2009年8月13日木曜日

15.778 Operation Management (Japanese Mfg & SCN Presentation)

15.778 Operation Managementの授業で、Fellowsの中からプレゼンターを募り、一人20分でプレゼン。偶然にも、米露それぞれから戦闘機F35とMIGのサプライチェーンのプレゼンターが出るあたりは、Sloan Fellowsの出身国・業種のバラエティの豊かさを感じさせる。
さて、私も日本の製造業をテーマに発表した。これまでの講義で、JITやToyota Production System (TPS)がキーワードとして登場した。しかし、在庫や品質をサプライチェーン全体の視点で改善していく基本的な概念とツールが解説されず、ケースディスカッションでもピンと来ていない同級生が多いように感じた。そこで、日本の自動車メーカを事例にクラシカルだが根源的な学びを共有したいと思った。受験エッセイの公約でもあったし、日本人エンジニアが日本の製造業をしっかり語ることは、クラスへの貢献になると思ったので手を上げた。実際、私がMBAに来る直前の仕事では、日米中の色々な業種のクライアント企業にプレゼンや打ち合わせに出掛ける中で、クライアント固有の商品戦略や意思決定スタイルが、そのサプライチェーンに密接な関係があることを実感した。特に、日本のAutomobileは最終組立メーカを筆頭に、系列サプライヤまで独自の哲学が浸透している点で特徴的だった。プレゼン準備にあたり、ケース企業から派遣されたHBSの方にお会いしてお話を伺えたことが幸運だった。インタビューをベースに、名著「トヨタ生産方式」(大野耐一著)を何度か読み直して、プレゼンのコンテンツを構成した。結局、Fellowsの同級生に馴染み易いよう、日米比較文化論的にKaizenの思考手法と歴史を導入にした上で、TPSの2本柱であるJITと自働化の概念と実装を紹介した。デリバリで一つ言い忘れた点は、TPSの実装は根気が必要だが、国や業種に因らず適用可能なので、Fellowsの同級生が会社に戻ったらトップダウンで進めて欲しいというメッセージ。しっかりQ&Aで米国人から文化の違いが導入の課題と指摘されてしまった。発表後から一週間たっても、同級生10数人から具体的なフィードバックをもらい、カリフォルニアのNUMMIを実際に見学した人など、それぞれの経験をシェアしてくれた。特に、日系の自動車メーカの進出がうまくいっている国と撤退に至った国の比較の話が面白く、文化的な違いというよりは、製造業に賭ける覚悟の違いが大きいと思う。国レベルの工場誘致や製造業育成の真剣さや、工場労働者レベルの工場が破綻すると失業する恐怖まで動機は様々。一方、資源が豊富にあって産業が無くても生活に困らない国や、製造以外に世界一流の産業がある国では、日系自動車メーカがいくら現地サプライヤを生産指導しても成功しない。

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