2009年9月20日日曜日

15.433 Investments (DFA)

秋学期が始まって2週間を過ぎて、選択科目の履修がだいたい固まった。同じ時間帯に面白そうな授業が重なっていたり、同じ科目でも時間帯で先生が違ったりすると、2回分は授業が回らないと決められない。
H1は、聴講を含めファイナンス系を3つ取ることになり忙しいが、春学期にプロジェクト形式のコースを取りたいと思うと、どれも落とせないので仕方がない。マーケットサイドで面白いのが、15.433 Investments。自身でヘッドファンドも持つProf. Randolph B. Cohenが、ポートフォリオ理論を教えている。月曜の朝イチから、もの凄い早口で叩き込まれ、もっとも気が抜けない授業。最初の2回は、株・債券のHistorical returnやValuationのおさらいの話に始まり、3回目からいよいよケースで実際の投資スタイルについて学んだ。Dimenssional Fund Advisors (DFA)は、David Boothが1981年に創業し、市場効率仮説に基づくアカデミックなデータ分析を元に、市場ポートフォリオをoutperformするファンドを商品とする。アカデミックな研究から実際に莫大な富を生み成功した例として、ファイナンス系の教授達にも人気があるケースとのことで、Chicagoのスクール名(Booth School)も冠している。80年代の小型株投資ファンドに始まり、"beta is dead."で知られる、1992年にFama-Frenchが発表した"The Cross-section of Expected Stock Returns”を実践した、小型バリュー株投資の先駆け的菜存在である。Famaのペーパを要約すると、こんな感じ。
・ベータが大きい株は、ベータが小さい株と比較して、CAPMが期待するほどには高いリターンが得られていない。
・サイズが小さく、Book-to-market value (BE/ME)が大きい株ほど、期待リターンが高い。(CAPMではどちらもリターンに影響しないはず)
この理論は、さらにFama-French Three-Factor Model として、ベータ、SMB (Small-minus-Big), HML (High-minus-Low)の3変数を元に期待リターンが定式化された。ケースディスカッションは、生徒の何気ない発言に対しても、教授が深く理論的に掘り下げて多面的な解説をしてくれるので、よく理解が深まって面白い。
来週は、ボストン創業のファンドGMOのケースで、これまた独自のMean Reversionと呼ばれる投資スタイルを学ぶことになり楽しみだ。

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