2010年3月18日木曜日

15.915 S-Lab 会社訪問

CA Trip最終日。Tripのバイオ関連企業の訪問に代えて、S-Labのプロジェクトホスト企業を訪問する。15.915 Sustainability Labは、H1のケースベースのレクチャーに続いて、H2に4人チーム毎にプロジェクトホスト企業がアサインされる。私のチームは、サンフランシスコの全てのゴミ回収を行う会社で、リサイクリングの先進的な取組みで知られる。半日で、同社の本社で色々と話を聞いた後、同社のリサイクル施設を見学した。
本社の方は、都市工学系のPh.Dホルダも多いエキスパート集団の様相。ホスト企業側の担当者が、MBA2009のAlumnaで去年にS-Labを取っているので、話は抜群にしやすい。彼女とプロジェクトの話をしていると、Life cycle全体での環境負荷を考えるフレームワークや、資源のClosed loop化(再利用化)の重要性と課題など、思い出せばH1のケースで読んだり聞いた話が役立つ。授業を取った人同士では、使う用語の概念の共通認識が既にあるため、非常に話がスムーズだった。SloanのLab系の授業は、素人向けによく工夫されていると改めて思う。人には学び方の得意不得意があると思うが、私はアカデミック的な理論だけで理解できず、業務経験と照らし合わせて選択的に理解するタイプのようで、Sustainabilityのように初めて学ぶ分野はLabで挽回できとよいのだが。
さて、実際の施設見学の方は、ゴミ回収の現実問題をありありと見せ付けられた。まず、ゴミの量。一人あたりのゴミ排出量は、アメリカは日本の2倍も多い。さらに、日本でも市町村で分別方法は異なるが、アメリカは全く分別しないSingle Streamの割合が高い。テキサスにいた当時、最初は罪悪感があったが次第に無頓着になったものだ。また、リサイクル率は、見かけの数字は日本よりアメリカの方が2倍ほど高い。実際は、アメリカは焼却処理で圧縮せずにそのまま埋立てに回すため、割り算の母数が5倍近く違いアメリカの方が低い。サンフランシスコは先進的で、リサイクル率が50%を超えているが、同社はWaste Zero (100%リサイクル)を目標にしている。リサイクル施設のオペレーションは、マニュアルによる単純ソーティングで、紙、金属、ペットボトル、ガラス等を再資源化する。
これまでは、各資源のリサイクル率だけを目標にしていたのに対して、今後は、どの資源にフォーカスして施策を打つべきかが、S-Labプロジェクトの主な提案内容になる予定。その答えを出すためには、各資源の製造から利用までのサプライチェーン全体を見た上で、どの資源がGHGなどの環境負荷観点で、リサイクル化の恩恵が大きいかを比較可能にする必要がある。会社見学のおかげで、製造業としての責任感が実感できたためか、Sustainabilityをより真剣に考えられた点は大きな収穫だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿