2010年2月26日金曜日

ミッドキャリアMBA

日本人クラスメートとSloan Fellows (SF)プログラムの改善点が会話に上がった。Cohort全体でも話題にはなるが、日本人同士の方が大企業からの社費派遣である点もあり意見が一致することが多い。
歴史あるこのSFプログラムも、ミッドキャリアMBAとしての存在意義や学生構成が昔と少し変わってきていながら、アカデミックなコアカリキュラムや付随するトリップなどのイベントが保守的に継続されて、ニーズとギャップが生じている点がある。70年代、80年代のAlumniの話を聞くと、当時の学生構成は今の半分の50人くらいの規模で、米国のGMやGEなど伝統的な大企業の社費派遣が大半だった。派遣元企業のニーズに応え、SFはミッドキャリア向けにソフトスキル重視で組織や人を率いる能力育成が重視された。リーダシップなどのソフトスキルを学ぶには、同程度の経験を積んだクラスメートと一緒の方が効果的であり、また、経営者層のネットワーキングにも役立つ点から、プログラム専用の多くのコア授業とトリップが設けられた。一般のMBAがキャリアチェンジを目的としており、必要なハードスキルの獲得を自由に選択させている点との基本的な違いになっている。
昔はそれで良かったのだが、米国企業が研修プログラムを自前で持つようになり派遣を減らしてしまった結果、現在のSFの学生構成は7割近くが私費で、インターナショナル比率も高く米国に残って働くことを卒業後の目標にしている学生も多い。そのため就職サポート等の新しいニーズが出てきたが、プログラムオフィスのサポートは限定的で公式にはプログラムの目的として認めておらず、そこにギャップが生じている。また、一言でミッドキャリア学生と言っても、年齢構成が30代前半から40代後半まで広く分散している点も、必要なスキルのニーズに差を生む原因。ニーズが多様だからと、選択授業を増やす為にコアのリーダシップの授業を減らして一般のMBAと同様にすると、プログラムの存在意義が失われてしまう難しさがある。
私個人の希望としては、コア授業の時間拘束が比較的多いと言っても、秋・春学期の2期で相当数の選択授業を自由に取れる点から、現行カリキュラムに大きな不満はない。できれば、選択科目のクレジット数の上限を増やしてくれると、正式履修できて少し助かるという程度である。また、2011年に開始予定のEMBAに米国企業の社費派遣が戻ってきてくれて、SF Alumniと交流できるようになると、派遣元企業のニーズである仕事に直結するネットワーキングの価値が上がると期待している。

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