2009年9月30日水曜日

15.433 Investments (Value investor)

15.433 Investmentsのゲストスピーカは、Cohen教授の人脈を活かして、特徴のある戦略を持つファンドの創業者が続々と来訪する。今日のスピーカは、資産規模1兆円以上の世界トップ20に入るヘッジファンドの創業者。こんな大物資産家でもボディガードもなく普通に教室に来ていた。創業から20年来、投資戦略は割安株・債券ロングのバリュー投資のみ。著書も出しており、ウォーレンバフェットほど有名ではないが、講演を聴いた感想では、バフェットのスタイルに非常に近い。ヘッジファンドと聞くとレバレッジを利かせてハイリスクハイリターンのイメージがあるが(一般的にも誤解だが)、このファンドはレバレッジもかけないし、ショートポジションも取らない。徹底して割安株を探すため、倒産が近いと見られる会社でも価値があると見れば(清算価値や存続見込みがあるなど)、躊躇わず買いを入れるのが特徴とのこと。また、長期で市場の超過リターンを得るために、ベータが大きいvolatalityが高い株に積極的に投資機会を見出している。講演で強調していたのが、ウォール街がリターンばかりに目がいってメディアもそれを煽っているいるのに対して、このファンドはリターンよりもリスクを重視すること。このため、買ってすぐ値上がった株を天井を見る前にすぐ売ってしまうこともしばしば。割安株を探すのは、Economicsとpsychologyの2つの視点で、特にpsychologyは市場と自分自身を客観的に分析することが大事だとか。Q&Aで海外投資について議論があった。このファンドは、アジアには一切投資をしていないが、その指摘は厳しい。日本については、バブルから20年来、対Book Valueで割安状態がずっと続いているが、金融インフラが未発達で会社は従業員のためのものと認識されていて、価格の再評価につながるような投資機会がないと厳しい評価だった。中国、ロシアについてもそれぞれ別の理由から投資しないのだとか。

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