2010年5月25日火曜日

Brazil (2日目)

サンパウロでの講演2日目は、3つのセッションが続く。1人目は、各種官庁の大臣を含む要職を歴任し、現在はブラジル最大の食糧企業のボードメンバを務めるPraini de Moraes氏。広大な国土を誇るブラジルでも、耕作可能地帯は7.5%ほどと少なく、今後増大する途上国向け食肉等の輸出市場の機会と課題を色々な数字を用いて紹介していた。食糧生産には、土地、水、太陽、資本、技術、そして起業家精神が不可欠とかで、ブラジルの農業の強みはそれら全てが揃っていることで、アフリカや潜在的競合となる他地域にはその幾つかが欠けているとの解説は分かりやすかった。講演後に中国への食肉輸出に関する2国間の通商問題について個人的に質問できる機会があったが、丁寧に解説していただいた。
2人目は、ビールメーカのAmbevの現役CEOだった。米国でMBAを取得し、M&Aを前線指揮して会社を大きく育てただけあり、マクロ的な市場環境と経営目標の中で、自社ブランドのポートフォリオを効果的にアピールしていた。消費財メーカらしくサッカーをモチーフにした広告ビデオも面白かった。
3人目は、国内第3位の商業銀行であるSantader銀行の現役CEO。SF10にも同社から一人、スポンサーで来ている他、ブラジル最大の銀行からも一人来ている。ABN Amro買収の話を含め同国の金融市場の具体的なコンテキストが聞けるかと期待していたが、講演はSustainabilityについてリーダシップ論的でやや概念的だった。最後の教訓はHave funと纏めるあたりはブラジルらしかった。同社の本社ビルは、LEED認証のグリーンビルとのことだったが、ブラジルまで来てわざわざ見学する機会があるとは思わなかった。自社へ人を迎える機会があったら、聴衆側の何を見たいかという期待によく配慮したいと思った。

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