2010年5月20日木曜日

South Africa (3日目)

3日目は、Innovationパネルから。起業家支援センターがあり、Sky Car (空飛ぶ車)や、戦争地域用の義足を紹介するベンチャーもあり、技術自体は先進国と大差ないが、地域のニーズに応えたビジネスチャンスを狙っている。次は、Energy&Miningセッション。南アフリカはMining(鉱業)の産業比率は8%と高く、Energyの15%と合わせて主要産業になっている。大統領府の電力規制委員会のメンバーが講演した。同国は現在、世界でもっとも安く電力を生産でき周辺国に輸出しているが、大半を石炭に頼る発電事情を抱え、急激な電力ニーズの増大が予想されている。2028年までに2倍,50GW相当と言われるニーズを、どのようなエネルギーMixで構成すべきか(Coal/Nuclear/Alternative)、質問が多かった。私も講演後に、原子力政策の推進に向けた政治環境について質問したところ、国内にウラン鉱山を持つメリットがありながらも、核兵器保持計画を放棄した現在では、政治的な推進者はいなくなった。民間による経済性ベースの判断になるが、原子力発電は同国にとって高コストと見られているとのこと。同等規模のニーズがありながらも、中央政府の権限が強いベトナムなどとは事情が異なる印象を持った。また、同じく今でも石炭発電に頼る中国と比較しても、都市の空気汚染問題がさほど深刻化しておらず、GHG削減の環境面のプレッシャーもないため、これからしばらくも石炭発電に頼りそうだ。
午後は、アパルトヘイト博物館へ。19世紀後半のゴールドラッシュで突如、都市が誕生した歴史のビデオに続き、人種隔離政策の実態とそれを克服したマンデラ大統領の偉業を称える写真・映像展示を見学する。その後、実際の黒人居住区(Township)を訪れて、生活の様子を見学した。文字通り、生活区を強制的に隔離する現実に直面すると、人種問題が今でも社会経済のさまざまな面で影響しているルーツを実感させられる。

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