2009年3月20日金曜日

書評: MITスローン・スクール戦略論

「MITスローン・スクール戦略論」東洋経済新聞社の本である。この本は、Sloan Management Reviewという、HBRをマネたわけではないが似たような経営学の論文雑誌の中から、98~01年に掲載された論文のうち特に優れたものを12点、載せている。たまたま図書館で「マッキンゼー現在の経営戦略」の予約手配をしたついでに偶然見つけて借りた本である。選ばれた論文の著者は、ゲイリーハメル、ミンツバーグ、マルキダス、プラハラードといった超有名な戦略論の大家に加えて、MITのハックス、ゲオルクフォンクロー、クスマノなど。まさに、戦略論のオールスターである。また、あえてポーターとクリステンセンの論文がないのも面白い。

内容は、それぞれ読んだ本のリード部分を集めた感じである。その中でも、ミンツバーグの章は、戦略論の学派を10に分類しており、戦略論自体を論じている。その中で、ポジショニング学派の人気が指摘されているが、ポーターの明快さや、戦コンの美しい図表・パワーポイントに相性がいいからというのも頷ける。ミンツバーグの「戦略サファリ」という著書を一度読んでおこうと思った。あと、10-12章の複雑系の理論を基礎にした戦略論はあまり馴染みがない上に、実務で役立ちそうにないので、手をつけずに終りそうだ。

留学前の読書計画を立てた。ハックスの「デルタモデル」、マルキダス、バーニーの「企業戦略論」上中下巻も留学前に読み直しておきたいと思うが、時間がどこまで取れるかな。経営書はMBAできっとたくさん読むだろうから、先月から好きなマクロ経済の本を読んでいたが、ちょっと欲張り過ぎた。本業?になるイノベーション戦略論の予習を深めておきたい。

1 件のコメント:

  1. Hi Austin

    You are interested in "Innovation".
    I have my paper on "Management of Innovation" on Google Knol. This paper is summary of two innovation classes at Berkeley and other innovation related materials.
    http://knol.google.com/k/eiji-aj-hagiwara/-/2cg2xof6ancr8/4#view

    Dec 2007 HBR Diamond had an article titled "Innovation Value Chain" This article explains why many companies fail to gain a lot of revenue from their attempt.

    IBM really knows how to manage innovation process. I learned over 4 months was summarized by Mr. Kitashiro, ex chairman of IBM Japan, in just 4 minutes. I was really impressed.
    http://www.berkeleyjapan.net/gyouji/gyoujiJfile/Kitashiro07.html

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