2009年10月25日日曜日

15.902 Strategic Management

デルタモデルで有名なArnold Hax (ハックス)教授の15.902 Strategic Management. ハックス教授は戦略論の重鎮として、ハーバード、MITで30年以上に渡り教鞭をとっている。秋学期コア科目の一つで週3回、レクチャーとケースで進む。デルタモデルは、Michael Porter以来の競争戦略から、ハックス教授が重視する顧客やパートナとの友愛戦略を統合しており、その戦略の企画から実行プロセスのツールまで体系化している点が特徴。著書"The Delta Project"は、日本語訳もされている。授業も、愛嬌のある教授のリードで、なごやかな雰囲気で進む。
私のTake awayとしては、脱コモディティ・顧客重視を徹底して教えられた点だと思う。他の人には当たり前のことのように思われるが、私がいた業種はコモディティ化こそが利益の源泉で、なかなか信じるのは難しかった。いわゆる10兆円産業と呼ばれる通信、自動車、半導体は、成長期にシェアと規模を追求し、低価格化・高品質化の競争に勝ち抜き、業界で1,2位を占めた段階で残存者利益を長期に享受できるというモデルだった。コモディティ化は、利益率は低くなるが、利益の絶対規模は大きく、資本コストの論理が働かない日本の金融システムに良くも悪くもマッチしているというのが一般的な見方だと思う。というわけで、最初は授業を懐疑的に聞いていたが、ハックス教授は顧客重視の重要性を繰り返し毎回のクラスで力説され、授業中に学生からどんな反論が出ても、全くぶれることなく原則論を押し出してくる。これを見て、タームの半ばくらいから、こんな戦略論の大家が一途に信じることだから真剣に聞いてみようと思い直した。授業後に、何度か質問に行って自分の業種について話すと、それは顧客の選び方自体が間違ってるとか、明確にフィードバックをくれた。Final Paperを自分の会社についてデルタモデルで分析すると良いCap stoneになった。

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