2009年4月16日木曜日

模擬授業2 (Entrepreneurship, Prof. Ed Roberts)

2コマ目は、MITらしいアントレのレクチャー。MITスローンは日本でも有名な教授が多数いる。自身も起業に携わったりVCとのコネクションも深い、アントレのEd Roberts教授の授業だ。1コマ目のマーケティングの授業は、50人用のすり鉢教室だったが、この授業は、地下室みたいなレトロな教室で、ビジネススクールとは思えないほど。スローンは今、現代的な建物を隣の敷地に建て替えている。来年の入学生は新校舎で迎える。レトロな教室で狭い分だけ、すぐ目の前にEd Robertsが立ち、その声が教室全体に反射して自分の体全体に響く感じだ。

講義では、MIT出身の起業家による経済効果の統計分析を題材に、MITスローンの歴史を織り交ぜて面白く語ってくれた。統計として、MIT出身者が起業した会社の売上高、雇用者数は、一つの国だとすると18位程度に相当し、巨大な経済効果を創出している。この調査は、MITの経済効果を定量的にちゃんとデータの裏づけを出した点に意義があるそうだ。他の地域からMITに入学し、MAに残り起業する人も多い。アントレの活力の地域比較では、ボストン地区はサンノゼ地区に次ぐ米国2番目とのこと。この研究をしていた助手も、Stanfordに今年から移って、同様な統計調査を始めているらしい。

MITは、工学系の研究に眠る資産を活用すべく、パテントオフィスや起業支援プログラムが組織的に長年運用されている。授業前の宿題として、A123という車載バッテリのベンチャー立上げに、MITの組織的な支援等があったことが分かった。東大のアントレプラザ支援と比較して、特許ライセンス交渉を仲介する等、より直接的にビジネスに関与している印象を持った。MITのMBAでは、技術ベンチャーのケースが多く、MITを選んで良かったと再確認できた。

スローンの学生の属性も歴史の中で大きく変化した。Ed Robertsは、工学部のシステム管理学科から助手として移った50年前は、男性がほぼ100%で、電気工学科等を学部で専攻した後にMBAを取るのが大多数だったそうだ。私の属性もレガシーそのもの。以来、女性の割合を増やしており、今年のクラスの3分の1が女性。また、MITは外国人を積極的に受け入れており、政府に対して外国人向け学生ビザのロビー活動を継続的に行っているそうだ。

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