動きから理論株価が定まるはずなのは分かっても、値動きが合理的でなく理論株価に収束しなかったため、安く買い高く売るを繰り返して値鞘を稼いだチームが一番、儲かっていた。この結果が、市場参加者が極端に稚拙だったためか、Efficient Market Hypotheis (EMH, 効率的市場仮説)が本当に間違っているためかはさておき、Financeバックグラウンドのない人には、市場取引の雰囲気を味わいながら、市場の効率性について考えるいいきっかけになったと思う。当日にメディア(WSJ?)の取材が来ていた他にも、つい先日のFinancial TimesのMarket欄では、Andrew Lo教授のコラムで、教授自身が提唱するAdaptive Market Hypothesis (AMH, 適応的市場仮説)が紹介されていた。AMHに従った市場像は、特定の取引パターンを持つグループの環境適応、自然淘汰の繰り返しになるとされ、金融危機のアノーマリの昨今にあって、学説自体も時流を得ているように見える。EMHに対して星の数ほどある投資手法の有効性を実証する論文には、絶えずデータマイニングを疑う反証が付きまとう一方で、AMHは仮説自体が定量的でなく反証が難しいのがアクティブ運用関係者にウケるポイントか。

2009年7月22日水曜日

15.778 Mgmt of Supply Networks for Products and Services (Operation Management)

H2のコア科目がスタート。Operation Managementの授業は、Bitran教授がSupply Chainをテーマにした7つのケースを教える他、Visitorのプレゼンが多く入っている。明示された教科書やフレームワークが無く、レクチャーが少ない分、ケースへの取り組み方が大きく学びを分けそうな授業だ。
初回は午後いっぱいをかけて、Beer Gameというサプライチェーンのシミュレーションゲームを皆で行う。Beerを模擬したコインを、直列4型(工場、販社、卸、小売)で流す。各段階の間に発注から配送まで4期(週)のかなり長いレイテンシを持つのが特徴。在庫と在庫残不足(Backlog)のコストをネットワーク全体で最適化したチームが勝ちという情報は与えられるが、チーム内でゲーム中に戦略を話すことは禁止されている。ここまでがルール。私は製造業なので、在庫管理は専門ではなくても、実務で不良在庫を作った苦い失敗経験を人並みに持っているが、ゲームでは経験が全く役に立たなかった。今回のゲームは、ビールという需要変動が激しい商品で配送レイテンシが長い分、ウィップ効果が大きいと予想できた。そこで、小売、卸、販社のメンバとは、出荷量と発注量を常に一致させる単純戦略を取ろうと話をした。ただ、いざゲームが始まってみると、Backlogに慌てた最上流(工場)のメンバが発注をバッチ的に増やして、一瞬で相当な在庫を抱えてしまった。上流ほど安全在庫が多くなるのが一般的ではあるが、どうも彼女は在庫=コストという視点が薄く供給目標の推測を放棄してしまったようだった。自分が最上流でPlayすべきだったと気づいた時には、時既に遅かった。
ゲーム後のレクチャーは中々面白かった。実は需要は常に一定だったと知らされたり、チーム内での心理学的要因(チームゲームと分かっていても自分の役割にフォーカスしがち)の解説がとても示唆的だった。メーカとしても、需要予測の精度は、短期の生産計画だけでなく長期の設備投資を適切に計画する上でも重要だが、色々な思惑が働いて精度が上がらず、その結果が分かる数年後には誰が責任を取るのか分からず、反省されることも無いという指摘には、耳が痛い。このゲームはSloanのSystem Dynamicsチームが作って以来、結構頻繁にやっているようで、よく練られたゲームだと思った。特に、カジュアルにやらせようという配慮が随所に見られ、本気でビジネスゲームとしてやるとストレスが大きいためらしい。

2009年7月20日月曜日

Golf shopping

またゴルフの話題。週末にコンペに初参加予定で、妙にやる気が出る。韓国人の同級生達もゴルフの話題となるとランチでもメールでも話が止まらない勢いで、待ちきれない様子だ(と勝手に解釈)。学校が終わってすぐ、ダウンタウンのゴルフ専門店へ。Webで調べる限りでは、専門店はボストン市内には"Leeder Board Golf"の一店舗しかなさそう。平日6時までしかやってないので、なかなか行くチャンスがなかった。Sloan 101のページでは以前は3つほど同様な店があったようだが、2つは閉店してしまった模様。車でも行けるが、チャイナタウンにも寄ろうと思い、たまにはTに乗ってSouth Stationへ。ゴルフ用具は全く詳しくないが、たいていのブランドは揃っているようで、Callaway, Nike, Mizuno, Adams, など色々。試打スペースもある。中古は扱っておらず、新品のみ。アイアンセットだけでCallaway 8 iron setsで$500~で、全てそろえると$1200-$2000くらいか。払えない額ではないが、腕に不相応にいい道具だけ持つのは恥ずかしいので、同級生のアドバイスもあり、しばらくはレンタルか入門セットで続けて、自分に合うお買い得品をじっくり選ぶことにしようと思う。COSCOでなら入門セットが$150~売っているそうだ。店員さんは売る気がない素っ気無い対応だったが、中古セットはどこで買えるのか聞いたら、Callawayの official preowned siteを教えてもらった。古いモデルは結構お買い得のようだ。細かいスペックの見方が分からないので、近いうちに同級生に聞きながらオーダするかもしれない。
http://callawaygolfpreowned.com/

2009年7月19日日曜日

Cape Cod camping

Cape Cod へ一泊2日のキャンプへ。3日間のんびりするつもりが、2日になり駆け足になってしまった。キャンプサイトは、Nickerson State Parkへ。500張近い大きなサイトだが、美しい湖を囲む森の中の人気のサイトでずっと空いてなかったが、数日前に運よく予約が取れた。ボストンからNickersonまでは、車で1時間半くらい。テントを張って、早速でかけることに。Cape Codはアクティビティが充実していて、海のスポーツはもちろん、サイクリングやトレッキングコースも様々にある。今回は、ビーチ巡りとトレッキングを楽しんだ。時間があればサイクリングやホエールウォッチングも行きたかったけど。ビーチ巡りは、今週末は駐車場代が無料(通常$15)だったので、短時間で色々見ることができた。

(1)ビーチ
Coast Guard Beach, 全米No.9に選ばれたビーチ(ちなみにNo.1はハワイのハナウマベイ)。目の細かい砂浜で水質も綺麗で、波が結構あったのでボディボードにうってつけのようだった。ここだけは途中の駐車場からシャトルバスでビーチへ。
Marconi Beach, 遠浅が広く続くビーチ。特に干潮に近い時間帯だったこともあり、20-30メートル沖までひざ下の浅瀬が続き、子供連れには遊びやすいビーチ。
Race Point Beach, Provinceの先端にあるためか、水は一番綺麗。ただ、少し沖にでるとすぐ深くなるので、あまり泳いでいる人はいなかった。
Herring Cove Beach, 駐車場の目の前に横長くビーチが続く。水は綺麗だが、波打ち際が小石状のため、エントリー時に少し痛い。
これらの他にも、海岸がずーっとビーチになっているので、少し離れればほぼプライベートビーチになる。

(2)トレッキング
Atlantic White Ceder Swamp Trail, 45min, 白砂の植生の道を進んだ先に、Swamp(沼地)がある。イメージはナウシカの腐海の森。コケ蒸した渋い沼地で生物はいないようだ。(New Orleansの近くにずっと大きいSwampがあり、そちらは野生のワニが所々に)
Great Island Trail, 4 hour, Gutと呼ばれる内湾に砂浜とSalt marshという低草植物の美しい景色が続く。さらに進むとHillから海を臨むビューポイントや、満潮時には沈む細長い砂地が続く。(日没近くBBQの時間を残す為、途中で撤退。)
Hatches Harbor Trail, 2 hour, Dikeと呼ばれるこれも満潮時には沈むMarshな道を抜けて、Race Point Lightまで海岸を進むトレイル。(蚊の大群に襲われ、やむなく撤退。長袖・長ズボン推奨。)
Wood End Light Trail, 2 hour, 6Aのロータリに車を止めて、巨石で作られたDikeを進む。長く続く海の道を歩く楽しさがあり、気が向くままに途中で海に入って歩くこともできる。浅瀬を進むと、カニや小魚の群れがいっぱいいる。灯台まで進むとビーチがある。

2009年7月17日金曜日

Energy VenturesのInterview

秋の選択科目のうち、Energy VenturesはBiddingではなく書類審査。履歴書と希望理由等のShort Essaysを書いて送っておいた。Sloan Fellowsは毎年3-4人ほどらしいが、17人も応募したそうで、教授のInterviewまでやることになった。選択科目の履修で教授がわざわざInterviewまでやるのは稀だと思うが、人数枠を増やせと皆でメールしたのもあって、一応の配慮を見せたという感じか。H1後の4連休の真ん中にInterviewが設定されてしまい、家族には申し訳ないがキャンプの日程を短縮することに。何社も起業に成功している教授とのInterviewに備えて、Ventureのアイデアのピッチを練習したりして臨んだが、本番では気合が完全にカラ回り。Prof. Auletに会えることを楽しみにしていたが、別の教授で全く興味を示してもらえなかった。他の日本人の方も手ごたえが薄かったそう。私が履修できる見込みは低そうだ。

2009年7月16日木曜日

Golf Course デビュー

H1とH2の間に4連休。ショートコースだが、待望のコースデビューを果たす。朝イチでMIT Gymのゴルフレッスンを受けた。妻と二人でプライベートレッスンで$80/hour。クラブの握り方から、アドレス、スイングの基本まで習う。やさしい先生で分かりやすく、実際に振るまで1時間かけてじっくりと基礎を教えてくれた。自己流で再現性のない振りをあれこれ試していたが、さっぱりダメだったので、レッスンは非常に役に立った。
午後に、日本人の同級生の方とともに、また、Lexingtonのドライビングレンジへ。初心者の私に配慮いただき、ドライビングレンジと超入門用の短いショートコースがあるということで、ここにまた来た。あれこれ試しているうちに、あまり全身を使わず手打ちでまっすぐ飛ばすコツが分かったような気がした。ショートコースの方は、コースが短すぎて(最長100yard)コースデビューとは本当は言い難いが、少しづつ距離感もつかめてきて楽しかった。

2009年7月13日月曜日

Bidding の結果

秋の選択科目のBiddingの結果発表。無事、Bidした3つとも取れた。G-Lab Asia (bid 998pt), New Enterprises (bid 1pt), M&A (bid 1pt). Bid前日にWebサーベイで匿名でBid予定科目をシェアしたところ、Early Stage Capital, Managing in Adversityあたりが2~3倍近い倍率の人気で、G-Lab Asiaも定員8に対して10人希望を出していた。秋学期の人気科目のうち、Sloan Fellows向けに決まった数の席が確保されているものがあり、これらはSloan Fellowsの中でのAuctionになる。結果的に、G-Lab Asiaは900pt bidしても取れなかった人もいて、彼も中東に興味があって誘っていたのに残念だった。

2009年7月12日日曜日

15.024 Applied Econ for Managers のTakeaway

H1コア科目のミクロ経済の学びについて。大学の教養レベルで学ぶ内容とほぼ同じで、労働・生産曲線をカットする代わりに、移転価格(Transfer Pricing)を取り入れた内容だった。移転価格を取り入れたのは、マネージャの視点で大組織での意思決定の分散化を支援するツールとして役立つという趣旨だった。授業の評価を同級生に聞いてみると、日本の大学での講義よりも分かりやすかったという人もいれば、黒板をノートに取るのに忙しくて話を聞きそびれることが多かったという返事もあった。グループディスカッションでは、一つは前に書いたアルミ生産の限界での判断と将来需給で、後半にはGE vs WestinHouseを例にDuopolyの価格形成とゲーム理論がテーマだった。後半のケースは、分析アプローチの自由度が高かった為、しっかり価格形成のテクニカル分析をするグループもあれば、ゲーム理論は非実用的と決めて価格競争の独自の議論を展開するグループもあった。私の出身業種での経験では、世界的なプレーヤが2,3社に限られている商品については、実際のところ、ゲーム理論が当てはまる上に価格やCapExの報道発表の空中戦も珍しくない。
私にとって一番のTakeawayは、グループワークの議論をリードする中で、理論の実用的な意味や適用の限界を一緒に考える機会に恵まれたことだ。10年前に大学で学んだ時は、単に問題が解けるという意味での学びだったのに対して、今回は、学問的なフレームワークに懐疑的な同級生を説得する過程で、限界費用算出の恣意性や価格収束のシナリオについてよく考えさせられた。私には、エンジニア出身の典型的な問題点として、Task oriented過ぎたり、問題を複雑に考えすぎる傾向があることを、よく自覚させられた。

2009年7月10日金曜日

15.809 Marketing Management のTakeaway

早いもので、H1の4つのコア授業も今週でほぼ終わり、来週のFinal Examを残すのみになった。それぞれの科目について何がTakeawayだったか、忘れずに書き留めておきたい。まずMarketing。夏のコア科目の中では、もっともソフトで掴み所の難しい授業だった。前半は何度か手を上げて発言を試みたものの、後半は正直言うと流し気味で、ケースの読み込みとグループディスカッションが浅い時に限って、コールドコールされてしまった。ケースのQ&Aの半分近くが、B2Cコモディティのチャネルについてだった。商社の方によると、実務に近くて理解しやすかったそうだが、私はB2Bで既定のディーラやレップとしか仕事をした経験しか無かったので、戦略的にチャネルを構築するというセンスに欠けていた。グループの中にセールス畑が二人いたので、レポートでは彼らの直感的な視点に助けられた。授業でも、地域別や製品別のチャネル戦略や、お金のにおいがし始めた途端にチャネルとメーカで何を揉めるか、もう少し突っ込んだ議論の展開までは至らなかったのが惜しい印象。スローンのマーケティングは、他に比べるとイマイチ感があるので、選択科目でももうマーケティングのクラスを取ることはないだろう。
では、Takeawayとしては、Duncanには申し訳ないが、ゲスト講師のMark Ritsonのブランドの講義とケースが一番良く構成が練られていて明確な学びがあった。B2C財では当たり前なのだろうが、商品ではなくブランドを消費する感覚に始まり、ブランドとメッセージ・ストーリとの関連付けの重要性、ブランドを維持する難しさとそのためにしてはいけないこと、等をテンポの良い授業進行でしっかり掘り下げて教えていた。Snappleをケースに、売上が激減したブランドの価値を再構築するための方策を授業中に考えるという設定でも、ブランドの歴史を省みることの重要性を皆が自然と考え至るように授業の流れがよく工夫されていた。GM倒産までブランドマネジメントの失敗に関連付けていたのはご愛嬌だが、一つの視点で物事を水平的に仮説を立てるのも面白いアプローチだ。MBAの授業全てはこのレベルの構成と密度を期待していたが、Markの授業と比較するとSloan Fellowsのコア科目はややクラシックな印象がある。

2009年7月8日水曜日

選択科目Bidding

今日がBiddingの締め切り日だった。Sloan Fellowsは夏学期は全部コアで、秋学期は選択科目が2、3科目取れる。基礎的なコア科目に少し飽き気味な時に、より実践的、専門的な選択科目を選べるとあって、みんなの格好の話題になっていた。MITでは、クレジット数を単位に履修できる授業や卒業に最低限な単位を管理している。Sloan fellowsの秋学期は、24 Credits。学期の半分で終わる6 CreditのLecture中心のクラスから、Labなどワークロードの重いクラスは12 Creditのものもあり、看板のG-Labは秋に続いて1月のIAPまで続く。選択科目の希望は、Biddingといういわゆるオークション。各自1000pointsの持ち点を、希望科目に割り振る。人気科目はBiddingしないと履修できない可能性が高いが、空きのある科目は最初の授業を見学してから履修またはdropを決めてもいいので、Biddingは実質的には人気科目に限ったものとも言える。
さて、入学前の予定では、ThesisをIAPで書くのと、HKSの授業を秋で取ることを優先目標にしていたが、いずれも結論を出していないので、それらがないことを前提に、選択科目にBidすることにした。私の興味分野は、Entrepreneurship, Finance, Operationの3つ。

(1) Entrepreneurship

Bid外のEnergy Venturesに加え、G-Lab, New Enterprisesの2つにBid.

15.366 Enegy Ventures (W. Aulet, etc.)
Energyに特化したProject型コース。Renewable Energyなどで数々の起業の教授陣の下で、3-5年後くらいの事業化を想定したEarly Stageのプロジェクトを、SloanとEngineeringの学生で一緒にやる、非常に人気の高いコース。Biddingと別枠でApplicationで教授がセレクトする。このApplicationについては別途。

15.369 Corporate Entrepreneurship (V. Livada)
大企業の中での新規事業立上げに関わるケースを扱い、企業派遣の日本人に特に人気が高い。私も出発前に授業リストを見せたときに、これを取ってきたらと言われたほど。残念ながら、今年はEd Robertsが休みで代わりの教授数人の交替で運営されるため、学びが薄くなりそうなので履修見送り。見学して気に入ったら、たまに聴講するかも。

15.371 Innovation Teams
これもEngineeringの学生と一緒に、Projectを進めるコース。Sloan Fellowsは残念ながらスケジュールが合わず、秋は履修不可。春にまた考える。

15.387 Technology Sales and Sales Management (H. Anderson, etc.)
いわゆる技術営業を実践的に教えるもので、人気が高い。特にハイテクの技術営業は、技術に習熟しつつ、Tier1の顧客を説得するためのプレゼンテクニックを合わせ持つ必要がある。ここ数年の仕事でやってきたので、スキルに磨きをかける意味で興味があったが、新しいことにチャレンジすることを優先して、履修見送り。

15.389 Global Entrepreneurship Lab (G-Lab)
Sloanの看板ともいえるG-Lab。Section別に、Latin, Asia, GHD(Africa)と分かれる。ヨーロッパに興味があったが、メールで教授に問い合わせると、Developping Countriesにフォーカスするため、Europeは2007年以来、やっていないとのこと。代わりに、トルコと中東2カ所を追加することに最近決めたとのこと。中東か中国には興味があるので、G-Lab AsiaにBidすることに。

15.390 New Enterprises (H. Anderson)
100K起業コンテスト向けに、アイデア出しから資金計画、製品化計画までのフレームワークが、ツール化されており、それを活用に実際にコンテストに出せるようなプランをチームで練り上げるもの。アントレをツールとして学べることから、知識として身につくことを期待して、Bidすることに。

15.399 Entrepreneurship Lab (E-Lab)
G-Labの短期国内版。G-LabがIAP期間に海外に行くのに対して、E-Labは学期の授業の合間に米国内企業のコンサルプロジェクトを行う。特にBoston周辺の起業家と人脈が出来る点がポイント。G-Labと迷ったが、どうせならプロジェクトを3週間集中してやった方が得るものもあるだろうと見送り。

(2) Finance

結局、M&Aの1科目にBid.

15.402 Finance Theory II (N. Bergman)
Financeバックグラウンドの無い人でも、体系的にFinanceを学びたい人向けで、教授の評判も頗るいい。しっかり履修してワークロードをこなしたいところだが、最悪聴講できることを期待して、Bid見送り。

15.434 Advanced Corporate Finace (S. Dinc)
Real optionやValuationをレクチャとケースで学ぶクラス。実務でM&A関連に進む可能性もあり、組む投資銀行側での評価方法をしっかりと見るためのスキルが身につくことが期待される。Valuation手法そのものは教科書でも何とか勉強して次のM&Aのケース主体の授業をとることにして、Bid見送り。

15.545 Margers and Acquisitions (S. Dinc)
M&Aの戦略判断をケースで学ぶクラス。どうもPre-requirementが不明で、SESに聞いたらSloan Fellowsの夏のコアだけでOKとのことだが、去年のシラバスでは、Finance IIが必須とある。同級生が教授にメールしたら、Financeバックグラウンドの無い人はFinance IIを取れとの回答だった。私は科目数オーバでFinance IIが取れないが、M&Aは秋しかないのでとりあえずBidした。

15.569 Leadership Lab (P. Senge)
Peter Sengeが教えるL-Lab. 昨年始まったばかり。IAPのプロジェクトにローカル企業もある点に魅かれたが、始まったばかりのコースでいまいち内容が分からなかったので、Bid見送り。

(3) Operation

15.768 Management of Services (C. Fine)
Operationのサービス業版。ケースに比較的新しい企業を盛り込んでいて、Google, iPhoneのハイテクに加え、Zipcarなどなかなか新鮮。私は製造業なので、どちらかと言えば、15.769へ。

15.769 Operation Strategy (C. Fine)
Sloanのもう一つの看板といえばOpeiration Management。特に、製造業出身の私には実務にも関係が深く、扱う業種やケースのリストも古典的ながら深い学びが期待できそうだ。これも履修を最後まで迷ったが、秋はアントレに集中し、春にOperationを取ることを想定して、今回はBid見送り。

15.912 Technology Strategy (J. Davis)
Operationに近いが、より純粋にハイテクの技術戦略を扱っていて、これも私の仕事に近い。選択科目オーバでBid見送り。

(4) その他

15.615/616 Basic Business Law (J. Akula)
米国企業でマネージャとして勤める上で必要な法律知識を学ぶ。聴講予定。

2009年7月5日日曜日

チャウダーフェスタ

ボストンの食べ物といえば、ロブスターとクラムチャウダーが名物らしい。ロブスターは、まだ本当に美味しいものに当たったことがないが、クラムチャウダーはウェスティンホテルが断然美味しかった。クラムの味が濃厚で、チャウダーも野菜の甘みとクラムのダシがよく効いていた。お値段もそこそこだが。
さて、クラムチャウダーフェスタという、年に1度、ボストン中のレストランがクラムチャウダーの味を競うイベントがあって、行って来た。10店舗くらい出店していて、アドミッション$10だけで、ティスティング風に小さいカップで全てのお店を何度でもトライできる。カップは小さいが、全部回るとおなかは十分。最後に自分の好きなお店に投票して帰る。期待のティスティングについては、クラム自体の味は普通だったものの、チーズ風味、コショウ風味とお店によって味が違うし、セロリがやたらと多い店もあって、レシピに各店独自の工夫がある。チャウダー味に飽きてきたころに、タバスコを少し入れると、味にコクが出て変化を楽しめた。飲みながらなら、このアクセントもいい。人気コンテストの結果は下のURLで。
http://www.bostonharborfest.com/chowderfest.html

2009年7月4日土曜日

Independent Day

アメリカの独立記念日。ボストンは、アメリカ独立の舞台の中心ということもあり、盛大な花火で記念日を祝う。数日前からチャールズリバーの真ん中に花火台とおぼしきプラットフォームが浮かび、家からよく見えそうと期待していた。花火は夜からなので、朝はゴルフ練習場にレキシントンへ。超初心者でスポーツ苦手のため、未だに球がまっすぐ飛ぶことは稀。日本人の方に教わりながら、軽く100球くらい振る。100球10ドルだから、なんと安いことか。パー3のショートコースもあるので、次に行くとき、そこがコースデビューになりそう。前回の駐米時は米国南部に3年もいたのに、とうとう最後までコースに行かなかった。ボストンは秋までの短い期間だが、かなり高いプライオリティで、ゴルフを覚えたいと思う。
午後は、ロングフェローブリッジ~対岸~ハーバードブリッジのいつもの散歩コースへ。対岸にはTV中継もされる屋外コンサート場が設置され、歩くも大変なほどの人だかり。この時期はボストンの人口が2倍になるというのも納得。十分疲れたところで、スローンのコミュニティパーティへ。家族連れのパーティで、奥様友達が増えてお互いの家を行き来していることもあり、だいぶ皆と馴染んできた。
いよいよ花火の時間は、家のリビングでゆっくり鑑賞することに。打上げ台を見下ろす高層階で見晴らしがよく絶好の鑑賞ポイントだった。

2009年7月3日金曜日

Fenway - Redsox vs. Mariners

3連休の初日。ブラジル人のG一家をお招きしてランチ。彼には、オリエンのときからブラジルのメディア業界や国のことを色々と教えてもらっていて、じっくり話したいと思っていた。彼を含めて、MBAやMiFを一度取っているメンバには、コアの授業はやや退屈のようだ。業種は私と違うが、大企業からの社費派遣で課題も共感するところも多い。彼が住んでいたブラジル南部のポルトアレグレも全く地域のイメージが分からなかったが、アルゼンチンに近く、逆にサンパウロやブラジル北部とは同級生の顔を思い浮かべてみると、少し文化的にも違うのが分かり始めてきた。ちょうど選択科目のBidding中で、色々情報交換できたがFinance系を幾つか一緒にとることになりそう。
夕方から日本人メンバでFenwayパークへ。Redsoxの対戦相手のシアトルマリナーズのイチローと岡島がお目当て。イチローは、全米の色々な球場で見るチャンスがあった。ちょうど昨年の夏、1泊3日のシアトル出張中に仕事の縁でSafeco FieldのBox席で観戦できた時は、調子もよくてたしか5打数3安打。今回は5-1でいまいちだったけど、試合は延長まで行って面白い展開だった。岡島は投げなかったが、ブルペンで球の走りを見れた。隠れYankeesファンとしては、次は松井の応援に行きたい。