2009年10月12日月曜日

15.015 Macro & International Economics (H1)

15.015 マクロ経済学をRoberto Rigobon教授が教える。Rigobon教授の独特のTeaching Styleに好みの分かれる授業だ。夏学期のミクロ経済学がほぼ教科書に忠実に競争・独占市場のDS曲線を用いて定量的なフレームワークを詰め込んで学んだのに対して、秋学期のマクロ経済学は全く数式を使わずにISLMとBBNNのシンプルなモデルだけで多くの国のケースを説明していく。Rigobon教授が中南米出身ということもあり、アルゼンチンやスペインなどラテン系の小国が多くてアジアが少ない分、私には新鮮だった。経済政策の失敗学とも言うべく、政治が不安定で中央銀行もまともに機能せずに、通貨危機やハイパーインフレーションに追い込まれる状況を扱う。固定相場制下での為替政策を説明しやすくするため、BBNNという縦軸に為替(横軸は普通に需要)をおき、失業率、国際収支、生活水準の"不均衡"を表現するモデルを用いる点も独特。分かりやすいさが追求される余り、ケースが消化不要で一般論に終始した点だけは残念。日本経済の90年代来の状況も、日銀がStop-and-Goのタイミングを見誤った金融引締めを繰り返しているという一言で片付けられてしまった。後日、Vogel塾の勉強会で官僚の方が日本経済の政策議論を整理された話を聞いて、日本のことは日本人から深く学ぼうと思った。
シラバスはこちら。
http://web.mit.edu/rigobon/www/Robertos_Web_Page/15.015.html

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