2009年3月15日日曜日

聴講: 3/15 ムハマド・ユヌス 貧困のない世界を創る

日曜の夕方、ヒルズライブラリでシンポジウムを聴講した。2006年にノーベル平和賞を取ったムハマドユヌス博士の講演。博士の名前は知らない人でも、マイクロファイナンスのことは知っているだろう。バングラデッシュで貧しい人の自立を助けるために、$10程度を無担保で融資する、ソーシャルビジネスの魁である。マイクロファイナンスだけでなく、ダノンと一緒に、子供の栄養を補うヨーグルトを廉価で製造・販売するグラミン・ダノンや、携帯電話で4500万もの加入者をもつグラミン・フォンなど、実業も多く立ち上げているようだ。特徴としては、資本主義の仕掛けを活用して自律的に持続可能な体制を持ちながらも、評価メトリックをROIでなく人間の幸福度に基づく経営をしていること。何人の子供の栄養状態を改善したか、がメトリックなので、利益ギリギリの線で徹底的な低コスト・低価格を計ることになる。
ソーシャルビジネスは、MBAでも注目されているテーマ。卒業後の就職先データではソーシャルビジネスとして公務員や国際機関と一緒にカウントされるようで統計は不明だが、学校のパンフレットを見ると、Social Entrepreneurの養成に力を入れるスクールも増えているのはたしか。今年のWhartonの卒業式でも、ムハマドユヌス博士がスピーチを予定されており在校生に多いに期待されているようだ。ちなみに、MITは今年は州知事がスピーチするようだが、こちらには残念という声もある。ユヌス博士の演説は本当に魅力的である。ネイティブでないが、短いセンテンスで強く行動を促すデリバリなので、メッセージ性が強く相当なインパクトがある。実際、企業人としての社会貢献しかスコープがない自分にとって、より広い世界を見せてくれた。

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