2009年8月17日月曜日

15.972 Leadership (Flextronics CEO Michael McNamara)

Summer H2の授業の一つに、Leadershipをテーマにした講演シリーズがある。毎週のように、各界のリーダをGuest Speakersとして招聘し、授業での濃密な議論を経て、色々なリーダ像に触れていくのが目的のクラスである。これまでもDefence出身の熱血漢タイプからVCとして成功した知性派タイプまで、独特のスタイルを持ったリーダの講演があった。選りすぐりのスピーカの中でも、最も実績と影響力のあるSpeakerが今日のFlextronics CEO, Michael McNamara氏だった。Flextronicsといえば、一般には馴染みが薄いがいまや日本の並の製造業の規模を凌駕する電子機器委託製造メーカ(EMS)。北米主要メーカ(HP, Dell, Nortel, Kodak, Microsoft)から年間数千億円規模の製造を受託し、業界トップの鳴海(HonHai, Foxconn)に続く業界2番手。当然、日本の電機メーカとも縁が深く、電子部品の顧客でもありセット製品のアウトソース先でもある。このような巨大企業の現役トップの講演を聴けるのは、Sloan Fellowsならでは。
McNamara氏のリーダシップスタイルも、急成長を遂げてきた会社らしく、SpeedとWinへ拘りを追求する企業文化の組織への浸透を率先している印象だった。講演については、現在の景気後退の危機をどう乗り切るかの話を期待していたが、90年代に次々と巨大顧客を掴みながら、海外の工場を買収し続け、ソレクトロンの買収に至る過去の成長神話について語られ、質問でも講演者に配慮して昨今の危機に関する指摘は控えられた。実際、Nortelの倒産しかり多くの顧客が需要激減から生産を減らした結果、顧客の設備投資を代行して拡大し続けたFlextronicsの状況を推測するに厳しそうだ。2000年のITバブルは寧ろ買収とその後のアウトソース加速、中国への製造移転でEMS躍進のスタートにもなったが、2009年から10年にかけての不況はその規模の大きさと中国での生産コスト増などの構造変化から、EMS業界も大きな転機を迎えているようだ。

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