2010年2月12日金曜日

HBS 1570 Doing Business in China

HBSでCross-registrationしているDoing Business in China (DBIC)。HBSの多様なコースの中でも、特定の国にフォーカスしているのは、この中国のビジネス環境を学ぶDBICだけ。これまでの授業では、歴史と政治体制の導入に始まって、SNS、繊維、私立大学、クレジットカードなど色々な業界のケースで飽きさせない。中国特有の政府規制によるミクロレベルの影響、米国や香港帰りの若い起業家の活躍、米中の貿易摩擦、金融市場を含むインフラの発展状況など総合的な視点で、中国出身の学生の意見も聞きながら授業が進む。北京や上海に偏らず内陸地域のケースがバランスよく採られ、また、文革以降の開放経済を主題にしながらも社会制度の歴史的な(秦、漢代)背景もよく見ており、中国の奥深さを実感させる。これも授業を教えるKirby教授を中心に長年のリサーチの蓄積に拠るところが大きいと感じる。MITでは、HBSの教授はケースばかり書いている印象が強いが、現地調査や共同研究を結晶化したのがケースだと再認識し、そのケースを書いた教授が直接教えるとケースがぐっと立体的に伝わってくる。Harvard内のKennedyやFASからもCross-registrationがいて、人文・社会学系はMITより厚みがありそうな感じだ。
Harvardの歴史の中でも、17世紀の創立以来はじめてリモートキャンパスを開設したのが、HBS上海キャンパス。MITがSloanを含む過去の授業をOpen Course Wareを通じて一般公開している一方で、HBSはケースメソッドによるライブな学習環境を重視するため、そっくりそのままの教室(6面黒板から座席配置など内装まで徹底して複製するこだわり)を上海に作ってしまった。SloanもEMBA風の新プログラムを開発中らしいが、他校同様に香港かシンガポールに教室を作ってくれれば、アジアの企業派遣生を集め易いと思うし、私を含めSloan卒業生も短期で参加しやすいのだが。

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