2010年4月1日木曜日

HBS 1570 DBIC Google

HBSのDBICも今日で最後。MITでは、まだ春学期後半が始まったばかりだが、HBSの一部のコースでは、通常29回の授業を20回で終える代わりにファイナルレポートが課される。それでも、MITの単位数に換算すると12単位になり、これでG-Lab (9+3)やS-Lab (6+6)と同じなのは、クレジットの重みにだいぶ差がある。HBSでクロス履修してみて、Sloanとのカルチャーの違いとか良し悪しが実感できた。ちょうど先週末は、Sloanの春休み中にHBSだけクラスがあったため、Sloan Fellowsのクロス履修組(Michael Porter, Strategy, VCPE, Leading Teamなど)で飲む機会があり、HBSでの感想を共有した。まず、HBSの学生は若くて非常に優秀で、しっかりとケースディスカッションをしている。基本的なことだが、ケースを読み込み、そのファクトに基づいて、自分の経験や意見をロジカルに発言するスキルが全員、完璧である。その発言から、新しい視点に気づかされることがしばしば。一方で、雇用や外交問題など政治っぽい話になると、アメリカの優等生らしい安全寄りな発言に終始し、平均で10年以上も年上のSloan Fellows達に言わせるとナイーブな議論の印象だった。DBICの例で言えば、HBSでは中国のSudanへの武器輸出は倫理的に正しくないというケースの視点が疑問の余地のないファクトとして共有されたのに対して、SFのコアで同様なケースを議論した時には、他の欧米諸国の武器輸出はどうなんだという議論でひと悶着した。SFでは、成績のための発言は少なく、ケースよりも自分の経験や信念に基づく発言が多いのも特徴で、延々と演説を始めて教授にもういいからと言われてもお構いなしに続ける人もいる。こうなると、どちらがナイーブかは別として、スクールやプログラムでずいぶんカルチャーに差がある。
さて、DBICの最後のケースは、Google(谷歌)の中国撤退だった。西海岸的な自由主義と中国の検閲制度の文化的な対立や、ローカルのBaidu(百度)とのシェア争いなど、DBICに共通的なフレームワークを活かせて、20以上のケースを経た今ではより1月時点では気づかなかった視点を含めて構造的に理解できるようになった気がする。なぜGoogleはセンセーショナルな撤退発表をしたか?という問いに対して、中国国民向けにBaiduとの違いをアピールしてシェアを増やす最後の切り札だったという仮説は、全く気づかず面白かった。

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