2010年2月22日月曜日

15.220 Global Strategy & Organization

SF春学期のコア授業の一つが15.220 Global Strategy。企業の海外戦略がテーマで、教科書のRedefining Global Strategy (P. Ghemawat)にあるフレームワークを用いる。秋のHaxのデルタモデルが顧客・パートナ視点のミクロレベル視点に対して、この教科書は、Michael Porterのダイヤモンドと同様にマクロレベル視点の戦略論が特徴的で、進出先の国の文化(C)、行政(A)、地勢(G), 経済(E)のCAGEモデル等で分析する。
今日のケースは中国のITメーカ。日本では馴染みが薄いが、業界ではR&Dへの積極投資で知られ、世界屈指の研究開発センターとエンジニア数を北京の本拠地に構える。日本で理系離れが言われて久しい一方、中国の一つの強みは高等教育で、北京には粒ぞろいの大学からソフトウェアに強いエンジニアが続々と市場に出てくる。アウトソースだけ請負っていた時代は過ぎ、優秀な人材を狙って、マイクロソフトや外資が研究機関を持つほど。この中国メーカも、日本メーカ並みの製品コンセプトの多様性と、最新の電子部品を意欲的に採用する先進性を備えていた。日本のセットメーカは、多くのセグメントで韓国・中国メーカにローエンドから市場シェアを奪われ、気づいたら研究開発力でも圧倒されつつある。この点が東南アジアとの大きな違いで、教育水準の高さとエンジニア数の厚みが大陸メーカの強さの源泉だと思う。

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