2010年5月21日金曜日

South Africa (4日目)

4日目は、朝から4つのセッションが続く。鉱山労働者の労働組合のリーダは、労働者の実態が政府統計ではいかに都合よく紹介されているかは指摘したうえで、実態としては30%を超える失業率の中で失業者の大半が黒人でしかも若者である点を問題としていた。組合リーダらしく、政府との交渉でも一歩も引かない力強さと論理的な説明力はなかなかのものだった。次に、来月開催のFIFAの運営体は、COOが来れない代理スピーカだったためもあり、好調なチケット売行きやスタジアムの準備状況など、やや表面的な紹介だった。続いて、通信事業者の社長は、途上国特有のモバイル主体の通信事情を紹介した。最後は、経済企画委員会の大臣が講演した。大臣の講演は、統計資料を基に財政、産業、教育と多面的な視点で同国の経済目標を示され、南アフリカのセッションを締めくくった。
講演後は、アフリカンマーケットで、アフリカ彫刻やみやげ物のショッピングを楽しんだ後、Moyo Lake Zooのレストランで南アフリカ最後の夜を祝うパーティだった。南アフリカに1週間滞在して、集中的に色々なリーダの講演を聞いて、ぼやけたアフリカ一般のイメージから、国としての色々な課題が有機的に結ぶ姿になったものの、国の現実的な実感は確とは得られなかった。能動的に、仕事で人に会ったわけでもなく、自分で手配して地図を片手に街中を歩いたわけでもないし、やはり慣れ親しんだアジアや米国とは根本的に違うためだろう。また仕事で南アフリカを訪問できる機会があるか分からないが、サハラ以南のアフリカとしては間違いなく成長著しい経済拠点であり、同国でお世話になった方々のためにも、今回の研修旅行で培った経験をぜひ役立てて恩返ししたい。

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