2009年7月22日水曜日

15.778 Mgmt of Supply Networks for Products and Services (Operation Management)

H2のコア科目がスタート。Operation Managementの授業は、Bitran教授がSupply Chainをテーマにした7つのケースを教える他、Visitorのプレゼンが多く入っている。明示された教科書やフレームワークが無く、レクチャーが少ない分、ケースへの取り組み方が大きく学びを分けそうな授業だ。
初回は午後いっぱいをかけて、Beer Gameというサプライチェーンのシミュレーションゲームを皆で行う。Beerを模擬したコインを、直列4型(工場、販社、卸、小売)で流す。各段階の間に発注から配送まで4期(週)のかなり長いレイテンシを持つのが特徴。在庫と在庫残不足(Backlog)のコストをネットワーク全体で最適化したチームが勝ちという情報は与えられるが、チーム内でゲーム中に戦略を話すことは禁止されている。ここまでがルール。私は製造業なので、在庫管理は専門ではなくても、実務で不良在庫を作った苦い失敗経験を人並みに持っているが、ゲームでは経験が全く役に立たなかった。今回のゲームは、ビールという需要変動が激しい商品で配送レイテンシが長い分、ウィップ効果が大きいと予想できた。そこで、小売、卸、販社のメンバとは、出荷量と発注量を常に一致させる単純戦略を取ろうと話をした。ただ、いざゲームが始まってみると、Backlogに慌てた最上流(工場)のメンバが発注をバッチ的に増やして、一瞬で相当な在庫を抱えてしまった。上流ほど安全在庫が多くなるのが一般的ではあるが、どうも彼女は在庫=コストという視点が薄く供給目標の推測を放棄してしまったようだった。自分が最上流でPlayすべきだったと気づいた時には、時既に遅かった。
ゲーム後のレクチャーは中々面白かった。実は需要は常に一定だったと知らされたり、チーム内での心理学的要因(チームゲームと分かっていても自分の役割にフォーカスしがち)の解説がとても示唆的だった。メーカとしても、需要予測の精度は、短期の生産計画だけでなく長期の設備投資を適切に計画する上でも重要だが、色々な思惑が働いて精度が上がらず、その結果が分かる数年後には誰が責任を取るのか分からず、反省されることも無いという指摘には、耳が痛い。このゲームはSloanのSystem Dynamicsチームが作って以来、結構頻繁にやっているようで、よく練られたゲームだと思った。特に、カジュアルにやらせようという配慮が随所に見られ、本気でビジネスゲームとしてやるとストレスが大きいためらしい。

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